第5回OTO推進会議苦情処理部会議事要旨

                                                         経済企画庁調整局
                                                         O   T  O   室

1  日時  平成7年11月13日(月) 15:00〜17:00 
2  場所  経済企画庁特別会議室(1230号室)
3  出席者  OTO推進会議  八城苦情処理部会長、片岡専門委員、兼重専門委員、
              児玉専門委員、松下専門委員、宮智専門委員
            通商産業省  機械情報産業局池谷計量行政室長、同局吉本計量行政室
              総括班長、計量研究所山口計測システム部試験検査課標準供給専門
              職、貿易局鈴木輸入課長
            経済企画庁調整局  河出審議官、照井貿易投資調整官、道上OTO対
              策官他
              議題2に係る苦情申立者は欠席
4  審議の概要
 (1)  「OTO推進会議の公開のあり方について」
      11月10日の第6回OTO推進会議で決定されたOTO推進会議の公開のあり
    方について事務局より報告

 (2)  議題1  重要な個別案件についての報告
      駐日EU委員会から申し立てられているOTO410番「ハム、ソーセージ
    等の熱処理基準の見直し」他13件について事務局から報告。これらの案件につ
    いて、事務局からの再三の催促にも係わらず、EU側から正式な回答が得られ
    ないことから、これらを処理済とすることについて部会として了承。

