01 政策統括官(経済財政運営担当)

本橋 直樹(MOTOHASHI Naoki

政策統括官(経済財政運営担当)付
参事官(経済見通し担当)付参事官補佐

本橋さんの写真

経済情勢に応じたマクロ経済政策を導く

経済財政政策の根幹を時には機動的に支える

  経済財政運営担当は、内閣総理大臣のリーダーシップを支えるため、我が国のマクロ経済政策における様々なミッションを担っています。具体的には、経済財政政策の重要課題を議論する経済財政諮問会議の運営、経済財政政策の根幹となる「骨太方針」の策定、経済情勢の変化にスピーディーに対応するための「経済対策」の取りまとめ、翌年度の経済の姿を示す「政府経済見通し」の作成などが挙げられます。このように、経済財政運営担当の役割は多岐にわたっており、その時々の経済情勢に応じて適切なマクロ経済運営のツールを使うことが求められる部局です。そのため、職員には機動的な対応を行うための瞬発力と世の中の動きを広く素早くキャッチするためのアンテナの高さが求められていると感じています。

適切なマクロ経済運営の土台として翌年度の経済の姿を見通す

  その中で、私の所属する経済見通し担当では、主に「経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(政府経済見通し)の作成・公表を行っています。毎年12月に閣議了解される政府経済見通しは、足下の経済状況を踏まえつつ、翌年度にかけて、政府がどのような経済財政運営を行っていくのか、その下でどのような経済の姿が想定されるのかについて、政府として実現を目指すべき経済の姿の公式見解を表明するものです。この政府経済見通しで示すGDP成長率や物価などの主要経済指標は、予算編成作業の前提など、政策の土台として活用されています。
  参事官補佐として初めて関わった令和5年度の政府経済見通しにおいて、私は個人消費と物価を担当しました。前者はGDPの約6割を占める需要項目であり、後者は物価高騰もあり注目度の高い指標です。推計に当たっては上記の総合経済対策の効果も織り込みつつ、足下の経済情勢を丁寧に分析することで説得力のある説明に努めました。苦労もありましたが、無事閣議了解され、その日の夕刊の一面に掲載された記事を読んだときには感慨深いものがありました。
  さらに、経済見通し担当では、政府経済見通し以降の経済状況等を踏まえ、7月頃に当年度及び翌年度の経済の姿を示しています(内閣府年央試算)。こちらの年央試算は、経済財政諮問会議における概算要求基準等の検討に際し、経済と財政の一体的な議論に資することを目的としています。これらの経済見通しの他にも、経済見通し担当では毎年2回、OECDで開催されるSTEP(Short-Term Economic Prospects)会合に参加しており、各国当局や国際機関と経済見通しについて議論を重ねています。
  また、経済見通し担当では「経済対策」策定に際して、経済対策の効果を定量的に示すため、内閣府試算値として効果試算を公表しています。

hot topic

  政府は、令和4年10月28日に「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を閣議決定しました。経済財政運営担当はこの総合経済対策のとりまとめ役を担い、私は消費者物価抑制効果について試算しました。スピーディーな対応が求められるなど困難な作業でしたが、試算結果が総理の会見で用いられた時の達成感はひとしおでした。

職員からのひとこと

  確かに公務員の仕事は時に厳しく、大変なことが多々あります。他方で、自分の頑張りが何らかの形で政策に結び付き、世の中にインパクトを与えることができる、という点が公務員の醍醐味であり私の原動力になっています。こうした思いにピンときた方はぜひ内閣府の門を叩いてみてください。

経歴

平成27年
採用
政策統括官(経済財政分析担当)付
参事官(総括担当)付
平成28年
政策統括官(経済財政分析担当)付
参事官(企画担当)付
平成29年
内閣官房副長官補付
令和元年
政策統括官(経済社会システム担当)付
参事官(企画担当)付政策企画専門職
令和2年
留学(英・ケンブリッジ大学)
令和4年
現職