2 場所 内閣府共用会議室(406号室)
3 出席者
(OTO推進会議)
大河原議長、谷村委員(部会長)、金森委員、兼重委員、高瀬委員、千野委員(苦情申立者)
議題1 駐日大韓民国大使館 丁 相基参事官、金 元辰経済課長、金 東燦書記官
議題3 欧州ビジネス協会協議会 マリー事務局長、セージマン事務局プロジェクトマネージャー、欧州ビジネス協会協議会診断薬委員会 坂野事務局長、同技術小委員会 加藤委員
議題4 NNFAジャパン 古屋執行理事長、大浜科学担当ディレクター、CRN JAPAN 多田理事長、柴田常任理事(所管省庁)
議題1 国土交通省 自動車交通局 岸本技術安全部管理課長、中山技術安全部技術企画課長、小林総務課課長補佐、東貨物課課長補佐、総合政策局 仲村国際業務課係長
議題3 厚生労働省医薬局 池谷審査管理課長、光岡課長補佐 他
議題4 厚生労働省医薬局食品保健部 中垣新開発食品保健対策室長 他(OTO事務局)
内閣府 梅村大臣官房審議官、坪内企画官 他
4 議題
(1)OTO番号612「韓国の特殊車両の日本国内での運行」について
(2)OTO番号613「外国運転免許証の切替発行手続の簡素化」について
(3)OTO番号616「体外診断薬に係る規制緩和」について
(4)OTO番号631「保健機能食品制度案の白紙撤回」について
(5)最近の苦情受付・処理状況について
(6)その他
議題1 OTO番号612「韓国の特殊車両の日本国内での運行」について
○部会長から第16回苦情処理部会での部会長総括の説明
第16回の苦情処理部会では、 (1)所管省において委員から示された意見を踏まえ、 1.条約に基づいた法律改正が必要なのか。 2.条約はなくても法律改正で対応できるのか。 3.法律はなくても一定の運用上の措置で問題の解決ができないかどうか。 の対処方針について、検討すること。 (2)苦情申立者においては、条約締結に関する所管省の考え方を受け入れるかどうか検討していただきたい。 ということであった。
○1968年の道路交通条約の加盟状況について、事務局から説明
日本は未署名・未批准の状況であるが、所管省は所管部分については問題ないとの立場。韓国は署名・未批准。その他サミット参加国ではアメリカ、カナダは未署名・未批准、イギリスは署名・未批准、ヨーロッパの大陸諸国のイタリア、フランス、ドイツは署名、批准している。
○所管省からの説明
(1)部会長総括の1、2への対応を合わせて説明する。条約なしに法律改正をすることについては不可能である。
(2)我が国において一時運行(反復、継続して行なわれる可能性が十分考えられる)する外国車両の検査・登録を韓国のみ免除の対象とすることは困難である。WTOの最恵国待遇との関係もある。
(3)韓国車両が一時的に我が国において運行するためには、1968年道路交通条約に両国が加入又は日韓自由貿易協定を締結した上で、法律改正を行う等その制度化を行うべきであると認識している。また、国土交通省として特に問題はないと認識している。
(4)一定の運用上の措置で何らかの措置が取れないかということについては、韓国の保冷車、水産車両が登録検査を受ける上での便宜供与のような対応を取り得ることが考えられる。基本的にはどのような車両でも条約に基づく国内法令の適用除外とされているものを除いて有効な検査証、登録番号票の交付を受けなければならない。その前提として車両を提示して検査を受けなければならない。この場合、韓国の水産車両がフェリーに乗って我が国に入ってくるところを捉えて何らかの措置について検討してきた。 車検・登録の手続を車検場、民間の整備工場に行かずにユーザーの便宜を図る意味で車検場から離れた所に一定の期日を設けて出向いて出張検査、出張登録という制度を活用することができると考えられる。 韓国側から韓国水産車両の一時運行について強い要請があることに鑑み、我が国の安全・環境基準に適合させ、かつ車庫法、税法等他の関係法令に基づく手続きを経た上で申請がなされるのであれば、日韓定期航路が就航している下関港の付近に職員が出向き、一定の期日を設け出張検査・登録を行う仕組みを検討することは可能である。なお、その場合であっても、下関港付近における検査施設を借り上げるための予算的措置、申請手続き等を外国語で記載したパンフレットの作成、等所要の準備を行うための一定の期間は必要である。これは、どれぐらいの車両がどういう形で来るのか、などいろいろな事を勘案して十分相談してまいりたい。
(5)沖縄返還時の措置については、次の継続検査を受けるまでの間は検査を要しないという経過措置を取った。
