1 日時 平成11年12月14日(火) 15:00〜16:40
2 場所 経済企画庁官房特別会議室(729号室)
3 出席者
(OTO推進会議)
(2)「トレーラーハウス等の規制のあり方に関する検討会」報告について
(3)その他
議題1 「けん引免許の区分化に関する調査」報告について
○所管省庁から説明
(2)平成7年から9年までの間に発生した人身事故のデータに基づき、交通事故総合分析センターが被けん引車の重量別事故特性の分析を行ったところ、結果は以下のとおりであった。被けん引車の重量別にみた事故件数のデータがないため、けん引車の重量別にみた事故件数のデータを使用した。
(3)全国の都道府県警察が、平成10年11月1日〜平成11年6月30日までの間に発生したものを対象として、軽量(750kg以下)の被けん引車両に係るけん引自動車を第一当事者とする交通事故について調査したが、2件の物損事故が起こっただけであり件数としては少なかった。
(4)申立者より日本のけん引免許試験は難しいとの指摘があったが、けん引第一種免許は年間約3万人取得している。また、現在、けん引免許試験の際に使用する車両はそれほど大型のものではない(重量は、けん引車は3.3トン、被けん引車は1.9トン、車両の総重量は5.2トン)。技能試験の内容は、S字カーブを曲がる、バックで入って方向転換する、といったような運転に必要不可欠なものである。
(5)更に必要なデータは、750kgを超える被けん引車のうちキャンピング・トレーラーとその他の車両のそれぞれの事故率、および両者において運転技能上の差異があるかどうかということであり、これらについては、別途、調査したい。
(委員の主な発言)
(2)けん引免許は、昭和40年に、事故が発生したといった理由ではなく実態に合わせるという理由で法改正されて創設されたものだが、今回、事故件数等で説明するのは立法の趣旨とは異なるのではないか。
(3)「キャンピング・トレーラー」の運転意向率は、けん引免許更新者では4.9%であるが、けん引免許試験受験者では13.0%であるという調査結果であったが、これは、常識的から考えれば、ニーズが増えていると解釈すべきではないか。また、ニーズがどの程度になったら区分を新たに設けても良いと判断するのか。
(4)現在、けん引免許試験の際に使用する被けん引車では、大型の車両を実際にけん引しようとしている人には適さないのではないか。そもそも試験車両が1種類しかないということが問題ではないか。
(5)米国のけん引免許制度はどのようになっているか。
(6)今後、どのような手順で調査を行い、いつ頃に結論を出すのか。
(7)現行のけん引免許試験において、どの項目が必要でないかを申立者に確認する必要があるのではないか。
(8)大型免許、普通免許等の種類に応じて、重量等の面で対応する被けん引車を使用した「けん引」という項目の技能試験を希望者に受験させて、合格者にけん引付帯免許とでもいうものを交付してはどうか。そうすれば、現行のけん引免許を区分化する必要がなくなると思う。
(2)昭和40年の時点で道路交通に関する条約に加盟した。当該条約においては750kgを超える場合にはけん引免許を要することとされていたため、国際免許で外国で車両をけん引できるようにするためけん引免許を創設した。
(3)キャンピング・トレーラーをけん引したいというニーズは増えている。けん引免許区分の創設を検討するため、どの程度のニーズがあれば良いかといった基準は無いが、現在限定免許が設けられているのは、身体障害者を別とすれば、オートマチック車、自動二輪車であり、相当多くの要望があったものである。最終的には、キャンピング・トレーラーをけん引する場合に、他の被けん引車と運転技能上の差異があるかどうかで決めるべきであると考えている。
(4)実際に大型の被けん引車をけん引するために現在の試験の際に使用するものより大型の被けん引車を使用すべきではないかという考えはあるが、被けん引車ごとに免許を分けている例は国際的にみても少ない。
(5)米国では、4.5トンまでけん引免許を必要としない。それは世界的にみても稀なケースである。多くの国では、750kgを超えるとけん引免許が必要である。
(6)今後は、まず、事故車をけん引する場合等を含まない正確な事故率を算出する。次に、現在のけん引免許試験に使用している被けん引車両とキャンピング・トレーラーを実際に比較して、けん引する上で運転技能上の差異があるかどうか調査し、1年以内に結論を出したい。
