平成14年度第1回OTO推進会議専門家会議議事要旨


1 日時 平成14年11月26日(火)15:00〜17:00

2 場所 内閣府共用第4特別会議室(406号室)

3 出席者

(OTO推進会議)
大河原推進会議議長、眞木委員(議長)、北岡委員、行天委員、黒田委員、佐々波委員、島野委員、谷村委員、松下委員、權委員、金森委員、兼重委員、高瀬委員、西村委員、本田委員、村上委員

(参考人)
NNFAジャパン 大浜科学・法務担当ディレクター、池田学術情報ディレクター

(所管省庁)
厚生労働省医薬局食品保健部 中垣基準課長
厚生労働省医薬局 佐藤監視指導・麻薬対策課長

(OTO事務局)
加藤大臣官房審議官、渡辺企画官、岡参事官補佐

4 議題
(1)外国で流通する食品添加物の開放
(2)食薬区分の見直し
(3)その他
5 審議の概要

議題1 外国で流通する食品添加物の開放

(1)事務局から、提起された課題、所管省庁による措置の概要(案件を巡る背景)及び課題・論点について説明

(課題・論点)
ア 広く海外で流通し安全が確認されている食品添加物が日本では制度上流通できないことは輸入障壁であり、国際的整合性に欠けるのではないか。
イ 事業者からの具体的申請に多大なる時間とコストを要することが、個別申請の促進に対して障害になっているのではないか。
ウ 一定の条件にあった要望の多い国内未指定添加物については、事業者からの個別申請を待つのではなく、行政主導で積極的に指定していくべきではないか。
(2)参考人からの補足意見
ア 厚生労働省が行政主導で指定する方向で検討を進めていることや、指定の際、「フェロシアン化物」のように包括的な名称により指定するなど柔軟な考え方が取り入れられていることは評価に値する。

イ しかし、今後の課題として、厚生労働省による食品添加物の指定についての検討に際しては、当方から具体的に列挙したような、新規指定、基準改正による食品添加物を盛り込んでいただきたい。

ウ ミネラル類については、平成11年に13種類のミネラルが食薬区分上食品として認められたにもかかわらず、それらに対応する食品添加物が指定されていないため食品として使えない。

エ 食品原料の濃縮、抽出あるいは有害物質の除去に必要な溶媒として指定されている添加物が、原則として水、エタノールに限定されている点も大きな問題である。イチョウ葉の場合、これ以外の溶媒を使わないと葉に含まれるギンコール酸を取り除けず副作用が出てきてしまう。

オ 食品添加物のうち、使用対象食品、使用最大限度量、あるいは使用制限などが定められているため輸入障壁となっているものがある。海外における評価状況等から安全と確認されているものについては見直しをお願いしたい。

(3)所管省庁からの説明
ア 食品添加物については、食品衛生法第6条の規定に基づき、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、人の健康を損なうおそれがない場合として指定したもの以外の使用を禁止する、いわゆる「ポジティブリスト制」を採用しており、この制度は欧米と同様であると認識している。

イ 我が国の添加物の指定にあたっては、安全でなければならないことは当然であるが、我が国の食文化の特性等を踏まえ、その必要性が認められるものについて指定することを原則としている。

ウ 新たな添加物指定を希望する場合にあっては、平成8年3月に設けたガイドライン「食品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針」に基づき、欧米と同様、毒性等のデータを添えた上で要請を受け付け、その評価結果に基づき指定することとしている。従って、欧米で使用が認められている添加物が我が国で認められていない、あるいはその逆といった不整合が存在していることに関しては、各国の食文化の違い、それに基づく要請の有無などに基づくところが大きい。

エ しかしながら、食のグローバル化に伴い、国際的に科学的な評価が確立しているものについては国際的な整合性をとる方向で、指定の考え方について本年の夏に必要な見直しを行った。

1)JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)にて一定の範囲内で安全性が確認され、かつ2)米国及びEU諸国の両方で使用が認められているもの、については、指定の方向で、個別品目毎に安全性、必要性を検討するという方針決定を本年7月、省として行い、審議会においても了承された。なお、香料については、種々雑多な成分があり使用量が少ないという特殊性があることから、JECFAで用いられている安全性評価方法が他の添加物と大きく異なるため、別途検討していくこととされている。