○苦情申立者からの説明
(1)1968年道路交通条約は、韓国側は1969年12月に署名している。韓国政府は建設交通部、警察庁など2、3省庁が管轄しているが、批准について政府として前向きな立場を取っており、近いうちに最終的な結論を日本側に提示する。韓国側として批准に向けて考えている。
(2)協定なしに韓国の保冷車、水産車両が日本の国内で運行するための措置に対して国土交通省が配慮し方策を提示したことについて感謝している。国土交通省所管の部分については異存はないが、いずれ他省庁の立場も含めて日本政府の立場を聞きたい。 (3)現在、保冷車を乗せて出入りする港は下関港ぐらいであるが、今後、福岡の博多港にも対象を広げていただきたい。車両検査の手数料については船会社の安全検査等費用の問題も発生している。国土交通省の考えに従い、出国から入港、税関検査、この登録・検査についての流れをはっきりさせ、この案に沿って具体的に協議していきたい。
(委員の主な質問及び発言、所管省の応答)
(1)当面の措置についてはなるべく早く実現していただきたい。1968年の道路交通条約あるいは日韓自由貿易協定が締結されれば問題はなくなる。しかし、この問題は国土交通省だけで片付く問題ではなく、他の役所で前向きでないかもしれないので、OTO本部として取り上げて解決に向けての何らかの意志表示をしていただくべきである。
(2)1968年の道路交通条約になるべく署名、批准の方向で努力していただきたいが、国内官庁でどこがやろうというイニシアチブを取れば動きだすのか。(国土交通省)下関港以外の福岡の博多港も含めることについては、どのような車が何台来るのか必要性に応じて検討させていただきたい。検査手数料が30万円ぐらいかかるが、免除できないかという問題は、排ガス試験を行うための試験成績書の費用のことと思われるが、試験が必要かどうか車によって異なる。どういう車を日本で走らせるかによって違ってくる。 日本の安全環境基準に合わせなくてならない話がある。例えば日本と韓国は通行区分が異なっておりヘッドライトについて交換しなければならない。基準の相違についてもお互いによく話し合って誤解のないように進めることが必要である。
○部会長による総括
(1)所管省から、「法律を改正しない限り、韓国の冷蔵車等の貨物運搬車を日本で登録し直さずに日本国内で運行させることはできない。さらに、こうした法改正のためには、車の安全・環境規制等の観点から全ての国の貨物車を無条件で認めることはできず、乗用車に係わる1949年に発効した道路交通条約同様に、1968年に発効した道路交通条約等の加盟国間の交通を可能とする条約への加盟、あるいは二国間協定の締結が必要」との趣旨の説明があった。 ただし、韓国の冷蔵車等の貨物運搬車も日本で登録を行えば登録期間内の日本国内での運行は可能であるが、その登録を現状よりもより行い易くする方法として、「日韓定期航路が就航している下関港の付近に職員が出向き、一定の期日を設け出張検査・登録を行う仕組みを検討することは可能である。なお、その場合であっても、予算的措置等所要の準備を行うための一定の期間は必要」との対応が示された。
(2)所管省から示された提案は、韓国側で当面の措置として一定の評価を表するものとなったが、下関港の他に博多港を含めること、検査手数料を最低限でも引き下げることについて要望が述べられた。所管省からは、その要望を条件とした仕組みの検討は困難との回答がなされたものの、韓国から、今後いろいろな問題について相互によく話し合いをしながら進めることとして所管省の提案を受け入れるとの見解が示されたと理解する。
(3)所管省から示された提案は、当部会としても当面の現実的な対応として評価するものである。ついては、予算的措置等所要の準備を可及的速やかに行うことにより、その早期実現に努められることを期待する。同時にお互いによく相談し意思疎通を図っていただきたい。
(4)なお、長期的には、韓国、日本両国政府は、1968年に発効した道路交通条約への加盟、二国間協定の締結、あるいは、国連の場において行われている自動車の基準の調和・相互認証を進めるための多国間協議の促進等により、外国の貨物運搬車の国内での運行を可能とするような法改正の前提となる多国間での枠組みの整備に向けての検討・努力が必要と考える。
議題2 OTO番号613「外国運転免許証の切替発行手続の簡素化」について
○部会長から第16回苦情処理部会での部会長総括の説明
