岐阜大学大学院工学研究科 環境エネルギーシステム専攻
萬関 一広
高度構造制御された酸化チタンナノ結晶の高速合成技術
本技術は色素増感太陽電池(DSSC)の光電極材料となる酸化チタンナノ微粒子の高速合成手法に関する成果である。マイクロ波反応装置や超臨界水反応装置を用いて、酸化チタンの水熱合成反応を1時間以内に完結させることができ、電池性能を最大化するためのサイズ・モルフォロジー等のナノ構造制御や微粒子の高結晶化が可能である。本技術のマイクロ波反応で得た酸化チタンナノロッドをDSSCの多孔質光電極材料として用いた場合、一般に普及しているDegussa P25酸化チタン微粒子と比べ、光電変換効率が50%程度高い。工業的な量産性を意識して得た本研究の成果は太陽電池にとどまることなく、光触媒等多くの産業応用に活かすことができる。