オ 現在、これらの方針に基づき、取り扱うべき品目の選定作業を進めているところである。具体的には各国大使館及び食品関連団体に未指定添加物に係る情報提供を求めているところであり、データが集まるものから順次審議会に諮っていく予定。また、データ入手が困難な場合、政府としてデータをそろえることを視野に入れ、必要な予算要求を行っているところである。

(4)委員からの主な発言と所管省庁等の応答
ア 厚生労働省の説明にあった「我が国の食文化の特性等を踏まえ・・指定することを原則としている」とは「食品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針」2の基本的考え方のどこに明示されているのか。
(厚生労働省)御指摘の面からすると、指定条件は安全性及び有効性のみである。食文化に伴う需要の有無が指定を要請するか否かに影響を与えるとは考えているが、食文化の特性を踏まえて指定をするというのは言いすぎであり、文章を訂正させていただきたい。
イ こういう曖昧な基準が適用されるのはよくないので、今の回答により今後は問題は起きないだろうと安心したが、過去の審議会の議事録を見ると、過去においてはどうもそういう論拠が使われていたのではないかと思われるので、今後は同じ問題が起こらないように願いたい。
ウ OTOで厚生労働省関係の問題が突出して多い原因は要請一辺倒主義にあったと思われる。企業では通用しない概念である。だから、今年になって国際的な整合性をつけるとしたことは革命的な進歩であり、評価したい。しかし、余りにもそれが遅れた。過去の経緯及び今年の方針転換の理由を教えていただきたい。
(厚生労働省)要請主義の背景には幾つかあると思われる。一つは、昭和40年代末の食品衛生法改正時の国会決議において、食品添加物の使用を極力最低限にするという趣旨の決議がなされ、行政としては指定を次々としていく環境にはなかったこと。もう一つは、欧米でも要請主義を採用していることである。しかし、この夏に新たな方針を取り入れた。塩のフェロシアン化物のように非常に安価で誰も費用負担をできないもので欧米でも使われているものがあるということで、国の税金をつぎ込んでも国民に対して十分説明できるのではないかという点を踏まえたものである。遅かったと言われれば、それは遅かったんだろうと思う。
エ 要請だけではなくて、内部調査の結果を加えれば、手間と費用も少なくなると思われるので積極的に利用してほしい。
また、要請を受け付けるに際しては、日本語でないといけないというのでは今の時代に反している。英語による要請を認めるように考慮してほしい。
(厚生労働省)内部調査の意味は、国自らが必要な試験を行い、情報を集めるということと考えるが、来年度予算要求に盛り込んでいるところである。また、食品添加物のガイドラインでは英語による要請可とされている。
オ これだけ食のグローバリゼーションが進んでいるときに、先ほどの「各国の食文化の違い」という言葉に違和感を覚えた。何か、食文化の違いが問題になった具体例はあるのか。
(厚生労働省)例えば、日本の豆腐に使う「にがり」やイタリアのニョッキに使う添加物など。要するに需要がそれだけあるのか否か、それに応じてメーカーが申請コストを負担するのか否かが、要請主義をとっている限り、齟齬、不整合を生む原因としてあるということ。
カ この夏のフェロシアン化物のことがきっかけとなり、指定方針が転換されたことは非常に評価できると思う。しかし、それまでに市場調査をして、それを活かしていればもう少し早めに手が打てたのではないか。昭和47年の国会の付帯決議については、その後昭和58年に食添が11品目大量に指定されたころから国際整合化へ全体としては動いてきている。全面表示も平成3年に実現している。これらに合わせて整合化の検討もスピードアップできたのではないか。消費者の立場からすると、食の不安が昨年から色々起きているこの時期はタイミングとしてはまずかったと思う。しかし、今がチャンスだと思うので、従来からの方針をスピードアップしていただくという意味で、予算もつけてやっていただきたい。
ただし、国民の納得に資するため、情報の開示については色々と工夫、取り組みをお願いしたい。
また、食品添加物の定義が国によって違うので、その点も含めて全体の整合化を工夫、検討願いたい。個別の対応に終わらないようにお願いしたい。