第16回の苦情処理部会では、 (1)苦情申立者、所管省庁の双方において、交通事故件数と運転免許制度の関係等について、理由を詰めることが必要である。また、苦情申立者においては、別の具体策を考えていただきたい。 (2)委員から出された意見を踏まえ、事務局を通じて、苦情申立者、所管省庁の双方で解決策を議論し、次回部会までに結論をお出しいただきたい。 ということであった。
○事務局から結論について説明
(1)第16回の苦情処理部会における所管庁の説明では、知識又は実技に係る確認の免除対象国については、その国の交通死亡事故の発生状況、試験の難易度等の運転免許制度、実技に係る確認の通過率等を用いて判断基準としているとのことであったが、必ずしも十分かつ説得的な科学的根拠を有しているか否か疑問がないわけではないという委員の意見であった。
(2)事務局を通じて所管庁と韓国大使館が協議した結果は、
・所管庁においては、知識又は実技に係る確認の免除対象国を判断する基準の妥当性を裏付けるために、資料収集、調査を実施する。
・調査の実施に当たっては、日本と韓国との間で、両国の所管庁関係者及び研究機関の専門家等が参加する研究会を開催し、調査事項等について十分検討する。
との内容である。
○部会長による総括
苦情申立者と所管庁が解決策を議論され、合意にいたったことは評価したい。知識又は実技に係る確認の免除対象国とするかどうかの判断基準の妥当性をより科学的なものとするために、合意内容について、日本と韓国両政府は誠実に実施されたい。
事務局から部会での議論の結果を韓国大使館と警察庁に伝えていただきたい。
○この後、委員より意見
この件については賛成である。調査の実施に当たっては、両国の所管庁関係者及び研究機関の専門家等が参加するとの内容であるが、実際は韓国側の専門家の蓄積がそれ程高くなく研究会の実りが少ないかもしれない。例えば欧米のコンサルタントを招聘して研究会に参加できる余地は作っていただきたい。
○部会長の発言
委員の発言内容については尊重して対応していただきたい。
議題3 OTO番号616「体外診断薬に係る規制緩和」について
○部会長から第17回苦情処理部会での部会長総括の説明
第17回苦情処理部会で、部会長総括として、私から、
・何をいつまでにやるかということは明確でないので、本日の委員の意見を踏まえ、厚生労働省において検討していただきたいこと、
・3月に発出された通知の内容についてもご説明いただきたいこと、
・標準的事務処理期間である6ヶ月以内での処理をどう実現するのか、法改正についてどう考えるかについても聞かせていただきたいこと、
の3点を申し上げた。
そこで、まず、所管省から、3月30日付局長通知及び同日付課長通知の内容、2番目として、体外診断用医薬品の承認不要化に向け、何をいつまでに行うかについて前回部会の委員の意見を踏まえて、厚生労働省において検討した結果を説明されたい。
○所管省庁からの説明
(1)平成13年3月30日に、承認申請に関して取扱いの通知を出しているが、これは以前出した通知の改正として出したもの。区分1は新規項目である。区分2以下について、リスクの高いものを限定して、リスクの低いものを区分の一番下に置いた。通知の別表の承認申請書に添付すべき資料は、区分毎に添付しなければならない資料を掲示したものである。区分2-Bについては、殆どのものが資料の要らないものとなっている。3月30日付けの課長通知については、この詳細をさらに詳しく説明しているものである。技術的なことが多いので、この場での説明は省略する。
(2)何をいつまでに行うのかという点について、
1.体外診断用医薬品は、疾病の診断に用いられるものであり、誤診等があれば保健衛生上重大な支障が生じるおそれがあることから、性能及び品質を確保する必要性があるため、薬事法上の承認を必要としている。承認制度については、次のとおり考えている。
2.(1)新規項目については、従来どおり承認を行う。それから、感染症等項目によって保健衛生上リスクの非常に高いものについては、現行どおり承認を必要とする。(2)それ以外のものについては、市販後の性能及び品質に関する公的な監視体制等を強化することを前提として、以下のように、体外診断用医薬品の承認不要化について検討することとしている。標準品が必要となってくるので、その供給体制の整備についても検討したい。1)標準品の国内供給の体制が整備されているもの(GOT、GPT等の生化学検査項目の一部)については、性能基準(承認不要基準)を設定することにより承認不要化を行う。2)先ほどの(1)(現行どおり承認を必要とするものを指す)を除き、標準品の国内供給の体制が整備されていないものについては、性能基準の設定ができないことから、企業自らがその製造工程で品質管理を行うための品質保証基準(GMP等)を義務づけることによる承認不要化の検討を行う。
