第6回市場開放問題苦情処理推進会議議事要旨
                                                 (平成7年11月14日)

日時  平成7年11月10日(金)10:00〜11:30
場所  経済企画庁特別会議室(1230号)
出席者
(推進会議)
  議長  大河原良雄  
  委員  内村良英、久米豊、谷村昭一、千野境子、増田實、八城政基、米倉功
  特別委員  ローラン・デュボア、李鎬允
(OTO本部・事務局)
  古川内閣官房副長官、小林事務次官、糠谷調整局長、河出審議官  
  照井貿易投資調整官、石田官房企画課長、道上OTO対策官

議題
 (1)OTO推進会議の公開のあり方
 (2)外国人事業者等からの問題提起内容について
 (3)その他

審議の概要

議題(1)
  公開のあり方については、推進会議、苦情処理部会及び専門家会議の議事要旨を
原則公開すること、推進会議については原則会議終了後記者ブリーフィングを行う
こと等とされた。また、関係者については希望があれば傍聴を認めてもよいのでは
ないかとの意見が出され、次回推進会議において検討することとなった。

議題(2)
  OTO推進会議において、市場アクセス改善に関する提言を年度末を目途に取り
まとめる取組み(本年度で4回目)の始まりとして、今年度外国人事業者等から寄
せられ、今後審議が予定される問題提起57件(別添参照)のうち、これまでに問
題提起内容が明確化されている案件19件について、OTO事務局より、その内容
等につき説明した。また、議長より、例年同様、報告書をまとめるための審議の進
め方として専門家会議を設置して個別に審議を行う旨の提案があり了承された。
  OTO事務局から説明した問題提起内容等について、出席委員からは以下のよう
な意見があった。
 (1)総論
    ・所管省庁の対応は全般的に評価できるが、例えば「審議会で検討する」とい
      う対応については、その結果を早く出すようにすべき。また、同様の趣旨で、
      タイム・スケジュールを出来るかぎり明示すべき。
    ・類似の案件が繰り返される例が見られるので、なるべく問題を普遍化して処
      理すべき。
 (2)各案件について
   1)生鮮冷凍豚肉の輸入検疫について
    ・タイ側が口蹄疫がないことを証明できると言っている以上、日本としては門
      前払いではなく、よく内容を検討して対応するのがよいのではないか。
   2)輸出前の生果実の蒸熱処理のための植物防疫官の派遣
    ・防疫官の派遣については、日本人は給与が高いので相手国の負担が重くなる
      が、相手国の立場にたって措置を検討すべき。
   3)輸入果汁に係るJAS規格の一部変更
    ・JASの基準と外国で出回っている商品とはまだ差異があるようなので、外
      国の規格も取り入れて輸入を促進すべき。また、JASの承認を受けられな
      いというのは、早く解決すべき。
    ・事前意図公告において今回指摘のあった点を含めて意見等は提起されなかっ
      たというが、事前意図公告がどのような方法で行われているのか等の技術的
      な改善も含めて検討すべき。
   4)医薬品の範囲基準の見直し
    ・ビタミン剤は外国ではスーパーで安く買えるなど、日本と外国で食薬の基準
      が異なる。
    ・医薬品の定義という観点から、包括的に検討すべき。
   5)輸入住宅に係る規制緩和
    ・住宅は多くの資材を使うので、OTOで扱うべき基準・認証の問題も潜在的
      に多くある。また、住宅金融公庫や水道も関連するなど問題は広範である。
      住宅輸入の促進は国策であるので総合的に検討すべし。
    ・住宅建設コストは日本は外国の2.5倍であり、これには建築基準法が厳し
      いことや建設資材が高いことも一因である。住宅関連の規制緩和により輸入
      住宅のコストを下げられれば、需要も喚起される。
   6)海外建設資材の品質審査証明制度の改善
    ・公共工事関連で政府が自ら発注者なのだから、内外無差別の原則が現場でも
      徹底されるべきだが、よく検討してみてはどうか。また、審査の有効期間も
      なぜ1年間か説明が必要である。
    ・セメント等の製品について国際規格や外国規格の受入れなどにより制度を改
      善する余地があるのではないか。審査料金の引下げについても前向きに検討
      してはどうか。
   7)労働者派遣事業の見直し─┐
   8)職業紹介事業の見直し  ─┘の2件について
    ・行政改革委員会等でも議論されている重要な問題。欧米ではどのような制度
      になっているのか。外資系企業の人材確保という観点からも重要である。
    ・労働力の流動化の観点から大きな課題であり、経済4団体の重点項目である。
      労働者の保護のためといっても、それほど労働者は弱くないのではないか。
      ニュー・ビジネス創出から雇用増を見込むためにも必要な施策である。
    ・ヒトの流れの自由化が重要となりつつあり、働く形も時代に応じて変化すべ
      き。労働市場の流動化は重要な課題である。
   9)輸入許可前貨物引取承認申請に係る担保の対象官署の共通化
    ・事務的な対応で解決可能な問題ではないか。税関の連携や事務管理システム
      といった観点から、この問題について検討したい。
    ・現行システムの多少の手直しで実現可能な話ではないか。
  10)上陸審査基準等の運用の見直し
    ・対日投資が少ないという問題の一つのネックになっているのではないか。政
      策変更の予定はないということだが、もう少し検討する必要があるのではな
      いか。

  議長の総括として、以上すべての意見がもっともであるので、上記10件を順次
審議していくこととし、了承された。特に、生鮮冷凍豚肉の輸入検疫について、輸
入果汁に係るJAS規格の一部変更、海外建設資材の品質審査証明制度の改善、労
働者派遣事業の見直し、職業紹介事業の見直し、及び輸入許可前貨物引取承認申請
に係る担保の対象官署の共通化の計6件については、論点も明確であり、かつ、事
務局から詳細な報告がなされていない残りの案件との重複もないことから、早急に
審議することとされた。また、今回委員から意見の出なかった案件についても、本
部でさらに検討を進め、その結果を適当な時期に再度一括して推進会議で審議し、
更なる検討が必要と判断される案件については、個別に審議することとされた。
  また、本日、事務局から詳細な報告がなされなかった残りの案件については、1
1月27日の推進会議において議論することとされた。

                              ────以上────


(第7回市場開放問題苦情処理推進会議は11月27日(月)15:00 〜17:00 の予定) (速報のため事後修正の可能性あり) [問い合わせ先] 経済企画庁調整局市場開放問題苦情処理対策室 直通 3581−5469