キ 参考人が言及した、製造工程での食品添加物が2つに限定されているという問題は、中間生産物の問題と思われるが、最終財での食品添加物の議論と同じなのか否か。
また、先ほどの「需要がないから」というのは経済学からみるとおかしい。余り規制して入れなければ需要のできようはずがない。
(厚生労働省)中間的な製造に使ういわゆる溶媒については同様に食品添加物の扱いである。水、エタノール、二酸化炭素に限定しているわけではなく、特殊な場合にはこれ以外も認めている。ただ、有機溶媒で毒性も強いため使用を限定しているものもある。これをもう少し広げてもいいのではないか、というのが参考人の御意見かと思う。我々も欧米の現状を今一度精査してみたいし、参考人の御意見もいただきたい。
個別問題対応に追われて全体を見失うなとの御指摘は、我々いつも心しておかなければならないと考えている。
食品添加物の情報開示については、政府の中では最も早く取り組んだ分野で、昭和50年代から調査会での審議、資料を全てオープンにしている。しかし、それがわかりやすく国民に伝わっているかという御指摘かと思う。既に色々な取り組みを行ってきているが、科学的な点を損なわないでわかり易く説明する努力は今以上にしていきたい。
方針転換ということについては、今までの要請主義に対して1つの方針を加えたと考えている。タイミングが悪いとの御指摘については甘受するしかない。ただ、1点申し上げたいのは、あくまで一つ一つの品目をきちんと審査する。そして、審査した内容を情報開示していく努力はしたいと考えている。
食品添加物の定義の問題については、日米欧それぞれ独自の世界を持っている。整合性があった方がいいとの御指摘はそのとおりであり、我々としても、例えばコーデックスの場での話し合い等には積極的に関与している。またそれと同時に、個別のものの流通を阻害しないような対応をしていきたい。
ク 1点目は、厚生労働省の説明によれば、香料に関してはJECFAの評価方法が他の添加物と大きく異なっているとあるが、本当に「大きく」というくらいに異なっているのか。また、我が国では香料の評価方法について未だ研究していないとのことだが、何か特別な理由があるのか。
2点目は、参考人意見にもあるが、行政主導による指定のスケジュールについて、公表できるものがあればお願いしたい。
(厚生労働省)本来であれば一つ一つの化合物に対して動物実験をやっていくという一般の添加物の考え方に対し、数千の化合物からなる香料については、構造相関や代謝相関等によりグループ分けを行い、グループ毎に評価を行っている点に特殊性がある。
スケジュールについては、データ収集後、遅くとも今年度内には優先的に処理していく品目の案を作成し、審議会で議論いただいた上、全体計画を策定し、来年度からそれにとりかかるという方針で考えている。
ケ ポジティブリスト制を維持するための人的、予算的規模はどのくらいなのか。
また、国際的な場や各国行政当局の情報交換をもっと活発にすることにより行政効率を上げる方法はないのか。
(厚生労働省)ポジティブリスト制を維持するためのコストについては、人的には、本省の専任職員3名及び検疫所において輸入食品全般の取締りを行っている検疫担当者300人弱で、人間の数は欧米の1桁あるいは2桁下である。予算的には、全体で4億円の予算のうち食品添加物が2億円弱であり、これも欧米と比較すると1桁ないし2桁低いと思われる。
情報交換については、新たな発がん性の発見などネガティブな情報はすぐさま世界各国で対応している。問題なのはポジティブな情報であるが、これについて今回新たな方針を打ち出したということである。
コ 食品添加物の指定又は使用基準改正の要請書に添付すべき資料、特に有効性に関する資料及び安全性に関する資料について、資料を検討して判断を下すのは厚生労働省の直属の機関ではなく、審議会なり審議会の下部組織に委ねられていると思われるがどうか。
(厚生労働省)食品衛生法において、薬事・食品衛生審議会の意見を聞くこととなっている。
サ 今年の5月に指定外添加物使用により大規模な製品回収騒ぎが起こった。この添加物は海外でも使用を認められているし、日本国内でも20年近く使用していて問題が起こっていないが、食品衛生法違反ということで回収という経済的には問題なことが行われた。その原因は、申請に8,000万円位の費用がかかることであった。数年前にEUからも同様の話があったように思う。どうも恐らく欧米ではこれだけの費用のかかる資料提供を求めていないと思う。その理由の1つは、審議会の意見により資料を次々提供してもらっているうちにどんどん増えてきてこうなったのではないか。資料が少なくても審議会を通せるのであれば、今後は資料を少なくすることを考えていただきたい。