3.実施時期については、苦情申立者以外の国内外の製造業等その他関係者の意見の調整を行った上で、上記2.の(2)の1)(標準品の国内供給の体制が整備されているもの(GOT、GPT等の生化学検査項目の一部)について、性能基準(承認不要基準)を設定することにより承認不要化を行うことを指す)については、今後1〜2年以内に実施できるよう努力していくこととしている。
○苦情申立者からの説明
(1)平成13年3月30日付けの通知及びその前の2月26日付けの事務連絡については、基本的には、6ヶ月を遵守しようと厚生労働省自ら出された目標達成のための第一歩であると考え、非常に評価している。これは手段であり、目標である6か月の事務処理期間が遵守できるかどうかが今後の課題である。また、日本独自の規定が相変わらず存在しているので、この部分について再検討していただきたい。
(2)厚生労働省において承認不要化を検討しようとの方向性を示したことは評価する。しかし、このようなことについては既に平成10年から検討されているという背景がある。しかも、今回の厚生労働省の方針は、アクションプランが未だ見えていないところが課題として残っていると考える。また、標準品の設定については、未だ31項目に過ぎない。何千とある項目のうちの31に過ぎないものを今後どのように増やしていくかを考えると、リスク分類で承認不要化を考えていく必要があるのではないかと考える。
(3)海外で既に承認され実際に臨床で使われている体外診断薬について、このようなプロセスの中で日本だけが承認が遅れて、結果として患者が使える時期が遅くなっている事実を考えれば、リスク分類による思い切った運用が必要である。
(4)総括として、今回の通知等は、規制緩和の方向性に沿ったものであると理解しているが、実際どのように審査期間6か月を遵守し、また、承認不要化へのアクションプランを出していくのか、を期待している。
○苦情申立者の説明に対する所管省の説明
(1)添付資料について、欧米諸国との整合化が図れる部分があるのではないかとの点については、厚生労働省として今後検討していくが、欧米諸国との制度の違いもある。細かい点もあるので、話し合いの中で検討を進めたい。
(委員の主な質問及び発言、所管省の応答、苦情申立者の発言)
(1)標準品の国内供給体制が整備されているものについての承認不要化については、実施時期を明示しているが、標準品の国内供給の体制が整備されていないものについての承認不要化については、実施時期を明示していないので、所管省はこの点をどう考えるのか。国内の供給体制の整備の有無で差別していることは問題である。これを分けないで、両方ともに実施時期を明示できないのか。(厚生労働省)可能な限り2)の標準品の国内供給体制が整備されていないものについても実施してきたいと考えているが、実施時期についてははっきりできない部分があるため、明示できない。
(2)厚生労働省は、独自にリスク分類されているようである。海外で普通に通用しているリスク分類と整合性をとらなければ、いずれまた同じ問題が起こる。品質保証基準については、世界中で通用するものはISO9000番台である。日本のGMPは日本だけしか通用しない。体外診断薬の問題に関して厚生労働省はOTOに対してこれまでいろいろな提案を行ってきたが、羊頭狗肉であったということからすると、信用できない。日本だけ通用する余地を残したことは後で問題が起こる。また、平成12年度の河合研究班の結果は出たのか。(厚生労働省)厚生労働省としては過去において遺憾な状態にあった。医薬品の安全対策、承認については、メディケーションエラーを考えてやっていかなくてはならない。医薬品の国際整合化については、その国の考え方というのもある。また、標準品がないものの公的監視を行うには、人手が必要になるので、そのようなことも考えなくてはならない。今できるものについて誠意を持って検討を進めたい。平成12年度河合研究班の検討結果については、未だ出ておらず、河合先生で取りまとめ中である。河合先生と連絡を取り合って、なるべく早く取りまとめていただくようお願いする。
