OTO推進会議平成9年度第1回専門家会議議事要旨

第２３回ＯＴＯ推進会議議事要旨

日時：　平成１０年６月３０日（火）１０：００～１１：４０

場所：　経済企画庁特別会議室４３６号室

出席者：（ＯＴＯ推進会議）大河原議長、久米委員、佐々波委員、谷村委員、眞木委員、増田委員、山本委員、米倉委員

（ＯＴＯ対策本部・事務局）

古川内閣官房副長官、塩谷経済企画事務次官、川本調整局審議官、梅村企画課長、前川貿易投資対策官

議題： （１）総点検重点対象案件の選定

（２）総点検の今後の進め方

議事要旨：
１．古川内閣官房副長官挨拶

　ＯＴＯ対策本部としては、ＯＴＯ推進会議の意見を最大限尊重し、内外から寄せられた苦情や問題提起に対して必要な対応を実施してきたところ、今回の総点検においても、所管省庁がとるべき措置の実施状況について、概ね良好な結果が得られた。

　しかしながら、社会的ニーズの変化や技術進歩等に臨機応変に対応し、市場アクセスの一層の改善に向けて、政府の取り組みを不断に見直すべきであり、また、委員の皆様からみれば、まだまだ不十分な点も多々あろうかと思われる。

　ついては、今後、専門家会議等において本格的にご審議いただき、ぜひとも忌憚のないご意見をお取りまとめいただきたい。

　政府としては、昨年１２月のＯＴＯ対策本部における決定に従い、委員のご意見を踏まえ、年内を目途に、必要な対応を決定して参りたいと考えており、推進会議のご審議には最大限の協力をさせていただく。

２．審議の概要

（１）総点検重点対象案件の選定

①ＯＴＯ事務局から、第２２回ＯＴＯ推進会議の議事要旨及び過去のＯＴＯ案件の現状について説明。

②委員の意見の概要は以下のとおり。

ア．外国検査データの受入れについて、全体的に進展していると思うが、案件によって進展にバラツキがあるので、一つにまとめて検討を行うこととしていただきたい。

イ．輸入手続の電算化は進展しているが、情報システムは各省別々になっている。一度入力すれば関連システム全てで情報を共有するというワンストップ・サービス化を図るべきである。インターフェイス化を一歩進めて、各省庁の壁を超えた相互ネットワーク化による情報の集約化を進めていただきたい。

ウ．背高コンテナと船舶コンテナに係る規制緩和が大幅に進展したことは高く評価できるが、未だ問題点は残っているようである。安全面について慎重な検討は必要だろうが、現在の緩和措置が許容される最大限になっているのかどうか、検討が必要ではないか。コンテナが自由に動き得ることができれば物流コストが低下し、経済の活性化にも資するので、物流システムの効率化という観点から検討していただきたい。

エ．トレーラー・ハウスについては、建築基準法上の取り扱い基準が確立され、大幅な進展があったようだが、規格・基準の検討もお願いしたい。けん引免許のあり方についても改善する余地があるのではないか。

オ．自動二輪車の高速道路における二人乗りの問題には交通安全面から慎重な検討を要する点はあるが、本当に安全性に問題があるのか、外国にも理解できるような理由で制限的な取扱いを行っているのかどうか検討する必要があろう。現状では、所管省庁より必要な新規データの提出を求めたところ、問題提起者より提出できないとの回答があり、処理が滞っているようだが、求めているデータが安全性に係る判断に際し合理的なものなのか検討が必要。また、車種毎の最高速度に格差を設けた、高速道路における現行の速度規制は、果たして合理的に説明できるものなのか。

カ．上陸審査基準について、対日投資促進の観点から検討が必要である。また、外国において誤解が生じやすい問題であるので、広報活動を重視すべきである。
　同一企業内における地位変更について平成７年に措置されてから既に３年経過しているが、その後の状況いかん。

キ．先日、内外価格差が拡大した旨の報道があった。従来、日本の物価水準が高いのは、規制等により非貿易財であるサービス価格の水準が高いことによるものであると説明されていたが、円安の進行やこのような規制緩和の進展にもかかわらず内外価格差が拡大している現状をどう説明すればよいのか。

ク．民間が新規参入を妨げている問題についても積極的に対応すべきではないか。

ケ．許認可等の件数についての推移をフォローアップすべきではないか。

（２）今後の総点検の進め方

①ＯＴＯ事務局から、第２２回ＯＴＯ推進会議における委員の意見を紹介。

ア．法律や分野毎という共通性でグループ化して、当該グループにおける今後の市場アクセス改善のあり方・方向性等について過去の推移やグループ内の整合性を踏まえて審議し、「建議」として推進会議の意見を取りまとめる。
　なお、審議に際しては、関係省庁からの意見を十分聴取する。

イ．個別の案件については、各案件の改善状況をみて、足りないところについて、更に必要な措置を採るよう提言する。なお、対象案件の選定にあたっては、専門委員の意見も参考にする。

②委員からの意見の概要は以下のとおり。

ア．総点検をみると、ＯＴＯにおける審議を契機として、当初の予定以上に大きく規制が緩和された例が多くみられたのが印象的である。このように、各省庁で検討が行われている課題についてさらに後押しすることがよいのではないか。
　例えば、ＪＡＳの見直しや輸入手続の効率化については、既に所管省庁において議論・公表されている。

イ．措置実施済の案件が多いのは大変結構なことだが、これが最近の規制緩和の流れによるものか、受け付けた案件を迅速に処理した結果なのかはよく分からない。案件は迅速に処理することが大事であり、フォローアップを強化すべきではないか。

（３）議長総括

①今後の総点検の進め方に関し、上記（２）①に本日の推進会議における委員の意見を反映したやり方で審議を行うことについて委員の了承が得られた。
　また、議長総括として、今後グループ化して検討すべき課題を以下のとおり整理。

ア．新たなカテゴリーの設定や責任技術者・国内管理人等薬事法の在り方

イ．ＪＡＳ規格の在り方

ウ．背高コンテナ、トレーラーハウス、自動二輪車等、物流・道路交通

エ．外国検査データの受入れ

オ．輸入手続の省庁横断的連携化

カ．対日投資促進のための上陸審査基準の緩和等

キ．競争制限的な民間慣行の是正

②　　個別に審議すべき案件については、７月中に専門委員の意見を伺う機会を設け、その意見を参考にして、事務局案を作成して第１回の専門家会議に提出することを決定。

以　上

（速報のため事後修正の可能性あり）

［問い合わせ先］

経済企画庁調整局市場開放問題苦情処理対策室

ＴＥＬ　　０３－３５８１－５４６９（直通）