ＯＴＯ推進会議専門委員会合議事要旨

ＯＴＯ推進会議専門委員会合議事要旨

日　時：　平成１０年７月２４日（金）１５：００～１７：００

場　所：　経済企画庁特別会議室４３６号室

出席者： （ＯＴＯ推進会議）

　谷村議長、伊藤専門委員、金森専門委員、兼重専門委員、高瀬専門委員、塚田専門委員、本田専門委員、宮智専門委員

（ＯＴＯ事務局）

川本調整局審議官、市川貿易投資対策官

議　題：

　（１）総点検重点対象案件の選定

　（２）その他

議事要旨：
　１．審議の概要

議題：　総点検重点対象案件の選定

（１）　ＯＴＯ事務局から、第２２回・第２３回ＯＴＯ推進会議の議事要旨及び過去のＯＴＯ案件の現状について説明。

（２）委員の意見の概要は以下のとおり。

ア．問題提起案件

①００３０４「無償修理後に再輸入する際の当初の輸入許可証の提出免除」

・「通関手続きについて、申告者に求める書類は必要不可欠なものに限るよう改めて周知する」とあるが、実際に提出不要となった書類はあるのか。

②００３０８「輸入品に係る消費税納付制度の見直し」

・「消費税の評価申告について、申告者に求める書類は必要不可欠なものに限るよう改めて周知する」とあるが、実際に提出不要となった書類はあるのか。

③２０３０３「電気・電子製品の認証手続の改善等」

・（電気用品取締法に係る英文による申請に関して）英文による申請を認めないとあるが、工業の世界においては、英語は事実上世界標準語となっているので、この点を考慮して対応すべきである。

④２０７０２「関税無税品等に係る消費税の事後調査の簡素化」

・「（消費税の）事後調査について、申告者に求める書類は必要不可欠なものに限るよう改めて周知する」とあるが、実際に提出不要となった書類はあるのか。

⑤３０３０３「電気機器の防爆基準の相互認証」

・（指定外国検査機関に関して）欧米では１国１検査機関は少数派であり、通常は複数の検査機関が活動しているのではないか。

・（産業安全技術協会が行っている広報活動に関して）制度を周知するための広報活動は、大使館、在日商工会議所等を通じて労働省が自ら行うべきである。

・（ＩＥＣ規格以外の調査に関して）いつ調査、検討が終了するのか。

⑥３１３０６・４０３０１「内燃機関の承認の規制緩和」

・（日本内燃力発電設備協会の認定制度に関して）同協会に対する指導だけではなく、通産省が協会の認証は国と関係がないことを公表すべきである。指導の効果がなかったことは、公正取引委員会が同協会に対して改善要求を出したことからも明らかである。

⑦３０４０１「トレーラーハウス、キャンピングカーの輸入の円滑化」

・日本と諸外国の交通事情の違いも考慮した上で、議論すべきである。

⑧４０３０３「冷凍設備に関する規制緩和」

・（冷凍保安責任者の選任要件に関して）規制緩和の根拠が実態に則しているのか。保安責任者が冷凍設備運転時の保安にあたるなら容量の大小より制御装置の新旧の影響が大きいのではないか。

イ．個別苦情案件

⑨８５１８６「（１）輸入時に届出を必要としない少量新規化学物質に関し、適用上限のＥＣ並水準への引上げ及び申出、確認を常時行えるようにすること（２）輸入時に届出を必要としない少量新規化学物質に関し、適用上限のＥＣ並水準への引上げ」

・（輸入届出を要しない少量化学物質の適用上限の引き上げに関して）本件については、同一事象に対する省庁間（厚生省・通産省と労働省）の見解の相違があるので、こうした相違がなくなるよう努力してもらいたい。

⑩９３４９５「アネロイド型血圧計の検査期間等について」

・指定製造事業者制度について、本制度を活用している外国企業がほとんとないのはなぜか。本制度は国内企業にとって意味のある制度であり、外国企業が参入する際の障害が残されたままなのではないか。

