情報通信研究機構
水野 麻弥
テラヘルツ波を利用した有機-無機コンポジットの解析手法
大きな分子の挙動や分子間相互作用の観測に適したテラヘルツ分光を利用して、有機質と無機結晶が組み合わさった配向性を有する材料の特性を分析する手法について紹介する。例えば、キチン質が炭酸カルシウム結晶から成る構造体にコーティングされた甲イカの骨に関して、吸収スペクトルから配向性や結晶多形がわかるだけでなく、結晶に不純物が混合した様子、さらには、結晶と有機質が結合している様子を容易に観測できることを示す。また、半導体など他の様々な材料へも応用できる可能性について紹介する予定である。