もう一つは、審議会には、もっと国際的感覚、現場的な感覚を持っていただく必要があるように思う。
(厚生労働省)要求資料の範囲は、日米欧で基本的に同じである。
シ 国際的整合性をもつような決定は大いに歓迎するが、その場合に、「米国及びEU諸国の両方で使用が認められているもの」とアメリカ、EUとはっきり書くのは問題。例えば「知見が発展していて審査結果に信用がある国」とすべき。このままでは、それ以外の国から異論が出てきそうである。
ス コーデックス等の国際基準で認められている安全基準に合致している外国の安全評価を我が国で認める義務はあるのか。
(厚生労働省)WTO条約中のSPS協定では、国際的な規格基準は受け入れ、それよりも厳しい措置をとる場合には科学的な正当性を当該国が証明しなければならない、となっている。しかし、例えばアメリカやヨーロッパの規格基準を受け入れる義務はないと考えている。アメリカの基準がコーデックス基準に合致している場合、日本としてはコーデックスの基準を受け入れ、それにより反射的にアメリカの基準を受け入れた形になると思う。
セ 今度提起された問題とほぼ似た経験が韓国にもある。1点目は、韓国のラーメンの中に入っているポリソルベートの問題である。5、6年前提起された問題で、当初は一企業が始めたが、日本の厚生労働省へのデータ提出に莫大な時間とコストがかかる。結局、業界全体と政府関係者が強力にバックアップしてやっとデータを出した。結構過大なコストと時間がかかるということ。
2点目は、厚生労働省は積極的にJECFA等からデータを求めるべきであるということ。
3点目は、この韓国からのポリソルベートの件がどうなったか、御存知だったら伺いたい。
(厚生労働省)ポリソルベートについて韓国の方々が苦労されたというのは、そのとおりだろうと推測する。そのため、今回新たな方針を追加した。
ポリソルベートについては、先月の半ばに韓国の方々に事務局としての考えを伝え、必要な整備をお願いしたところである。
2番目の御指摘については、政府として試験をやる予算要求をしているところである。JECFAのデータについては、今一度当ってみたいと思うが、JECFAのルールでは、一民間企業からJECFAに出されたデータを他者には出さないことが明文化されている。
ソ 審議会の件の続きだが、行政手続法上、申請に対する不利益処分をした場合の説明ができるのは審議会ではなく厚生労働省である。許認可にかかわるようなすれすれの事項まで審議会がするのは決していいことではないと思う。
タ 今回提起された課題にある4点の添加物について、現状どうなっているのか伺いたい。
(厚生労働省)ソルビン酸カリウムについては、業者からの相談を受け、先月中間的な取りまとめを行いつつあるところ。
ステアリン酸マグネシウムについては、既に要請があり、審議会の調査会で審議中である。
メチレンクロライド及び酢酸エチルについては、もう少し欧米の状況を調べ、新しい方針に則った対応が可能か検討したい。
(5)議長による総括
広く海外で流通し、安全が確認されている食品添加物が日本では制度上流通できないことは大きな輸入障壁であり、国際的整合性に欠けているといえる。
現行制度では、たとえ国際的に安全性が確認されている食品添加物であっても、事業者からの具体的申請を待って承認をすることとしている。このような制度的枠組みのもとでは、輸入を必要としている中小企業にとって、多大なコストと時間がかかる申請をすることが極めて困難な状況となっている。
所管省は、内部調査を行い、そのデータを積極的に活用するとともに、行政主導で、一定の条件にあった要望の多い国内未指定添加物について、海外の安全性データなどを参考に個別品目毎に必要な審議・検証を行い、日本で流通できない明確な理由がないものについては積極的に指定していくべきである。その際には、必要な審議・検証の内容について一層の情報開示を図るべきである。また、対象品目、指定基準、スケジュール等の具体的方針を周知するべきである。
所管省は、以上の検討を行うに際し、本日参考人が要望した、広く海外で流通し、安全性が確認されている食品添加物についても積極的に指定に向けた検討を行うべきである。


