平成11年度第8回OTO専門家会議議事要旨


1 日時 平成12年2月29日(火) 15:00〜16:00

2 場所 経済企画庁官房特別会議室(729号室)

3 出席者

(OTO推進会議)

大河原推進会議議長、行天委員(議長)、久米委員、谷村委員、眞木委員、山本委員、金森委員、兼重委員、高瀬委員、本田委員、宮智委員、村上委員、權委員
(問題提起者)
東京商工会議所 岡山国際部国際経済担当課長 他
(所管省庁)
自治省 下河内消防庁予防課長 他
(OTO事務局)
経済企画庁 薦田調整局審議官、市川調整局貿易投資対策官


4 議題

(1)消防法における外国基準の受入れ
(2)その他


5 審議の概要

議題 消防法における外国基準の受入れ

○事務局から第6回OTO専門家会議以降の状況について説明

○所管省から対処方針につき説明

(1)消費熱量の大きい火気設備等のうち、離隔距離等の類型化の可能なものについて、ガイドラインを策定し、消防機関に示すこととする。検討の視点として、建物側では火気設備の使用時において、設置された周囲の壁等の温度が着火のおそれのある温度まで上昇しないこと、火気設備については、可燃物品が接触しても発火しないよう火気設備の表面温度が過度に上昇しないことの2点が必要。

(2)(財)日本ガス機器検査協会(以下「協会」という。)等の検査合格、認証表示品以外のものについては、現在も各消防機関において火災予防上安全なものであることを確認して設置を認めることとしている。ところが、一部の消防機関では、協会の検査あるいは認証を受けてくるよう指導しているとの指摘があったので、消防機関に対し、個別に火災予防上安全なものであることを確認して設置を認めるという趣旨を明確にして、徹底していきたい。

(3)業務用ガス機器本体の基準に外国の規格、基準を取り入れるかどうかについては協会及び通産省の所管するところである。

(4)消防法においては、防火対象物(例えば大きなビル)の中に設置することになっている消火器、スプリンクラー、火災報知器等を規制の対象としている。一方、火気設備(例えばオーブンやレンジなど)は火災予防条例において規制の対象にしている。

(5)自治省消防庁は、各市町村が条例を定める際のガイドラインとして火災予防条例準則を示し、条例制定の参考にしてもらっている。消費熱量の小さいものについては準則の中に離隔距離のガイドラインを規定している。消費熱量が大きなものは技術基準が一般化しにくいので、準則の中で具体的な離隔距離を定めていない。しかし同協会の認証を受けたものは、協会が自主的に策定した設置基準を参考にして消防機関に安全性を確認していただきたいと通知している。

(6)協会の認証を受けていないもの(全体の6割くらい)は設置にあたり、消防機関が製造者の試験データ等をもとに個別に安全性を確認することになっている。

(7)消費熱量の大きいもので、協会の認証を受けていないものについて基準を一般化できないかという問題提起に対しては、離隔距離等の類型化の可能なものについてガイドラインを策定し消防機関に示すこととしたいと考えている。業務用厨房機器でガスを使うものは多種多様である。その中でレンジ、焼きもの機、グリドル、オーブンは一般化しやすいが、特注品もあるので、全てにわたって、基準化を図ることは難しい。協会が評定を行っているようなもので、ある程度類型化が可能なものは検討の上、一般的な基準を作りガイドラインとして示したい。


○ この後、審議

(委員の主な発言と所管省の応答)

(1)協会等の検査合格、認証表示品以外のものについては、各消防機関において現在も火災予防上安全なものであることを確認して設置を認めることを消防機関に徹底するという対処方針は結構なことである。

(2)防火性能評定委員会(以下「委員会」という。)について教えて欲しい。

(自治省消防庁)自治省消防庁から委員会の委員として参加しているが、消防庁としては、委員会の委員を委嘱したり、費用を出したりという関与はしていない。委員会は協会において設置されたガス機器の評定を行うための委員会である。
(3)協会と評定委員会との関係はどうなっているのか。
(自治省消防庁)委員会は協会に設置されたものであると認識している。委員会の事務局を協会が行っている。
(4)昭和61年11月1日に消防庁予防救急課長から各都道府県消防主管部長あての「燃焼機器に係る防火性能評定の実施について」という通知には「消防庁としても、防火性能評定委員会を組織し、それぞれこれらの防火上の有効性の評定を行うこととしたところである。ついては、防火性能評定委員会で評定した燃焼機器については、基準の特例を適用することとされたいので御指導願いたい」とある。この通知を読んだ限りは自治省消防庁が命じてこの委員会を組織させたように思える。この委員会が、自治省消防庁の機関であるとも自治省消防庁から委員として参加しているだけの機関である、どちらとも読みとれることが、わかりにくいことにつながっている。