(3)苦情申立者としては、厚生労働省が、標準品の国内供給体制が整備されているものについての承認不要化については、今後1〜2年以内に実施すると時期を明示しているが、標準品の国内供給の体制が整備されていないものについての承認不要化については、実施時期を明示していない。この提案を推進したほうがいいのか、あるいは、実施時期は多少遅れるかもしれないが、両者ともに実施することを望むのか。(苦情申立者)そもそも標準品の国内供給体制と承認不要化は別問題である。承認不要化はそれぞれの体外診断薬のリスク分類で行うべきであると考える。
(4)厚生労働省はこのような苦情申立者の意向を踏まえて新しい提案はできないのか。(厚生労働省)国内での標準品がないものについては、監視が非常に難しいという現状がある。この点を苦情申立者はどう考えるのか。(苦情申立者)河合研究班の検討結果あるいは本件に対する厚生労働省の回答において、性能基準の設定は困難である、あるいは時間がかかる、結果として別の方法も考えていきたいとのことであったので、それ以外の発想、枠組みが必要ではないかというのがEBCとしての考え方である。(厚生労働省)ここ1、2年、薬事法が大きく変わる兆候が出てきているので、それにあわせて対応したい。また、標準品がないということは、逆に競争を阻害しているのではないかと考えているので、これから標準品を増やしていき、競争を刺激しつつ品質を確保していきたい。標準品を増やすことについては、申請者の協力が必要であることを理解いただきたい。(苦情申立者)標準品の整備について業界としては協力していくことは当然であるが、標準品の設定は個々の企業の運営にインパクトを与えるので、臨床上、学術上の判断を行うのは、河合研究班のような第三者としての中立的な立場のプロジェクトが最も公正な方法ではないかと考える。したがって、業界としては、そのプロジェクトに参画、協力していきたい。(5)河合研究班の検討の方向で改善が図られれば苦情申立者としても満足するはずであるが、先ほどの厚生労働省の説明では平成12年度の河合研究班の結果が未だ取りまとめられていないとのこと。投げやりな態度である。この問題を本当に解決したいのなら、河合研究班の方向を早くまとめるために、平成12年度の検討結果を既にまとめてプリントしていなければいけないくらいである。もう少し真面目に考えて欲しい。
(6)薬事法との関連で難しい部分があるのは分かるが、前回の説明からあまり進んでないように思う。体外診断薬の規制緩和については、以前からOTOの要請があるが、これに対して厚生労働省は、平成12年度の河合研究班の結果を取りまとめていない等、危機感が今ひとつ足りない。この点が、苦情申立者にしてみれば、見通しがつかないというもどかしさになっていると思う。何で動きが停滞しているのか、急いでいないのか等についての理由が不明で、透明性に欠けている。したがって、今回、厚生労働省が今後の対処方針を示したが、本当に約束できるのか疑わしい。難しい問題であることは分かるが、OTOの要請が促進剤に使えないものか。(厚生労働省)平成12年度の河合研究班の報告書については、総括報告書の書き振りで最終的な調整が残っており、少し遅れている。今回12年度の研究報告は、海外での品質保証管理の仕組みがどうなっているか、国内での品質管理の現状がどうなっているかについて研究しており、データとしては出ている。ただし、もう少し手直しがあるので待って欲しいといわれているところ。(7)平成10年度のOTO対策本部決定があり、これを踏まえて検討し、現在平成12年度が終って1か月半も経過しているにもかかわらず、今の説明では、積極的に検討しているとは到底思えない。(厚生労働省)委員指摘のとおり、OTOでの議論を省内で説明している。一方、法改正について多方面から検討しているところ。体外診断用医薬品だけでなく、それ以外の問題も含めて薬事法のあり方について検討している。OTOでの議論は最大限尊重して検討しているが、調整するところが多岐に渡るので、調整が終るまで何もいえない。1、2年以内に実施としているが、誠意を持って対応していきたい。また、苦情申立者以外の業界団体からの意見を聴いているところであるが、不協和音が大きいので、統一的なものにするのには、ほんの少しではあるが時間がかかる。全体的な法改正の議論の中で本件を検討していくよう努力したい。
○部会長による総括
(1)本日、所管省が、新規項目でないものでリスクの低い体外診断用医薬品のうち、標準品の国内供給の体制が整備されているものについて、性能基準(承認不要基準)を設定することにより承認不要化を今後1〜2年以内に実施できるよう努力していくとの対処方針を示した。したがって、部会としては、遅くとも今後2年以内に、出来うれば今後1年以内に必ず実施していただきたい。