議題2 食薬区分の見直し

(1)事務局から、提起された課題、所管省庁による措置の概要(案件を巡る背景)及び課題・論点について説明

(課題・論点)
ア 通常海外で食品として流通・販売されているものが日本では制度上薬品としてしか流通できないことは輸入障壁であり、国際的整合性に欠けるのではないか。
イ アメリカ、EU等の諸外国で食品成分として扱われている成分については、含有量、安全性、機能に関する情報を整理し、科学的な見地から必要な検討を行った上、行政主導で積極的な見直しを行うべきではないか。(なお、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」については、科学的な検証に基づき定期的に見直しを行うこととし、概ね1年程度の期間毎に追加、訂正、削除等を行うこととされているが、平成13年3月末以降修正されていない)
ウ 上記見直しにより「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」から外れたものが、食品添加物として指定される等、食品として支障なく流通・販売できるように措置するべきではないか。
(2)参考人からの補足意見
ア 今回提起された課題の1つであるL−カルニチンの見直しが行われたことは感謝したい。しかし、食薬区分上は専ら医薬品として使用される成分から外されたが、そのままで直ちに食品として使えるわけではなく、食品添加物の問題が関係してくる。コーデックスの定義によると、食品自体として通常摂取されているもの、あるいは食品の典型的な成分は食品添加物として用いない、それからビタミンやミネラルのように食品の栄養価の保持・増進のために添加される物質は含めないとされている。また、平成13年6月の厚生労働省食品保健部基準課長通知では、ビタミン、ミネラル、アミノ酸に該当しないことから食品添加物ではなく食品に該当するカテゴリーとしてコエンザイムQ10やイコサペント酸が挙げられているが、L−カルニチンはこれに該当すると考えるので、その方向で御検討願いたい。
イ 食品衛生法上、食品とは、薬事法に規定する医薬品及び医薬部外品を除いた飲食物という二元論的な定義がされている。平成14年11月15日付の一部改正では、従来からの「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り食品として認められる成分本質(原材料)」から「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」と改められた。二元論では、「医薬品と判断しない」イコール「食品」と考えるが、改正の理由をお聞かせ願いたい。
(厚生労働省)深い意味はない。監視指導・麻薬対策課としては薬事法の観点から医薬品の規制をしているが、医薬品で食品の定義をするのは出過ぎではないか、とのことで表現を変えた。
ウ 食薬区分上食品として認められたものであっても、抽出の操作において水とエタノール以外の有機溶媒を使った場合には食薬区分の見直しをして、多くの場合医薬品となるとされている。同時に、食品の製造にかかわるものは全て食品添加物でなければならないとされている。水とエタノール以外のものは使えない状況がある。先ほど食品添加物の議論でイチョウ葉に含まれるギンコール酸の件に言及したが、副作用をもたらす有害なギンコール酸はN−ヘプタンやN−ヘキサンで除外できるが、これが水とエタノールだけに限定されてしまうと不可能となってしまう。食薬区分の問題を含めて御検討いただきたい。

エ 今回具体的に列挙した食薬区分変更要請品目について積極的に御検討願いたい。

(3)所管省庁からの説明
ア L−カルニチンについては、従来医薬品との判断を行っていたが、元々ビタミンと同様に欠乏症としての治療等であること、また、昨年来、ヨーロッパの状況、副作用のリスク等色々なデータを検討した結果、ビタミンと同様の分類とすることとし、この平成14年11月15日の改正で見直しを行った。

