第16回OTO推進会議苦情処理部会議事要旨

第16回OTO推進会議苦情処理部会議事要旨

１　日時　平成13年3月23日（金） 16:00～17:55

２　場所　内閣府会議室（545号室）

３　出席者

（OTO推進会議）

谷村委員（部会長）、金森委員、兼重委員、千野委員、宮智委員、村上委員（苦情申立者）駐日大韓民国大使館　丁　相基参事官、金　元辰経済課長、金　東燦書記官（所管省庁）国土交通省　自動車交通局　岸本技術安全部管理課長、中山技術安全部技術企画課長、長崎総務課課長補佐、東貨物課課長補佐、猪原技術安全部管理課課長補佐、小田技術安全部技術企画課課長補佐警察庁交通局　田村運転免許課長、斎藤運転免許課課長補佐、他（OTO事務局）内閣府　梅村大臣官房審議官、坪内企画官　他

４　議題

(1)OTO番号612「韓国の特殊車両の日本国内での運行」について
(2)OTO番号613「外国運転免許証の切替発行手続の簡素化」について
(3)その他
５　審議の概要

議題1　 OTO番号612「韓国の特殊車両の日本国内での運行」について

○苦情申立者からの説明

(1)従来日本においては、冷凍車・冷蔵車・活魚運搬車等の特殊車両について、一時的な輸入通関が認められていなかったが、韓国側の制度見直しの要請等により柊国際フェリーを利用し輸出入する車両の通関について稗(大蔵省令第849号)の改正が行われ、現在は、特殊車両(貨物運搬車)の一時的な輸入通関は可能。しかし、これに伴う柊道路運送車両法稗の適用除外等の措置はとられておらず、事実上、韓国の特殊車両は日本国内を運行できない。 (2)韓国は、柊船便で車両等の一時輸入を行う車両通関に関する告示稗(関税庁告示第98-56号)により、日本の自家用乗用車と特殊車輌の韓国国内への一時的な輸入通関を認めると共に、柊道路交通に関する国際協約稗及び国内の関連法(｢自動車管理法稗、柊道路交通法稗等)に基づき、日本の特殊車両の韓国国内での運行をも認めている。 (3)しかし、韓国の特殊車両の日本国内での運行は未だに認められず、これは、二国間における相互主義の原則にそぐわないものになっている。その上、二国間貿易の面からは、輸出費用(輸送物流コスト)の増加及び輸送期間の長期化等を招き、韓日間の貿易活性化の妨げになっている。 (4)韓国側としては、韓国特殊車両の日本国内運行のために必要な措置、即ち自動車の新規登録と形式承認の免除及び韓国ナンバープレート使用の許可等に向けた関連制度の整備を日本側がなるべく早期に講じてくれることを改めて要請する。 (5)去年12月、柊韓日ハイレベル経済協議第1回フォローアップ会議稗の際に、日本側(国土交通省)からは、関連法律の改正が必要な事案であり、検討の後、追って通報するとの答弁を受けている。

○所管省庁からの説明

(1) 我が国においては、安全性の確保あるいは公害の防止を確保するため、原則、全ての車両について、道路運送車両法に基づき現車を提示した上で、登録・検査を受け、有効な検査証・登録番号標の交付を受けなければ、公道を走行することができないこととされている。他の法律において道路運送車両法に基づく検査・登録に係る規定を適用しない旨措置されている自動車の第一は、1949年道路交通条約の対象となる自動車（自家用乗用車）である。今回要望のある保冷車は事業用の自動車と考えられるため、この条約の対象にならない。第二は、在日米軍等が公用で使用する自動車である。これは、日米地位協定等に基づく特例である。第三は、自衛隊が使用する戦車等の大型特殊自動車等である。 (2)欧州においては、各国が1968年道路交通条約（自家用乗用車以外の自動車も対象）に加盟し、同条約に基づき、他の締約国において登録を受けた自動車が一時的に運行することを相互に認めている。我が国はこの条約を批准していない。 (3)韓国の水産車両が我が国において一時運行するための制度を検討するに当たっては、①安全、環境に関し一定の基準適合性の担保、②「車両等の世界的技術規則協定（グローバル協定）」、「車両等の型式認定相互承認協定」等現在国連の場において検討が行われている国際約束との整合性、③ＷＴＯ協定に基づく最恵国待遇との関係、に配慮することが必要。 (4)韓国が現在行っているような告示その他運用上の措置により韓国の水産車両についてのみ登録・検査を免除することは不可能。国際的枠組みを前提に、道路運送車両法の改正等により、水産車両に限らず外国車両が我が国において一時運行するための制度的な枠組みを構築することが必要。また、我が国において外国車両の一時運行についての制度化を講じる場合には、韓国側においても、告示その他運用上の措置ではなく、上記国際的枠組みを受け入れた上で、我が国の車両が韓国内での一時運行するための法律上の制度を設けることが相互主義の観点からも必要。 ○この後、審議