(7)現行のけん引免許試験の項目のうち、申立者が不必要と指摘した項目についての内容を申立者に確認することはやぶさかではない。
(8)現行の免許の種類毎にけん引付帯免許を交付するということについては、一つのご意見として承る。ただ、けん引における必要な運転技能として必要な項目は、大型でもそうでなくても同じものになると思う。
○事務局から説明
(3)今回の調査結果の概要は以下のとおりである。
(ウ)欧米諸国では、オートキャンプの歴史は古く、様々なオートキャンプスタイルとそれに対応した様々なタイプのキャンプ場が存在する。一方、我が国では、オートキャンプは90年代以降急速に普及・拡大し、キャンプスタイルとしては、“車+テント”が主流である。
(エ)米国では、キャンプ活動は、推定で年間約5,280万人が参加するポピュラーなアウトドアレクリエーションであり、開発地域におけるRVキャンプ参加人口だけみても1,730万人と非常に多い。一方、我が国では、15歳以上のオートキャンプの参加率は、全人口の約6%程度であり少ない。
(カ)米国には公営と民営のキャンプ場が存在している。公営キャンプ場には自然型のキャンプ場が多く、民営はRVパークが大半を占めている。また、両者の間には機能的に凄み分けができており、競合関係にはないと言われている。一方、我が国では公営のオートキャンプ場が多い。キャンプ場の施設規模をみると、公営は10.2haであるのに対して、民営は4.6haであり、大規模開発のための許可は公営の方が取得しやすいなど競合関係にある。
(キ)ヨーロッパでは、地続きという地理的特性や長期休暇という社会慣習等を背景に、国境を超えたキャンプ旅行が盛んである。各国に様々なタイプのキャンプ場が多数存在している。パリやロンドンなどの都市の中心部にも、テントを張れるオートキャンプ場があり、都市観光の拠点として利用されている。また、南ヨーロッパでは、充実した食事施設を持つオートキャンプ場が多い。
(ク)米国には、キャンプ場の規格としてANSI規格A119.4というものがあり、強制力は無いが、同規格をモデルとしてRVパークの設置基準を定めている州や郡ある。また、ドイツでは、各州でキャンプ場条例が制定されており、特徴として、障害者用施設の規定がある。我が国では、法律や条例等に定めたキャンプ場設置に関する規格・基準は無い。ユーザー団体である(社)日本オートキャンプ協会等が基準を作成しているが、何ら強制力がなく、実態的には、ほとんど機能していない。
(5)建設省の通達の運用上において生じた混乱は、都市計画法における市街化区域において、通常の「建築物」の場合ならば用途地域による制限が生じる用途に、「キャンプ場で利用されるトレーラーハウスは建築物ではない」との論拠で、当該用途に供そうとした事業者が存在したことが発端となっている。
(6)市街化区域内において、トレーラーハウス等を利用して各種業務を行う場合には、それが許される用途地域において、建築物として建築確認を行った上で、各種業務を行うべきである。
(7)我が国では、トレーラーハウス等の使用例は比較的少数にとどまっており、新規の立法措置等及び公的な基準等を制定することは時期尚早であり、当面は既存法の枠内で対応することが適当であり、トレーラーハウス等の普及度に応じて、中長期的には、独自の法的手当てを行うことが必要である。
(8)OTO対策本部としては、本検討結果を、地方公共団体をはじめトレーラーハウス等の関連諸団体等に対して送付等を行うことにより、通達の運用の段階における混乱を未然に防止する。
(9)今後もトレーラーハウス等を利用したキャンプに関するトラブルが発生する可能性があるため、検討会は存続させることとし、今後も、必要に応じて、OTO推進会議に対し、その検討内容について報告することとする。
(委員の主な発言)
(2)レジャーと景気は相互依存関係にある。赤字を出し続けている公営キャンプ場をつくるのはナンセンスである。手続きの面で、もっと民間が参入しやすいようにし、競争原理が働けば、施設も充実し、ユーザーが利用しやすい料金を設定することにもなる。トレーラーハウスを取り巻くレジャー需要を増やすといった内需を増やす方策を考えるべきである。
(イ)今回の調査の結果、「我が国においては、トレーラーハウス等の使用例は比較的少数にとどまっている」ことが明らかとなり、新法制定等は時期尚早であって、当面は既存法の枠内で対応することが適当である。
(ウ)「トレーラーハウス等の規制のあり方に関する検討会」については、引き続き存続させることとし、今後も必要に応じて、OTO推進会議に対し、その検討内容について報告する。