(5)消防は重要であると思う。地方分権が重要であって、その建前を重視しなくてはならないとしても、消防法に関しては自治省消防庁がガイドラインを出して指導することは妥当であると思う。自治省消防庁はもっと堂々と指導すればいい。

(自治省消防庁)
・通知の内容は不適切な点があったかもしれないが、委員会は協会が設置したものである。
・自治省消防庁では、ガス機器本体について協会が評定したものについて、離隔距離だけ準用している。
・海外の機器を据え付ける際にどれくらいの離隔距離が必要かという点については消防庁で可能なものについては一般基準化をしたい。
(6)自治省消防庁が通知の文言が適切でないと認識しているのなら直していただきたい。通知が残っていると、危ないから協会に頼めという指導につながってしまう。自治省消防庁では、各消防機関に趣旨を徹底するということなので、背景に至るまで直して徹底していただきたい。

(7)ガイドラインはいつまでに作るのか。

(自治省消防庁)燃焼機器が異常に燃焼した時の安全性、例えば、壁側の温度上昇が100度を上回らない、本体の温度は200度を上回らないといった安全性を確認するためには、検査設備を持っているところに頼むしかないが、そのような設備を持ったところはほとんどなく、異常燃焼した時にどれくらいの距離をとれば安全性が確保できるのかという基準の検討には時間がかかる。全てを1年以内ということは難しい。
(8)年をもって数える期間は非常に長いという印象を受ける。

(9)自治省消防庁によると、東京などの大きな消防機関ではかなりの判断基準を持っているとのこと。既にもっているものを吸い上げてマニュアル化し、とりあえずインターネットで周知するなどしてはいかがか。白紙から作るのは大変だろう。

(自治省消防庁)
・ 東京等設置箇所の多い消防機関を集めて、可能なものについて、現在ある資料から当面のガイドラインを作る。資料のないものについては、もう少し時間をかけてガイドライン的なものを作っていきたいと考えている。
・ 現在ある資料に基づいて当面いくつかの類型化の可能なものについてガイドラインを作るということは、1年くらいあれば可能であると考えている。
(10)設置場所や通風関係、日あたりなどいろいろな条件があるから、完璧なものを作ろうと思ったら50年たっても無理だろう。現実には現在も各消防機関が確認作業を行っているのだから、すぐに出来るはずである。完璧なものではなく、凡例を知らせる程度でもいいだろう。
(自治省消防庁)
・ 離隔距離をいちいち定めるとすると本体の方も確認しなければならないが、性能的に設置した時の安全基準だけなら、現在消防機関等が持っているデータから基準を作ることができると考えている。
・ 壁からどのくらい離したら安全性が確保できるのかがメーカー等のデータによって一律に判断できるならば、これですぐに設置を認めることができる。しかしながら、なかなか判断できない場合には、通常のこういう機器の場合だと何センチくらい離せば大丈夫、心配があるのならこういう方法で確認してみたらいい、というガイドラインが必要となる。スムーズに設置してもらえるようなことを考えるとある程度の類型化をして示すことが必要だと考える。
・ 既存のデータのあるものについて類型化をして、類型ごとに大体これくらいの熱量のこういうものであれば壁から何センチ離せば一般的に大丈夫であるというガイドラインを作ることを考えている。
(11)1年というのは非常に長いと思う。1年でできないことはよほど大きな事業だと思う。

(12)一定入力とはわかりにくい表現である。それに、ここでは入力ではなく出力が正しいのではないか。わかりにくいだけでなく妥当ではない。わかりにくい点は再検討していただきたい。


○議長による総括

(1)防火は大事なことであるということ、火気設備の設置についてルールが必要であるということについては誰も異論はないだろう。大事なのは、どういうルールが必要で、誰が責任を持っているかをはっきりさせる、国民生活にできるだけ負担がかからないようにルールづくりをすることである。

(2)所管省の「消費熱量の大きい火気設備のうち、離隔距離等の類型化の可能なものについて、ガイドラインを策定し、消防機関に示す」という対処方針については、評価できる。このガイドライン作成は1年以内に実施していただきたい。

(3)また、「日本ガス機器検査協会等の検査合格・認証表示品以外のものについても、各消防機関において火災予防上の安全性について確認すること」を各消防機関に対し、単に紙で示すだけではなくあらゆる手段で、この趣旨を徹底していただきたい。

(4)事務局で所管省、問題提起者と調整の上、できるだけ具体的な内容を盛り込んだ報告書の原案を作成し、報告いただきたい。その上で必要に応じ更なる検討を加えることとしたい。

以 上


(速報のため事後修正の可能性あり)

[問合せ先]経済企画庁調整局市場開放問題苦情処理対策室
TEL 03-3581-5469(直通)