（委員の主な質問及び発言、所管省の応答、苦情申立者の発言）

(1)安全、環境に関し一定の基準適合性の担保が必要とのことであるが、在日米軍車両については、法律が制定された昭和27年当時には、安全、環境に関しての基準適合性は担保されていないはずである。また、沖縄返還直後半年間ほどは、沖縄の車両については何からの暫定措置を取ったはずである。それはどのような根拠に基づきどのような手続で行ったのか。 (国土交通省)現在は、国民の健康あるいは安全について厳しい見方をしなければならない時代であり、基準適合性の担保が必要。沖縄の件については、手元に資料がないため、調べさせていただきたい。 (2)グローバル協定等が現在国連の場において検討されているとのことであるが、結論に至るには相当な時間がかかると思われる。しかも、その後で国内法の改正手続が必要である。実現するまでの見通しをどう考えるか。 (国土交通省)時間はかかるのは事実だが、自動車メーカーの国際化等による圧力が強く、基準の統一は加速されていくだろう。ヨーロッパの例のように既にある1968年道路交通条約を互いに合意するというアプローチをとれば時間はかからないのではないか。 (3)法律改正の基礎を海外の協定に委ねることは、問題が先送りされるのではないか。回答のように、道路交通条約を両国が批准すれば問題は解決するかもしれないが、条約の批准の時期については、簡単に見通しがつくものかどうか疑問は残る。
(4)試運転用や陸送用の仮ナンバーに類似したものを使って使用期間と運行経路を限定して走行を認めることは可能ではないか。仮ナンバー的な考え方での行政措置をとることはできないか。 (国土交通省)車検を受けるための臨時運行制度と保冷車が走る場合とを同一に論じることはできない。 (5)安全・環境に関しいい加減なことはできないというのは分かる。しかし、安全や環境基準を担保しなかったと思われる米軍車両に対する特例措置が今日まで続いており、これまで特に問題とはされていないのだから、韓国側の要望に対しても何らかの方法が考えられないか。全ての国の車両に関して法律的な枠組みを作り対応するという方法は正論であっても時間が長くかかり過ぎるため、暫定措置に類する案を検討すべき。例えば、日本の排ガス規制や制動試験に適合する旨の韓国における試験結果を付けてきた車両のみに認める等。
(6)急速に自動車の国際化は進んでいる。日本が大陸と結びつく物流手段のひとつとして、フェリーによって大型の輸送車両をお互いに走行させることで物流コストを下げることが必要になる。暫定的な方法を考えるべき。
(7)去年12月の日韓ハイレベル経済協議の後、国土交通省は韓国に通報したか。その内容はどのようなものか。　　(国土交通省)現在の国土交通省の考えを今ここで説明している。　　(委員)随分遅いのではないか。 (8)去年5月にアジア経済研究所と韓国の対外経済政策研究院が共同声明を発表しているが、その中で、日韓自由貿易地域構想の実現には10年くらいかかるので、手近なところから進めていくという点で一致した。何らかの方法を考えられないか。
(9)本件要望に対して、財務省は一時的な輸入通関を可能にしている。これは相互主義的立場からの措置であると考える。しかし、通関後運行できないということは、理解できない。国土交通省は相互主義についてどう考えるのか。
(10)地域経済協定については、第3国に対する扱いが現状より悪化しなければ、ブロック内の国に対して特別のベネフィットを与えることは違法ではないと記憶している。配慮すべき事項として、WTO協定に基づく最恵国待遇との関係を挙げている点に疑問を持つ。
(11)日本と韓国の商品貿易が収縮していくことは好ましい状態ではない。日本と韓国との経済交流の深化は重要で、この問題はその一環として捉えるべき。
(12)1968年道路交通条約に韓国は批准しているか否か。批准していない場合、告示その他の運用上の措置により韓国において運行が認められている特殊車両は日本車だけか。日本車だけあるいは国を絞って認めている場合には、WTO協定に基づく最恵国待遇との関係をどう考えているのか。 (韓国大使館)批准した。韓国の告示は制度的には日本のみでなく他の国にも認めている。 (13)本件に関し配慮すべき事項について、安全、環境に関する基準適合性及び国際協定は特に問題となるものではないと考えるが、日本が告示で韓国車の運行を認めるとした場合、WTO協定に基づく最恵国待遇に違反するのか。 (国土交通省)日本が法治国家である以上、法律に根拠のないことを告示で行うことは不可能。二国間だけで行えばWTO協定に基づく最恵国待遇違反になる。外務省にも確認した。 (14)財務省が一時通関を認めた措置について、韓国側としては、どのように認識していたのか。 (韓国大使館)韓国としては日本政府に対して要望したものであり、日本の関係省庁が相談の上回答されるものと考えていた。残念ながら財務省では前向きであったが国土交通省ではこのような回答になっている。 (15)法律改正を行うことの障害に関する認識如何。 (国土交通省)韓国のみではなく他の国の車両も認めなければならなくなることが問題。法改正の根拠が条約であれば、条約に車両の安全基準があるので、条約加入時に基準は担保される。 (16)民間車両と米軍車両を同等に議論することは困難である。国土交通省はこの問題の解決を事実上できないと述べているが、地位協定を締結した時代と今とでは国際情勢は変わっているし、日韓関係も変わってきている。 (国土交通省)本件について対応できないと回答している訳ではなく、韓国の水産車両の運行を認めるためには制度改正が必要であり、その前提として1968年道路交通条約を締結することが一番良い方法と申し上げている。なお、当方が調べたところでは、韓国はサインはしているが批准はしていない段階。日本はサインも批准もしていない段階。両国が締結し、それに基づき法律改正するのがあらゆる問題を解決する道である。 (部会長)1968年条約の締結時期が分からないのでは解決策にならない。委員の意見は、何らかの形で問題を早急に解決する手段がないかというもの。 (国土交通省)国土交通省は1968年条約を批准することに所管部分については問題はないとの立場。ただし、外務省や警察庁の所管部分については不明。 (韓国大使館)韓国が告示レベルで日本の特殊車両の国内運行を認めたのは、韓日本間の貿易を重視するため、国会審議の要らない告示をもって短期間で行ったという背景がある。

