展示内容:
高度に精密化された半導体製造技術における加工サイズはすでにマイクロメートルを突破しナノメートルの領域に入っている。これまで我々は、次世代半導体製造技術に必要な超精密ステージ技術の研究開発を行ってきた。このステージの駆動源として、積層型圧電アクチュエータを用いた非共振型超音波モータを開発し、この成果として位置決め精度0.69nmで50mm/sec以上の速度で稼動する超精密ステージ駆動を実現している。
一方、バイオテクノロジの分野においても、これまでのように細胞の中で数10マイクロメートルという比較的大きなサイズを持つ核を操作するだけではなく、もっと微細な構造体、たとえば100〜500ナノメートル程度の短径を持つミトコンドリアや葉緑体に対して操作を行いたいという要求が高まっている。
本展示においては、ナノメートル領域での細胞手術を行うために開発したナノサージェリーシステム(ナノマニピュレータ、および細胞内小器官を顕微鏡視野中心に精密に移動するためのサンプルステージ)の動作デモンストレーションを行う。これらの駆動源としては、非共振型超音波モータ技術および超精密ステージ技術を応用した。開発したナノマニピュレータは、細胞手術などのバイオテクノロジ分野のみならず、半導体ナノテクノロジ分野に対しても有用なものであると期待される。
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