第15回OTO推進会議苦情処理部会議事要旨



1 日時 平成13年2月16日(金) 14:00〜15:45

2 場所 内閣府会議室(545号室)

3 出席者

(OTO推進会議)

大河原議長、谷村委員(部会長)、金森委員、兼重委員、高瀬委員、千野委員、本田委員、宮智委員 (OTO事務局) 内閣府 梅村大臣官房審議官、坪内企画官 他


4 議題

(1)最近の苦情受付・処理状況
(2)その他
5 審議の概要

議題1 最近の苦情受付・処理状況

○事務局から、配布資料に基づき説明

(1)現在までの受付件数は636件、前回の部会(平成12年4月)から新たに31件を受付。 (2)前回部会までに受け付けたもののうち処理済となっていなかったもの11件、新たに受け付けた31件の計42件の個別案件について、現時点での処理状況を説明。処理済のものは22件で、うちA(改善措置を講ずるもの)は7件。 ○この後、審議

(委員の主な発言と事務局の主な応答)

(1)601「輸入二輪自動車の制動に関する外国検査データの受入」
並行輸入業者が、メーカーから証明書を入手することは非常に困難であり、それを国土交通省が求めるのは事実上並行輸入を阻止するものである。担当官は外観からすぐにチェックできるはずである。見て明らかなものに検査を要求するのは根拠が薄いのではないか。証明書をもらったり、検査を受けたりするのは費用がかかる。回答には納得できない。
(2)609「新素材(技術)の活用による気密容器入り食品の関税分類の見直し」
米国や欧州と日本とで規格基準が違うのか。また、技術が向上して本件のような容器が新しく開発され普及してきたのであれば、従来の解釈にとらわれず、規格の整合化の観点からも見直しをする必要があるのではないか。その点の所管省庁の説明が欲しい。
(3)611「浄水用粉末活性炭の入札仕様書における国産品限定要件の排除」
去る2月の総務省と各地方自治体との会議で、総務省は、即日開票の実施を強く依頼したという。そのような依頼が可能であるならば、国際問題を起こしかねないような地方自治体に対しても、総務省は同じようなことを行うことが可能ではないか(質問書を提出したい)。
(4)612「韓国の特殊車両の日本国内での運行」
・ヨーロッパでは普通のトラックが特に検査を受けることなく国境を越えて走ることが可能である。将来、日本と近隣諸国が自由に往来できるよう見直してはどうか。
・本件を個別に審議したい。韓国は相互主義の立場を取っているが、米軍の車や国連軍の車については、道路運送車両法の適用除外となっていることからしても、本件は、道路運送車両法の安全の見地からだけでは議論できない。2002年のワールドカップ開催にあたり、韓国からの観光バスの受け入れという要求が出ることも予想され、早急に解決すべき問題である。
(5)613「外国運転免許証の切替発行手続の簡素化」
・所管省庁が相手国の交通事故件数を視点に入れているのは重要である。しかし、交通事故は、免許制度もさることながら、これに加えて道路インフラの整備状況、信号機や表示板の設置状況等の要素も関係する。天候事情の違いもあるのではないか。これを抜きにして免許制度の問題にのみ視点を当てているのは科学的でない。この点の質問を出したい。
・切替発行手続を簡便にする中間的な方法がありうるのではないか。
・アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダでは、韓国に対し運転免許証の切替発行手続きの簡素化を図っているのか。
・所管省庁の回答にある、我が国と同等以上の水準の免許制度とは具体的にどのようなものなのか。同程度の技術や知識とは何か。
・運転に関する教育、知識、技能と交通事故件数の因果関係を証明するのは無理である。もっと現実味を持って比較できるような基準が必要ではないか。
(6)614「継続輸入制度における検査省略期間の延長」
コーヒーメーカー等の容器に対する検査について、他国の標準からみて日本は細かいのではないか。
(7)616「体外診断薬に関する規制緩和」
・所管省庁の回答において、申請から承認までに要した期間に関するデータはないとしているが、各審査について、いつ申請があり、いつ承認がなされたかのデータが本当にないのか。
・体外診断薬の規制緩和について、OTOでは過去に何回も議論しているにもかかわらず、未だに結論が出ていないということは、OTOが軽視されているのではないか。個別に審議すべきである。
・所管省庁の回答によると、医薬品機構及び審査センターにおける事務処理の流れを改善したとある。その他にも改善する余地があるのではないか。
(8)624「香辛料の殺菌方法の見直し」
・WTOのSPS協定によると、国際基準がある場合には、第一にその国際基準に従うとされ、これを採用しない場合その国は、採用しないことが妥当であることを立証しなければならない。コーデックスにおいて照射食品の規格基準が制定されているなら、日本はそれを採用しないとする科学的根拠を示すべきであり、所管省庁の回答にはこの点が欠落している。
・所管省庁の回答は科学的ではない。この回答では、諸外国でも納得されない。現時点でこういう問題点があるということを科学的根拠も含めて明らかにすべき。
(9)631「保健機能食品制度案の白紙撤回」
・OTOにおいて審議してきた案件。厚生労働省では見直しは進んでいると説明していたが、白紙撤回が求められているのは残念なこと。個別に審議すべきである。
・WTO通報は、案の段階で各国に通報するものであり、所管省庁がこの手続きを踏まえている限りパブリックコメントと平行して行っていても問題はない。ただし、WTOのメンバー各国から意見が出た場合、これを考慮しなければならないため、所管省庁ではどのような対応を取るつもりであるのか聞きたい。
・本件は個別に審議すべきである。
(事務局)
・厚生労働省では、本件のパブリックコメントに対する考え方を2月15日付けでホームページに掲載している。

(10)その他
・今回審議の対象となっている案件数は合計42件である。このうち、厚生労働省、旧厚生省所管の案件が14件にのぼる。この14件の法律別内訳は、食品衛生法が11件、薬事法が3件である。規制緩和推進3ヵ年計画等により規制緩和が進んでいるが、この2つの法律だけは、規制緩和の流れの中で例外である。OTOでは個々の苦情が対象案件となるが、この2つの法律に関わる問題に焦点を当てて検討する必要があるのではないか。
・パブリックコメント制度について疑問がある。意見のあったものを審議会等で配布するのみで実質審議は行っていないのではないか。規制を策定・改廃するに当たっての形式的なものになっており、それが苦情の背景にあるのではないか。

議題2 その他 OTO事務局より、本日16時30分から記者発表を行う旨説明。
委員からの指摘により、記者発表にあたっては、「市場開放問題苦情処理対策本部苦情受付・処理状況」だけでなく、本日の審議において各委員がコメントした内容、今後の苦情処理部会において申立者と所管省庁から意見を聴取し、個別に審議することとされた案件、委員の質問事項に対して所管省庁から回答を文書で提出することとなった案件等もあわせて発表することになった。
○議長による総括 本日、皆様から頂いた意見を踏まえ、OTO番号612,613,616及び631については、申立者と所管省庁から意見を聴取し審議することとし、また、601,609,611及び624については、委員の質問・意見に対する回答を所管省庁から文書で提出してもらい、次回の部会において事務局から報告してもらうこととする。その他の案件に対する委員からの意見については、事務局から所管省庁に伝えてもらいたい。

以 上

(速報のため事後修正の可能性あり)

[問合せ先]内閣府市場開放問題苦情処理対策室
TEL 03(3581)0384(直通)