○議長による総括

・問題の先送りでは事態の解決にはならない。何らかの方法を考えるべきというのが殆どの委員の意見であった。外務省や財務省との関係についても発言があった。
・所管省においては、委員から示された意見を踏まえた対処方針を検討していただきたい。 1. 条約に基づいた法律改正が必要なのか。 2. 条約はなくても法律改正で対応できるのか。 3. 法律はなくても一定の運用上の措置で問題の解決ができないかどうか。・苦情申立者においては、条約締結に関する所管省の考え方を受け入れるかどうか検討していただきたい。・ 1か月程度後に再度苦情処理部会を開催し、再度所管省と韓国大使館に出席いただき、議論することとしたい

議題2　OTO番号613「外国運転免許証の切替発行手続の簡素化」について

○苦情申立者からの説明

(1)韓国の国内運転免許を所持する者が日本国内免許を取得（免許証切替発行）する場合には、「知識及び技能に関する確認(知識・技術試験)」が必要となっているが、柊適性検査稗と柊書類審査稗のみで切替ができるように見直しを求める。韓国においては、日本国内免許の所持者に対し柊適性検査稗と柊書類審査稗のみで韓国国内運転免許証の発行を行っている。 (2)当初警察庁からは、韓国における交通事故死者数の多さや韓日間の運転制度の相違等を理由に現行制度の見直しは困難であるとのの回答を受けた。その後、韓国は一定期間(例えば5年以上等)無事故運転者に限り、知識・技能試験を免除するよう要請したところ、警察庁からは、外国(韓国)において一定期間無事故運転者であることをもって、その者の運転に関する知識や技能の水準を判断することはできない、また、韓国運転免許の所持者に対する日本国内免許の交付件数は、ブラジル、中国に次いで3番目に多いのが現状であり、衡平の観点からも、韓国に対してのみ一定期間の無事故運転者を特別扱いすることはできないとの回答があった。 (3)警察庁の回答では、日本と同等水準以上の免許制度についての判断基準が曖昧。また、韓国における高い事故発生率は、韓国の免許制度による問題というより、道路整備の水準、信号システム及び気候の状況等による面もあり、韓国の免許制度そのものに問題はない。さらに、韓国の運転免許所持者に対する日本免許の交付件数が全体の外国のうち3番目であるということについては、免許交付件数そのものを単純比較すべきではない。 (4)現在、韓国の運転免許を認めている国はドイツ、フランス等を含め52カ国であり、これは世界的に韓国の運転免許制度に問題がないとことを証明するものである。 (5)現在韓国においては、我が国の運転免許を認めない国に対して厳格に相互主義を適用し、当該国の運転免許を認めない方向で関連法律を改正するよう検討を進めている。