イ 食薬区分については、過去より様々な見直しを行ってきている。

ウ 国際的整合性に関して、外国で食品であれば、日本でも食品でいいではないか、との課題・論点をいただいた。しかし、ある成分本質が医薬品か食品かというのは、各国における規制状況、食習慣等で違っている。例えば、カバは、死亡例を含む重篤な肝障害が発生しており、今回、日本では、規制強化して従来医薬品として規制していた根ばかりでなく、全草について医薬品とした。ドイツでも医薬品、オーストラリアでは従来アボリジニーが食していたので食品、アメリカではサプリメントとして食品とされている。また、エフェドラについては、死亡例を含む重篤な健康被害が発生しているものであり、日本では医薬品、イギリスでも医薬品、その他多くのヨーロッパ諸国において食品としては使用禁止されているが、米国では2000年の段階で10人の死亡例が報告され大きな問題になっているが未だにサプリメントとして使用されている。さらに、先ほど話題に出たイチョウ葉については、日本では食経験があるため食品としているが、ドイツ、フランス等においては医薬品、米国ではサプリメントである。このようにある成分本質が医薬品か食品かは、各国における規制状況、食習慣等で異なっている。その背景としては、自己責任として整理できるのか、ある程度国として消費者を保護しなければいけないという義務付けがあるのか、問題解決をすべて訴訟で解決するのかといった点が異なっている。日本の場合は、行政に対する義務付が厳しく、エイズ訴訟以来、行政による漠然とした見逃しについては国の民事責任は当然のこと、担当官、課長の刑事責任までが問われることが確立している。義務付けがあるので、そのような観点から見ざるを得ない。

エ また、見直しについては行政主導で行うべきである、との課題・論点をいただいた。我々も行政主導でやれるものはやってきている。平成13年の大改正の際に申立てに関するシステムを変更した。例示を2つのリストにリスト化して、それ以外のものについては、業者から個別照会して判断を求めるシステムを構築し、そのための検討会を設置した。更に、申立てに基づいて科学的知見から見直しをすることとしている。この場合、行政は行政のデータで判断できる部分があるのでそれは見ていただきたいが、業者の方がかなり情報・データを持っている側面はある。また、原則自由である食品として販売する場合、業者には責任も伴う。健康食品は、原則自由であるので、行政では流通の全体像すらわからない。全体像すら分からないのに、行政が全てを掌握するのは無理。業者の持つ情報を見せていただけたら行政として参照し、効率的な検討ができるということである。我々としては、BZPのような麻薬のようなものについては、申請を待たずに行政側で情報検索し、薬理作用を見つけ規制していくことは従来から行っているが、全てを行政主導ということは考えていないし、業者側からの申立てのシステムをつくったので、このシステムを適正に運用して参りたいと考えている。

