展示内容:
当研究室では環境適応型光機能性材料として、ナノ結晶シリコンの発光特性の研究を中心に行っている。ナノ結晶シリコンはガス中でのレーザアブレーション法で作成している。堆積されたナノ結晶シリコンの電子顕微鏡写真を図1に示す。
図1
レーザアブレーション法は気相での成長のためナノ結晶表面の制御が比較的容易であるという特徴を持つ。この特徴を生かしラジカル処理等による表面水素化、窒化を試みた。
得られた試料の発光特性を測定すると水素化されていない試料の発光が青色(図2(a))なのに対して水素化された試料の発光は赤色(図2(b))を示した。
図2
これは表面処理の制御によって表面酸化層が変化したためと考えられ、発光波長の制御が可能であることを示す。また、一連のレーザアブレーション法の研究からレーザアブレーションによるナノ結晶生成過程の解明と窒化シリコン薄膜の生成過程に関する知見を得た。ナノ結晶の生成、化合物の生成共にプルーム領域内でのガスとの衝突、反応過程が重要であることを示した。また当研究室ではレーザアブレーション法以外の方法でもナノ構造半導体の作成を行っている。一つはアモルファスシリコン表面のAFMによるナノスケール表面酸化であり、もう一つはコロイド技術を用いたひげ状のポリマー鎖を表面にもつナノサイズ半導体である。両者とも試料の表面状態と発光特性に強い相関があることが明らかになった。
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