(2)加えて、できる限り早期に、所管省の回答にあるように、「新たな標準品を供給できる体制の整備」とともに、OTO対策本部決定からすでに 6年以上経過していることにかんがみ、標準品の国内供給の体制が整備されていないものについての承認不要化の検討を開始し、承認不要化を実施するよう努力されたい。
(3)また、当面の措置として、所管省においては、承認審査が6か月以内に終了するよう、2月26日付審査管理課事務連絡、3月30日付局長通知、同日付課長通知の内容を確実に実施されるよう期待する。
(4)所管省においては、承認不要化についての検討状況と事務処理期間の実績について、平成13年度中に、苦情処理部会に対し報告されたい。
(5)また、議論があったが、平成12年度に行われた調査班の調査及び研究結果について、苦情処理部会に対し、文書で提出されるよう要望する。
議題4 OTO番号631「保健機能食品制度案の白紙撤回」について
○部会長から第17回苦情処理部会での部会長総括の説明
本件については、第17回苦情処理部会で、部会長総括として、現段階では、OTO苦情処理部会として結論を出すことはできないと判断する、本件については、別途、委員のみで議論し、次回のOTO苦情処理部会までに結論を出す、その結論については、次回のOTO苦情処理部会において、苦情申立者及び厚生労働省に伝える、と申し上げた。そこで、委員のみで検討した結果を私から説明する。
○部会長による説明
(1)栄養補助食品についてはこれまで、数次のOTO対策本部決定にしたがって、通常海外で栄養補助食品として流通・販売されているものが我が国でも医薬品として規制されることなく食品として取扱いできるようにするという基本的な考え方の下に、所管省において、形状規制の撤廃等、制度の改正が進められてきた。本年4月から施行された保健機能食品制度は、基本的には、こうした考え方に沿った改正の一つであり、苦情申立者が主張するような白紙撤回すべき理由は見出しがたい。
(2)しかし、本制度については、その運用如何では、上記の考え方に関して大きな効果を挙げ得ない可能性は否定できない。その点に関して、所管省においても、「本制度に対しては指摘もあるが、まず、4月から制度を実施させ、状況を見て議論することが適当であると考える」との認識を示している。
(3)所管省においては、上記の考え方から、保健機能食品制度について、その運用状況及び運用状況をもとにしたその後の取組みの予定を、1年以内に、苦情処理部会に対し報告されたい。その際には、1)特定保健用食品の許可申請資料の簡素化、2)栄養機能食品の1日摂取量の上限値・下限値の見直し、3)ハーブ類の規格基準をどのように設定していくか等についての検討状況を含めて報告されたい。以上が検討結果である。
(4)なお、苦情申立者から部会あて提出された資料、前回部会において、“いわゆる保健大衆薬”について委員からの指摘があり、前回部会で提出された苦情申立者の主張に対する所管省の回答は資料として配布しているので、ご覧いただきたい。
(5)部会長としては、所管省において、今回苦情処理部会が示した方向に沿って、誠実に対応していただきたい。
○この後、フリートーキング
(委員)栄養補助食品に関して平成8年度にOTOで審議した際の資料を見ていると、規制緩和が簡単にできない理由について、当時の厚生省は、医薬品か食品かを決めるのは国民の常識によるものであり、このことは昭和57年の最高裁判所の判例によって支持されているとしていた。しかし、本件のように世界中と関わりあった問題については、日本国内の常識だけでなく、世界の現状も常に考慮しなければならない。そのような情報は今までは所管省庁から提示されていたが、本件のように長期にわたって議論がなされ、未だ決着がつかず、しかも、見通しが立たない問題については、自前の情報を取り入れる活動を考えてはいかがか。
(部会長)今、委員から提案のあった件については、賛成である。保健機能食品制度に関連して、いわゆる栄養補助食品あるいは食品添加物について、諸外国における制度、利用状況等を含め幅広く調査することを、事務局において検討していただきたい。
(厚生労働省)ただ今の検討結果については、誠実に対応していきたい。また、委員から指摘のあった国際常識の件について、今まさに食品の表示についてはコーデックスで検討しているところであるが、各国間で一致しないというのも現状である。それは、元々医薬品と食品の区分が国により異なっており、どこまで行政が関与するかというのも国により異なることによる。諸外国の状況をOTO事務局で調査するという話があったが、この点に関しても厚生労働省としてはできるだけ協力していきたい。
