第11回OTO推進会議苦情処理部会議事要旨


日時 平成10年7月24日(金)16:10~16:45

場所 経済企画庁特別会議室436号室

出席者

部会長 谷村委員

専門委員 伊藤委員、金森委員、兼重委員、高瀬委員、塚田委員、本田委員、宮智委員

(OTO対策本部事務局)

川本調整局審議官、市川貿易投資対策官

議題 (1)最近の苦情受付・処理状況

(2)その他

審議の概要

議題1 最近の苦情受付・処理状況

○事務局からの配布資料に基づき説明

①現在の受付件数は575件、前回の部会(平成10年2月)から新たに7件を受け付けている。

②処理済2件(平成10年2月以降)、処理中4件、検討中1件の計7件の個別案件について、その概要を説明。

○委員の主な発言

①557「アルコールフリーワインの殺菌方法の殺菌基準の適合」

スイスでは、高速道路の休憩所において、アルコール類の販売は禁止されていたものの、アルコール分のほとんど入っていないワインやビールは販売されている。日本でもむしろ、これらの商品が奨励されても良いのではないか。

②571「建築用合わせガラスの強度基準の緩和」

 スイスでは窓ガラスはほとんど二重ガラスである。これは燃料消費の節約に役立つ。日本のスキー場の建物の中では窓ガラスが凍っている中、ストーブを焚いており、なぜ二重ガラスにしないのかと思う。日本では非常に高い上、買おうにも商品が置かれていていないのが、ほとんどという状況だ。合わせガラスはフィルムが中間に入っているので、割れにくいから耐震性は優れている。真ん中が真空の二重ガラスほどではないにしても保温性も高いだろう。このような進んだものはどんどん取り入れて欲しい。

③575「ISO規格海上コンテナ輸送用トレーラーが通行できる道路の延長」

海上コンテナの案件だが、道路整備やトンネル等の問題により、実際には90%のルートが通行不能の状況にあるとのことだが、早く国際規格に合致したコンテナを積んだトレーラーが通れるよう国内の道路を整備しなければいけないと思う。また、40ftコンテナについては30.48tまで積載重量が緩和されているのだが、このコンテナにフル積載すると34t程度になる。この緩和措置について運輸省は異論がないとしているものの、建設省は高速道路では大丈夫だろうが、一般道路では、橋や路肩などの強度の問題があり無理だと言っている。橋梁、トンネル等の整備が必要ではないか。

 572「医療系養成施設の指導要領における医学用模型規格の廃止」

ア.医学用人体模型について、指導要領の見直しについては規制緩和推進3か年計画の実施の中で合わせて行うとのことだが、この案件を処理するのは、それほど大変なことなのか。使用目的に応じて基準の差別化を行うなど方法があるのではないか。そのあたり検討していただきたい。

イ.今の案件について、そもそも学術的に100部位に分かれているのが適当かという問題もあるが、いかに対処するかが重要だ。一つは、それぞれの指導要領を見直し、使用目的に応じて規格を分類する方法である。もう一つは、学校に選択を任せてしまう方法である。結果は同じかもしれないが、2通りの方法があると考える。

ウ.要は規格は目的に応じた柔軟なものにしてはどうかということだ。購入者の方が選べば良いと考える。

エ.このような事例が科学の発展を阻害する。科学や世の中はどんどん進んでいる時に、このような規格は無用の長物であり、すぐ廃止すべきだ。3か年計画でやるのなら、その意味を明確にすべきだ。

○事務局の主な発言

①「アルコールフリーワインの殺菌方法の殺菌基準の適合」

  所管省では、データを提出してもらえれば検討するとのこと。回答に対する苦情申立者の意見を踏まえて対応する。

②「医療系養成施設の指導要領における医学用模型規格の廃止」

 苦情申立者によれば、ヨーロッパでは、いかなる模型を購入するかは学校の先生が決めているとのことだ。

○議長による総括

①「ISO規格海上コンテナ輸送用トレーラーが通行できる道路の延長」について「OTO案件の総点検」で既に議題として取り上げられており、その中で検討していくこととしたい。

②「医療系養成施設の指導要領における医学用模型規格の廃止」等は、委員から指摘をいただいたので、次回の部会では、担当省庁を呼んで、より詳細な報告してもらい、さらに検討を行ないたい。

③苦情受付・処理状況については、当部会としては概ね結構である考えるので、関係省庁連絡調整会議において決定の上、公表していただきたい。

 

(速報のため事後修正の可能性あり)

   [問い合わせ先]

    経済企画庁調整局市場開放問題苦情処理対策室

       直通 03-3581―5469