○所管省庁からの説明

(1)現在行っているのは確認であり試験ではない。すべての国を対象として、運転することに支障がないことの確認を行うこととなっている。一部の国については、知識又は実技に係る確認をしない取り扱いも行っている。その他の国の免許を有する者については、以前日本免許を保有したことがある者を除き、原則として、知識又は実技に係る確認を行い、支障がないと判断されたときは試験を免除している。 (2)普通免許については試験場の場内での課題をこなし合格すれば、仮免許が与えられ、路上試験に合格して初めて技能試験合格となる。これに対し、外国免許からの切替の時は、周回及び幹線コース走行、一時停止、曲線コース通過、屈折コース通過、信号のある交差点の通過など５課題のみを場内で行い、大きな減点がなければ試験を免除する手続を取っている。基本的に難しい課題（方向転換、縦列駐車、路上走行、坂道コース）は課しておらず、通常の安全な走行ができる程度の技能の確認に過ぎない。 (3)韓国について事故発生状況は免許及び運転者のレベルが当然影響すると考えている。実技に係る確認の実施状況において、韓国の通過率は22.4％であり確認実施者の全平均の25.2％を下回っている現状にある。すべての国（免除国を除く）に対し同じ確認課題を課しており、その通過率が平均を下回る韓国に対して、技術の確認を行わないという選択はできない。 (4)国際的に従来幅広く認めていた外国免許切替の制度は、最近対象国を限定する傾向にある。ギリシャはEU以外の対象国を一旦廃止したが、今年３月アメリカ、カナダ、日本、オーストラリアの４カ国のみを認める法令が制定された。 (5)技術の確認に関する通過率は、その国の免許保有者の安全な運転レベルを最もよく示すものである。これが低い場合は我が国と同等水準の免許制度とは考えられない。 (6)国際運転免許証を所持している場合は、上陸後１年間運転は可能。今回の要望は永続的な運転免許に関する要望である。技術の確認の通過率と保有１万台当りの事故死者数とは相当な関係がある。 ○この後、審議

（委員の主な質問及び発言、所管省の応答、苦情申立者の発言）

(1)自動車１万台当りの事故死者数の高さに対する免許制度の寄与度はどれくらいと考えているか。これまでの警察関係での研究では、道路の構造や標識、車の整備状況と事故率との関係は指摘されているが、免許制度との関係について指摘されてはいない。通過率の数字について、韓国の22.4と平均25.2との間に有意な差はないと思われる。５年無事故の者に限って実技の確認を免除してほしいとの韓国の提案に対して、警察庁は一定期間無事故運転者であることをもってその者の知識、技能の水準を判断することはできない判断をすると回答しているが、その回答は、そもそも韓国での事故率が高いので我が国と同等水準の免許制度ではないとした回答と矛盾しているのではないか。日本の優良運転者とは知識・技能が優良なのか。死亡事故率と知識・技能のレベルが結びつくのか。韓国の通過率が低いことが、韓国を知識又は実技に係る確認の特例の対象国としない理由にあげるほど重大な差ではないのではないか。（警察庁）免許の更新前後で事故が5.8％減るなど、一定の交通安全の知識を教えることにより事故の減少効果を生むことはある。日本の外国免許切替は年間140カ国を対象としている。当該国の免許制度がしっかりしていれば、交通安全意識、知識が高く事故率も減っていくだろう。事故率について日本と大差ない国と大変大きな国とでは、同等とは認められない。通過率について、平均値ならば認める、平均以下であれは認めないということではないが、カナダ、アメリカのように死亡事故率の低い国は技術の確認の通過率も高い。現在の状況で、韓国を認めれば当然ながらブラジルからも、自分たちの方が通過率が高いとして要望してくるだろう。現状で、韓国を特別扱いするわけにはない。通過率について、カナダと韓国では有意な差がある。優良運転者の事故率は、全体の事故率に対して４割（更新後２年間に事故を起こす確率と更新前５年間の全体の事故率に比較して）である。運転者の一定数がペーパードライバーであると仮定すると、全体の平均事故率の５割程度でしかなく。優良運転者だからといって事故率が劇的に少ないということではない。優良であるのは、一度も運転してないからかもしれない。技能はどうか有意な差があるのか日本では確認できない。韓国における5年間無事故無違反運転者の運転技術に有意な差があることを示す資料があれは参考にしたい。各国についてそれぞれ一定の要件を認めた制度を設けることになると制度が複雑になりすぎる。どの国に対しても共通の水準である死亡事故率や通過率をみて判断しない限り、140カ国からの要望には対応できない。死亡事故率、通過率という判断基準を変えることはできない。
(2)死亡事故数が行政の判断基準として合理的かどうか。通過率の数字だけを持ち出すのでは統計論で意味のない数字であると言われかねない。行政機関の判断基準はしっかりしている必要がある。死亡事故数で免許を議論するならば、説得力のある数字を集める必要がある。

