山形大学大学院理工学研究科
有機デバイス工学専攻
夫 勇進
3重項 - 1重項変換を利用した蛍光有機EL素子の高効率化
蛍光灯や白熱球などの照明は、家庭用電力の約16%を消費していると言われており、省エネルギー高効率光源として、有機エレクトロルミネッセンス(EL)が期待されている。現在実用化が進んでいる蛍光型の有機EL素子では、蛍光分子の1重項励起状態からの発光により、内部量子効率の限界は25%と言われており、残り75%は非発光の3重項励起状態として熱失活している。励起3重項→励起1重項変換を可能にするπ共役分子材料を開発し、蛍光有機ELの大幅な効率向上を目指している。緑色および青色発光素子において従来限界を超える発光効率を達成したので報告する。