(4)委員からの主な発言と所管省庁等の応答
ア 事務局に伺いたい。平成8年3月のOTO対策本部決定をみると、「医薬品と食品の区分方法について、中長期的には、食品素材や成分に対する規制の緩和を含め、栄養補助食品を新しいカテゴリーとする対応を取ることを検討する」となっている。この新しいカテゴリーというものの意味は一体何であるのか。類似のケースでモーターホームの問題もあったが、食品と医薬品のどっちでもない中間的存在をどうやって助けるかについては、例えば栄養補助食品というものの法体系があって、それに適合するものは栄養補助食品であるというような方向に持っていかないと、この問題はいつまでたっても今日のような長い議論を聞かされるのではないかという気がするが。
(事務局)栄養補助食品に関する新たなカテゴリーの問題については、委員御指摘のとおり、食品と医薬品の真中にあるものをどうするかという議論につながっていく。この話は、今年6月の苦情処理部会でも議論しており、OTOとしては並行して議論を進めている。
今回の話は、栄養補助食品という大きなカテゴリーの議論の中から派生した重要な各論である。OTOとして個別の事業者の話を聞いている中で、素朴な問題として、どうして外国では食品として使われているものが日本に持ってくると専ら医薬品のリストに入ってしまい使えないのだろうか、という話が多数来ている。個別苦情として議論しても、申請があれば適切に処理する、という回答が所管省から来るのみである。これを積極的に進める方法はないのかということで、今回のフォローアップで取り上げられたと認識している。本日、参考人をお呼びしているのも、参考人からの個別要請品目への対応を求めていくことが意図としてあるのだと認識している。OTOとしては、全体の問題と並行して、今回のような一つ一つの個別苦情を解決していくことも大切と考えている。
イ 先ほどカバの規制強化の話があった。アボリジニーが飲んでいるという話だったが、ポリネシアにおいてはカバが伝統的、大事な飲み物で、1982年に当時の中曾根総理がフィジーに行かれたときに私も随行したが、その歓迎式典で出されたのを記憶している。外国でいいものが日本でいいかどうかの議論であるが、外国で悪いものが日本でいいかどうかという議論も裏返しの議論として関係者に納得のいくような説明や理由があればよいと思う。
(厚生労働省)輸入があるから規制する、しないとは別の話だが、カバについては従来根を使うのでそこは従来から規制していた。今回全草を追加したのは、根以外を使う実態はほとんどないが、明確化させたということ。
ウ 以前、規制改革委員会で類似の問題を扱ったことがある。その時の議論は、例えば厚生労働省が無限責任を負うというようなシステムは、どう考えてもコストばかりかかっていけないだろうということで、逆にいえば、厚生労働省が面倒をみる範囲と消費者の自己責任の範囲を明確にしない限り同じ問題が起きるということ。どこかで自己規定が必要と考える。
(参考人)委員の御発言にあった健康食品、栄養補助食品に関する問題だが、今度の中国からの個人輸入ダイエット食品で健康被害が出たときに、これらのものの大部分については無承認無許可医薬品であるとの指摘を受けた。健康食品と無承認無許可医薬品とは市場ではかなり混乱しており、消費者はその区別がわからない。健康食品あるいは栄養補助食品というものは、規制緩和のときに全般に規制緩和をしていただいて、新しい考え方の中で中長期的に考えていただきたいという話であったと記憶している。健康食品は、保健機能食品を除けば、それ自身を取り扱う法体系がなく、薬事法や食品衛生法の違反を監視する立場で見られている状況が現在存在している。栄養補助食品と健康食品についてのきちんとした包括的な法体系があって、その中で問題の起こったものについてはきちんと対処していって、排除するものは排除するというような制度的なものが必要なのではないかと業界としては考えているので、その点は御議論いただきたい。

(厚生労働省)特定保健用食品や栄養機能食品については、食品衛生法や健康増進法の中で位置付けられており、現段階において、これを大幅に見直す考え方は、行政として持っていない。
なお、先ほど、L−カルニチンが効能効果を標榜しない限り医薬品ではなくなったということで、参考人から、これが食品になるのか食品添加物になるのかはっきりしてほしいというような発言があった。医薬局が11月15日付で通知をしたことを受け、我々としてもそれを受けて検討しており、先ほど参考人が御発言いただいた食品扱いでいいのではないか、コエンザイムQ10に非常によく似ているということを我々も考えており、そのような方向で、遅くとも来週中には結論を得、通知して明確化したいと考えている。ただし、これについては、アメリカあるいはスイス、幾つかの国々で上限等が定められているようなので、注意喚起を併せて行いたい。

(5)議長による総括
現行の食薬区分のうち「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」の中には、アメリカ、EU等の諸外国では食品成分として扱われており、安全性の観点からも、専ら医薬品として使用される成分とする必要のないものが依然として存在している。通常海外で食品として流通・販売されているものが日本では制度上薬品としてしか流通できないことは大きな輸入障壁であり、国際的整合性に欠けているといえる。
所管省では、アメリカ、EU等の諸外国で食品成分として扱われている実態を踏まえ、当該成分の食品成分としての含有量、安全性、機能に関する情報を整理し、科学的見地から必要な検討を行った上で、行政主導で積極的な見直しを行うべきである。「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」については、速やかに具体的な対象品目、スケジュール等について明示するべきである。
また、上記見直しにより「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」から外れたものが、別途、食品衛生法における食品添加物として認められていないという理由から、事実上食品として流通・販売できないこととなると、見直しの意義が失われる。所管省では、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に収載されている物質の見直しと併せて、それらの物質が食品添加物として指定を受ける等、食品として支障なく流通・販売できるように措置するべきである。
所管省は、以上の検討を行うに際し、本日参考人が要望した、広く海外で食品として流通し、安全性が確認されている成分についても積極的に見直しに向けた検討を行うべきである。
 

以上
(速報のため事後修正の可能性あり)
[問い合わせ先]内閣府市場開放問題苦情処理対策室
TEL 03−3581−0384(直通)