大阪大学工学研究科機械工学専攻
多田隈 建二郎
全方向駆動を実現する円形断面クローラ機構
従来の全方向移動機構は、段差・溝などの不整地走破能力が著しく低く、実際の動作環境では極めて大きな問題となっていた。この問題を鑑み、当研究者は機構全体を球形状とし、半球状の車輪を2つ向かい合わせた構成にすることで、車輪の相対的な直径を大きくし、高い走破性を有する球状全方向移動機構を実現した。さらに、上記の原理を車輪機構のみならず、クローラ機構にまで概念拡張したものが、全方向へ駆動力を生成する円形断面クローラ機構である。 本機構は、移動体のみならず、ハンド構造の先端にも搭載することで、把持対象物を任意方向に駆動させるロボットハンドにも応用可能な技術である。