⑪９５５３２「心臓用ペースメーカーの材料価格基準の見直し及び決定過程の明確化」

・（医療用ペースメーカーの価格設定に関して）「価格設定を行うべく業界と調整していく」という対処方針に対して「審議会において検討。平成１０年度も引き続き検討を行っている」という現状では、「検討」と「調整」では異なるという点で対応していないのではないか。

・上記の調整完了の見通しはどうなのか。

ウ．その他

⑫外国検査データの受入れ（００２０４・２１２０９・３０２０２・３０１０４・４１２０６・８２０１８・９５５３２）

・（所管省庁の対処方針において）「国際的な基準が策定されればこれに従う」等の標記があるが、欧米に基準があり、その基準が国際的にみて事実上の国際基準と見なされるのであれば、これに従うべきではないのか。

・外国検査データの実施に至るまで時間がかかり過ぎている。また、一定の条件を付しているものが多いため、結果的に外国検査データの受入れを進める上での障害となっているのではないのか。

・上記２つの問題点を解決するために、外国検査データの受け入れに関する省庁間の横断的な原則を設けるべきではないか。

・ＴＢＴ協定やＳＰＳ協定など国際機関の動向も把握した上で検討すべきである。

⑬輸入手続きの省庁横断的連携化（３１１０１・３１１０２・３１１１０・３１１１１・３１７０３・４０７０２・４１１０２・４１７０１）

・税関システムと各検疫等システムのインターフェイス化は実施されたが、これに外為法（通産省）に係る手続きについても追加すべきである。

エ．今後の審議の進め方等

・関係省庁からのヒアリングだけで審議を進めるのではなく、問題提起者及び苦情申立者の意見を聴取しても良いのではないか。特に、植物防疫に係るサンプリング法の問題に関しては、ＥＢＣ（欧州ビジネス協会）の意見を聴いた上で、さらに議論して行きたい。

・所管省庁の対応方針における期限の設定は、半期単位など一定の期間において何を行うということを列挙し、明確化すべきである。

・（各省庁の対処方針の中で）「調整する」、「検討する」という用語が多用されているが、その際は、問題点とともに何を「調整」・「検討」するのか目的語を明記することが望ましい。

・政府が行う海外のデータ・事例等、事実関係の確認において、コストの問題、予算上の問題により対応が遅れるものがあれば、民間企業や様々な専門機関などを活用してはどうか。

・公益法人による規制の問題が議論される際は、その団体の関係者からの意見も聴くべきではないか。

・甘味料や釘打ち機の問題など、当時においては認められなかった事例がある。過去の案件の中で、その後改善がなされ、良い結果が出たものについても紹介して欲しい。
（上記については、事務局から、ガス内燃式自動釘打ち機に関して、銃刀法における規制対象の見直しがなされて改善措置が講じられた旨、さらに、改善措置が講じられたものは他にもたくさんあるが、時間の関係もあり省略した旨説明）。

・各案件の対処方針中で「前向きに検討する」等、表現が抽象的なものについては、現状について重点的に調べてもらいたい。

・ＯＴＯでは、輸入に係る問題だけではなく、将来的には輸出に関する苦情も扱うべきである。

・外国で技術的に優れ、普及しているものの輸入に障害があってはならない。こうしたものを輸入することにより、国内産業が刺激され、当該産業を活性化させることにもなる。　

　２．議長総括

・本日専門委員から指摘のあった案件については、原則としてすべて検討課題として取り上げる。

　なおその際には、兼重専門委員から提出のあった資料も使用する。

・上記の前提で、総点検重点対象案件の事務局案を作成し、大河原議長にご報告した上で、第１回専門家会議において、審議すべき重点対象案件を決定する。

　３．専門家会議の開催予定

・第１回専門家会議：８月３１日（月）　１５：３０～１７：３０

・第２回専門家会議：９月１６日（水）　１４：００～１６：００

以　上

　（速報のため事後修正の可能性あり）

　［問合せ先］

経済企画庁調整局市場開放問題苦情処理対策室

ＴＥＬ　　０３－３５８１－５４６９（直通）