OTO推進会議平成9年度第1回専門家会議議事要旨

第２２回ＯＴＯ推進会議議事要旨

日時：　平成１０年６月２２日（月）１４：３０～１６：３０

場所：　経済企画庁特別会議室４３６号室

出席者：
（ＯＴＯ推進会議）

　大河原議長、行天委員、久米委員、佐々波委員、谷村委員、眞木委員、増田委員、米倉委員、ローラン・デュボア特別委員、朴特別委員

（ＯＴＯ対策本部事務局）

尾身経済企画庁長官、栗本経済企画政務次官、糠谷経済企画事務次官、塩谷調整局長、小林調整局審議官、梅本企画課長、前川貿易投資対策官

議題： （１）総点検重点対象案件の選定

（２）総点検の今後の進め方

議事要旨：

１．尾身経済企画庁長官挨拶

　現在、政府は六大改革の一つとして経済構造改革を推進しているが、実際の経済活動から生じている具体的課題に即して市場アクセスの改善を推進するＯＴＯの活動は、経済構造改革の推進にあたっても、極めて重要な活動であると認識。

　本日からは、昨年１１月の「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」に盛り込まれた「ＯＴＯ案件の総点検」として、政府による市場アクセス改善策の実施状況ついて審議をお願いすることとなる。是非とも十分なご審議の上、政府の取り組みに対する忌憚のない御意見をとりまとめて頂きたい。

２．審議の概要（１）総点検重点対象案件の選定

ＯＴＯ事務局から説明したＯＴＯの現状調査について委員から以下のような意見があった。

①例えば、植物検疫におけるサンプリング法など、商品の市場価格に影響を及ぼす検査方法のあり方等を検討する際には、一部の関係者の意見のみに左右されるのではなく、消費者の観点も含め関係者全体の意見を汲みながら、輸入に係るトータルコストを勘案しつつ、検討すべき。

②　医薬品・医療用具・化粧品について、相当な規制緩和が行われてきたことは評価できるが、技術の進歩・国際的な動向も踏まえ、薬事法の規制のあり方について検討すべき。その際、特に次の２点について重点的に検討すべき。

ア．栄養補助食品や体外診断薬のように、薬事法における従来からのカテゴリーでは的確に対応することが難しい製品に対しては、積極的に新たなカテゴリーを設けることを検討する。

イ．化粧品に限らず、薬事法において製造所・営業所毎に設置が義務づけられている責任技術者・国内管理人について、資格要件や設置根拠が形骸化していないか、抜本的に見直すべく検討する。

③　ＪＡＳに関して果汁飲料の品質基準等が見直しされたことは評価できるが、個別の要求に逐次対応するばかりではなく、ＪＡＳ規格全体のあり方について、抜本的に見直すべく検討してはどうか。

④個別の苦情に一つ一つ対応していくことも重要であるが、時機をみて法体系そのものを抜本的に議論するというアプローチも必要ではないか。

（２）　総点検の今後の進め方

委員からの意見の概要は以下のとおり。

①ア．　個別の案件について更に必要な措置を提言することに加え、過去のＯＴＯ案件の現状調査を踏まえ、法律や分野毎といった括り方でグループ化して、市場アクセス改善のあり方等について、建議を行ってはどうか。

イ．グループ毎の審議の際には、各グループの政策の責任者である各省の意見も十分聴取して検討する必要がある。

②総点検重要対象案件の選定にあたっては、個別案件についての専門知識が必要であるので、専門委員にも検討に加わっていただくべきである。

３．栗本経済企画政務次官挨拶

　事務局が行った現状調査をみると、政府として何らかの措置を行うこととされた事項等のうち、七割近くの事項については必要な措置が既に全て実施済であり、九十五％以上の事項については何らかの措置が既に実施されたことについては、評価してよい。

　しかしながら、これらはあくまで政府の決定した対処方針の枠組みを基準とした評価であり、提起された苦情や問題提起の解決に、国民経済的な観点から果たして最善のものであったかどうかについては、何ら評価されていない。

　ＯＴＯ案件の総点検をより充実かつ深化させるためにも、提起された苦情や問題提起の背景にまで逆上りながら、政府決定の是非にまで踏み込んで、忌憚のないご意見を取りまとめていただきたい。

以　　上

（速報のため事後修正の可能性あり）

［問い合わせ先］

経済企画庁調整局市場開放問題苦情処理対策室

ＴＥＬ　　０３－３５８１－５４６９（直通）