 (3)  議題2  重要な個別案件についての審議
    OTO495番「アネロイド型血圧計の検査期間等について」
    ○  事務局から水銀柱型血圧計と各種アネロイド型血圧計の特徴、計量法上の
      血圧計に係る規制状況、苦情処理の経緯等について説明
      (苦情内容)
      ・アネロイド型血圧計についても計量法に基づく検定制度を廃止し、水銀柱
        型血圧計と同様に厚生省に届け出るのみにしてほしい。
      ・検査期間を短縮してほしい。
    ○  所管省庁から当該血圧計を計量法上の検定の対象とすることの理由、指定
        製造事業者制度の概要、外国検査データの受け入れのための努力等につい
        て説明
      (説明内容)
      ・アネロイド型血圧計については、不良品が市場に出回るのを未然に防止す
        る観点から検定を行う意義は大きい。
      ・平成5年11月の計量法改正に先立つ計量行政審議会でも、消費者代表委員
        を含め当該規制を存続すべきとの意見が出され、規制存続の結論に至った。
        また、計量行政審議会委員のうち消費者代表委員をはじめ何人かに本件
        について意見を求めたところ、不合格率が低くとも毎年多くの数が不合格
        となっている事実を鑑みるに規制を撤廃すべきではないとの意見であった。
      ・新計量法において、型式承認を受けた特定計量器については、製造事業者
        の自主検査により検定を免除する指定製造事業者制度を導入し、血圧計も
        その対象となっている。また、海外の試験結果の受け入れを積極的に進め
        ていきたい。
      ・英文資料の作成・配付、英文申請の受け入れの早急な検討等を通じて輸入
        の促進に努める。
      ・検査期間の短縮については、都道府県、特定市に事務の迅速な処理を要請
        している。現在、3日以内に処理されているとのこと。
      ・「血圧計」との表示義務については、平成11年を目途に、可能であればそ
        れ以前から撤廃の方向で関係者と相談の上、省令改正を行う予定。
    ○  この後、審議
      (委員の主な発言)
      ・アネロイド型血圧計は主に一般消費者用であるので検定が必要であるとし、
        水銀柱式血圧計との差異を設けるという当初の説明は説得的ではない。ま
        た、その後に水銀柱型とアネロイド型の技術的差異につき説明する等、
        通産省のこれまでの説明は決して親切とは言えない。
      ・血圧計の検査は圧力計としての検査のみであるとのことだが、圧力計の検
        査はもともとそれほど検査に時間のかかる性質のものではない。もちろん
        検定件数及び検定員の数にもよるが。また、オシロメトリック式のものに
        圧力計の検査をすることの意味はないのではないか。
      ・一般に販売されている型式承認を受けたものの取扱説明書を見ても書いて
        あるように、血圧とはそもそも測定する状態によって値が25〜50mmHg程度
        も変化するものであり、一消費者として考えて、血圧計について±4mmHg
        の許容公差で検定することは必要とは思わない。
      ・国際機関(OIML)の勧告案、日、独の基準に差異はないとのことだが、
        そうであれば、海外と相互承認導入を推進することはアクションプログ
        ラム以来の我が国の基本方針であり、ドイツ等欧州の状況を調査の上積極
        的に受け入れるべき。
      ・欧州では基準・認証制度の統一化が進められているが、血圧計について欧
        州統一の規格ができたならば、それを我が国も無条件に受け入れていいの
        ではないか。
      ・指定製造事業者制度の導入は評価できるが、零細企業、輸入企業には恩恵
        が薄いのではないか。
      ・検定の不合格率が特定地域、輸入品において高い理由は何か。
      ・輸入品の不合格率が高い理由として、ブルドン管の精度は時間とともに変
        化するので、日本へ船積み等により輸出する過程で誤差が大きくなるとい
        うことも考えられる。更に、消費者が使っているうちに国産品も含め全て
        のものの誤差が大きくなるのではないか。
      (所管省の応答)
      ・これまでの対応には不親切な面があったかもしれないが、本件血圧計は医
        師がカルテ記入や健康診断等の正規の証明行為に利用するため、一般消費
        者向けの血圧計にも増して正確性の担保が求められていると認識している。
      ・血圧計の検定の際に、実態的に圧力値のみしか検査していないことの問題
        点は認識しており、計量行政審議会でも血圧計トータルの性能について検
        査する方法を開発すべしとの宿題を頂いている。現在、国際機関(OIM
        L)において検討を進めているが結論は出ていない。このため各国とも我
        が国と同様の圧力値の検査に留まっているのが現状である。
      ・現在は各国の製造事業者、各国の検査機関を対象として検討を行っている
        が、将来はマルチでの議論を推進したい。
      ・欧州等諸外国の検査機関の指定、外国指定製造事業者の指定を推進し、積
        極的に外国での検査の結果を受け入れたい。指定製造事業者制度の活用を
        図るため、指定を希望する外国企業に対しては説明に赴く等の措置を取る。
         また、英文の資料の作成・配付等を推進する等、輸入促進に努めたい。
      ・欧州では1999年度から血圧計もCEマーキング制度の対象となると考えら
        れる。そのための許容誤差がEC指令に盛り込まれるのではないかと考え
        ている。
      ・不合格率が特定の地域で高いのは、少数の特定の事業者の事情に左右され
        るためと考えられる。
    ○  部会長による総括
      ・本日出された主な意見は、1)輸入品の不合格率が高いことの理由、地域に
        よって不合格率に大きな差があることの理由について調べられたい、2)血
        圧計の精度の観点から、水銀柱型とアネロイド型で規制に差があることは
        疑問である、3)消費者が主に使うから規制するという説明にはそれほど意
        味があるのか疑問である、4)欧米の規制の実態を踏まえ、EU内で相互承
        認を進めているなら、日本でもそれを積極的に受け入れるべきではないか
      ・所管省の意見は、検定の廃止は困難とのことだが、本日委員から出された
        意見を踏まえて、所管省にて、更に検討頂き、その結果を次回の部会で報
        告して頂き必要に応じ審議することとしたい。次回是非とも前向きな対応
        を考え頂きたい。
        
 (4)  議題3  最近の苦情受付・処理状況
      前回の連絡調整会議以後に異動のあった苦情案件について事務局より説明

          ─────────────以    上─────────────

  (速報のため今後修正の可能性あり)
          問い合わせ先:経済企画庁調整局市場開放問題苦情処理対策室
                                      電話 3581-5469(直通)