(苦情申立者−NNFAジャパン)5〜6年もかけて、OTO対策本部決定に基づく実施がこの程度であったのは残念である。
(部会長)栄養補助食品の規制緩和に関しては、数次のOTO対策本部決定があるので、所管省においては、長年にわたる意見を踏まえて早急に対応してもらうことが必要。
(苦情申立者−CRN JAPAN)業界の情報を行政に的確に伝えると同時に、消費者に対しても栄養に関する正しい知識の普及・啓蒙に努めていきたい。しかし、本件制度については、栄養機能食品については規制緩和と言えるかもしれないが、特定保健用食品については、依然として臨床データ等膨大なデータが求められており、許可を得るまでに大変な手続がある。行政側が対応しきれない場合、別の団体に審査を委託することも将来ありうるかもしれない。その際、新たな利権等が生じないよう危惧する。厚生労働省医薬局の新開発食品保健対策室長からは、業界の勉強会において、保健機能食品制度については、運用次第で今後制度の変更もあり得るとの説明もあった。業界団体としても、より国民の健康に資するような制度になっていくべきであると考える。
(委員)特定保健用食品制度は、制度がスタートしてかなり期間が経過しているが、これまでの間、許可が出るまでの手続の簡略化がなされているのか。(厚生労働省)特定保健用食品制度は平成3年にスタートし、現在約250品目表示の許可がなされている。当初は、単純で同じ製品が多かったが、最近は、いろいろなものが出てきている。関与成分はどのようなもので、その成分がどのような効果を発揮しているかがはっきり分かりにくいものが多くなっている。したがって、当初と比べて資料が簡素化されているということはない。しかし、新制度の下でも新規に50品目程申請が出ている。指摘の多かったのは、ヒトで行う安全性の試験が負担であるということであるが、食品であり、継続的に摂取するものである以上、単に動物試験であるとか、試験管の中だけで行ったデータだけで認めるのは困難である。ただし、類似商品が出てくるので、その場合の資料の簡素化、審査の迅速化を図っていきたい。(委員)本件の前に審議された案件の中で、担当課長から、「ここ1、2年、薬事法が大きく変わる兆候が出てきている。」とのことであったが、いわゆる栄養補助食品は医薬品と食品の狭間にあるものなので、薬事法改正の際には本制度も影響を受けるものと思われる。業界や消費者がいたずらに混乱するような法改正がなされては困るので、その際はきちんと対応して欲しい。
(苦情申立者−NNFAジャパン)最近、いわゆる46通知の改正がなされたが、この中で、医薬品的な表示の取締りが強化されることとなっている。栄養機能食品でないものについて、取締りが強化されるのではないかと業界は懸念している。
(苦情申立者−CRN JAPAN)特定保健用食品の許可を得るには、医薬品に準じたヒトに関する試験データが求められるが、これにより許可を得ても認められる表示は、保健機能表示に過ぎず、病気の予防表現等は認められない。この点、将来緩和して欲しい。ただし、医薬品的な効能・効果表示を行う業者に対しては、業界団体としても指導していきたい。
(谷村部会長)厚生労働省においては、努力していることは評価するが、本日出された意見も念頭に置いて一層努力していただきたい。
議題5 最近の苦情受付・処理状況
○事務局から、配布資料に基づき説明
平成13年2月16日開催の第15回OTO推進会議苦情処理部会時点において処理中であった案件のその後の処理状況については、2月16日時点で処理中であったもの20件、2月以降受付けたもの3件、2月以降処理済みになったもの4件、処理中のもの19件である。
○部会長から発言
「苦情受付・処理状況(案)」については、当部会としては結構であると考えるので、公表していただきたい。
議題6 その他
(事務局)第15回、第16回、第17回、本日の第18回の議論については、6月中に開催予定の推進会議に報告する旨説明。本日14時からOTO事務局より記者発表を行う旨説明。
(部会長)本日の審議の概要については、後日議事要旨を作成の上、公開する。内容については一任いただきたい。2月、3月、本日の部会での議論については、OTO推進会議に報告する。報告の仕方については一任いただきたい。
以 上
(速報のため事後修正の可能性あり)[問合せ先]内閣府市場開放問題苦情処理対策室
TEL 03(3581)0384(直通)