展示内容:
●医療現場における薬毒物検査体制の構築
薬毒物による中毒では警察などが原因物質を分析し、事件を解決している。しかし、東京地下鉄サリン事件の際、中毒原因物質がサリンであることが報道機関から発表されるまでに2時間余が経過した。その間、患者が収容された病院では、医療関係者が二次汚染の被害を被った。このように患者の治療や二次汚染の予防のために医療現場で原因物質の分析ができることが望ましい。
1)分析者の育成
2)分析教育機関の必要性
3)企業との連携
4)企業との研究協力
●今後の展開:薬毒物分析に関する支援を行ってきた実績を踏まえて、広島大学に薬毒物分析支援施設をつくる。各企業の最新機器を用いて生体試料中薬毒物の迅速分析法の開発研究を行う傍ら、全国の分析担当者を対象とした講習会や実習、更に、文部科学省や厚生労働省の委託を受けて医療機関の分析精度管理を行う。生体および死体中の薬毒物を精度よく分析するには、生体成分から目的物質を抽出精製する前処理操作が大切である。前処理の自動化を図り、施設に中毒の分析依頼窓口を設けて、全国から寄せられる依頼分析を有料で行う。生体試料中薬毒物分析用のGC/MSやLC/MSに前処理操作を加えた自動分析装置の改良、インターネットを用いた遠隔操作による分析技術の開発が望まれる。中毒に係わる検査料の保険適用が平成16年度から行われる
のを機に支援事業も発展するものと考えられる。
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