(3)死亡事故と免許制度とは3割程度の寄与率ではないかと考える。道路の凍結あるいは道路の整備状況等を検証する必要がある。しかし、1万台当たり事故率が突出して8.22であるという厳然たる事実がある以上、現時点で、無条件で韓国の免許を認めるべきだとは思わない。警察庁の判断は正しいと思う。しかし、その判断の根拠として本日の論理ではもたない。国際免許で1年間は運転できるのであるから、この問題は時間をかけてもはっきりさせるべきである。なるべく早い時期に日本と韓国の関係者が現場の警察官を含めて研究会を開催してはどうか。また、日本鑑識科学技術学会などででも死亡事故数と免許制度のシンポジウムをやってもらい、それに基いて判断すれば説得力がある。 (韓国大使館)この制度を見直して恩恵を受ける韓国人は日本において経済活動を行っているビジネスマン、商社の人である。韓国内での免許手続は費用も時間もかかるが、韓国では日本人をアシストしているのだから、日本も同様に韓国の商社マンにアシストしていただきたい。韓国の事故率が高い理由が免許制度のみによっているとは思っていない。例えば、日本の免許を韓国で切替した日本人の１年間の事故率の割合と日本での事故率を比較をしてみれば、韓国の交通のインフラの状況によるということが示されるのではないか。
(4)警察庁の話では、国、単位以上に細分するのは大変だとのことである。また、一定期間無事故といっても、ペーパードライバーもいるので、簡単には認めるわけにはいかないだろう。要望について、もう少し限定できないものか。 (韓国大使館)ビジネスマンや商社の人に対象者を絞ってもよいのではないか。
(5)日本の免許制度の考え方はある水準を超えたものは合格させる考え方である。どこが多いかということではない。事故が多いのは非常に問題であるが、死亡事故に免許制度がどのくらい関わっているか、ということが明確に示される必要がある。もっと科学的根拠を重視すべき。（警察庁）実技の確認に関わる通過率が低く、平均４人に３人は落ちているのに免許を与えよと言っていることになる。通過率のデータについては今後毎年把握して精緻なものにしていきたい。数字の傾向をつかんでいけば技能の確認が必要かどうかという判断基準になりうる。データの拡充はやっていきたいと考えている。　　

○議長による総括

・苦情申立者、所管省庁の双方において、交通事故件数と運転免許制度の関係等について、理由を詰めることが必要。また、苦情申立者においては、別の具体策を考えていただきたい。
・今日、委員から出された意見を踏まえ、事務局を通じて、苦情申立者、所管省庁の双方で解決策を議論し、１ヶ月程度後に開催する予定の部会までに結論をお出しいただきたい。
・苦情申立者側が対抗措置を取るような事態は好ましいことでなく、問題解決のための結論が出るよう、双方からいろいろな知恵を出していただきたい。

議題3　その他

○部会長の発言

・第15回部会において委員からの質問・意見に対する回答を提出することとされた案件については本日は時間がないため、次の部会に回すこととする。

以上

(速報のため事後修正の可能性あり)

［問合せ先］内閣府市場開放問題苦情処理対策室
TEL 03(3581)0384(直通)