第9回市場開放問題苦情処理推進会議議事要旨

 
                                                       (平成8年6月3日)
日時平成8年5月27日(月)  14:00〜16:00
場所経済企画庁特別会議室(1230号)
出席者
(推進会議)
大河原議長、内村委員、行天委員、谷村委員、中内委員、増田委員、八城委員、
米倉委員、デュボワ特別委員、李特別委員、片岡専門委員、兼重専門委員、
児玉専門委員、細川専門委員、松下専門委員、宮智専門委員
(OTO対策本部・事務局)
古川内閣官房副長官、小林経済企画事務次官、
糠谷経済企画庁調整局長、河出経済企画庁調整局審議官、他
議題
OTO推進会議第2回報告書のフォローアップ

審議の概要
第2回報告書(平成7年3月)で意見を述べた19案件に関して、所管省庁でとられ た対応について事務局より説明を行ったところ、出席委員から以下のような意見があ った。
  1. 総論

  2. 各論
    1. 切り花の輸入にかかる検討結果
      • 植物防疫法の改正案を提出するなど対応を進めているのは結構だが、今後決定する 「植疫有害動植物」の内容についても諸外国が納得するようなものとすべき。公聴会 等の場では、広く関係者から意見を聴くべき。
      • サンプリングの検討において、2段階抽出法によって「再検査を実施することが不 可欠となり、検査時間が増大し、切り花の鮮度低下等が生じることとなる」という部 分は理解できない。2段階抽出検査を行っても仕事量はせいぜい10数%増である。今 一度専門家の検討結果を所管省で検討してもらいたい。また、輸入業者が反対してい るのであれば、横浜植物防疫所でまとめたレポートをEBC、豪州、NZなどに配付 してほしい。
      • 燻蒸料金について関係者の間で話し合いが行われたのは結構だが、具体的改善策が 不明だ。成田の燻蒸料金はマイアミの10倍と海外に比して高すぎ、市場メカニズムが 働いていない。
    2. 体外診断薬の承認手続きの簡素化
      • 体外診断薬は普通の薬と違い直接人に投与するものでなく、規制は通常の薬より緩 くて然るべきなので、承認不要の範囲を設けるべきとの意見を昨年述べたが、手続の の簡素化を行っただけで承認不要の範囲を設けることについては、対応が明らかにさ れておらず、十分な対応といえない。所管省の速やかな対応を求める。
      • 承認不要の範囲を設けるという一番重要な部分がノータッチでは納得できないので 、来年も引き続きフォローアップすべきである。
    3. 天然ハーブから成る健康食品の医薬品としての取扱の撤廃
      • 本件は実施状況が平成9年度まで判明せず、また、平成8年3月の報告書における 「栄養補助食品」の案件に内容的に含まれるものである。したがって、本件は来年の 「栄養補助食品」の案件のフォローアップの際に併せて引き続き検討すべきである。
      • 平成8年3月の報告書で指摘したが、ハーブにとどまらず「栄養補助食品」全般に ついて対応を進めるべきで、その際には、「形状(剤型)や表示の制限について早期 に規制緩和すべき」との指摘を考慮すべき。
    4. 船舶コンテナの道路輸送の際の重量制限の緩和
      • 5か年計画の3年経過時点で、橋梁の整備が8割程度進んでいるのは結構なことで ある。あとは車両の検討を早急に進めること、ネットワークが形成された路線につい ては計画終了時点を待たずにその時点でフル積載による通行を認めること等の機動的 な対応によって規制緩和の成果を上げて頂きたい。
      • 物流コストの削減は重要な構造的な課題であり、今後もフォローアップをする必要 がある。
    5. 立体駐車場の検査制度の改善
      • (社)立体駐車場工業会の運営について、建設省は同工業会に対して中立的な運営 が行われるように指導したということである。これ自体は結構なことであり、今後と も建設省には監督官庁として責任ある対応をしてもらいたい。
      • 海外審査を行って欲しいとの要望があれば、速やかに対応するよう期待する。
    6. 壁紙の認証制度の改善
      • 壁装材料協会(任意団体)が関係する壁紙の認証制度は、外国からみて制度の透明 性に欠けるように見られがちであるため、相互認証制度の導入や外国試験データを受 け入れを一層積極的に行うといった努力をしてもらいたい。
    7. 外国弁護士による国際商事仲裁代理の自由化
      • 本件については、改正法案の提出までこぎつけた法務省の努力を評価する。
      • 外国弁護士の問題は、問題提起プロセスが始まって以来度々提起された問題であり、
        1. 外国法事務弁護士による日本の弁護士の雇用の自由化
        2. 〃 の職務経験要件の廃止
        3. 〃 による第三国法関係業務の自由化
        の問題なども取り上げた。これらについても法務省が前向きの対応をできるだけ早く 図ることを期待する。
    8. 景品規制の見直し
      • 規制緩和が行われたこと自体は評価するが、マーケットが持っている自律的調整力 及び消費者の判断力をもっと信頼すべきではないか。
      • 自動車業界は公正競争規約を一般規定と同じ内容に改正したが、何故他の業界でま だやっていないのか疑問。業界による規制が問題となることが多いが、本件は公正取 引委員会と公正取引協議会の両方が関係する問題である。今後もフォローアップすべ きである。
      • 新規参入企業、外国企業などで業界団体に参加することが不可能な場合があるが、 その一方で公正競争規約の内容が一般規定の運用の際に参酌されることから、アウト サイダーに適用されるというのは問題である。
    ○議長による取りまとめ
    昨年の報告書に示された意見について、所管省庁において総じて積極的な対応が行 われ進展があったことは評価できる。
    また本日の委員の指摘については、OTO本部側でこれを十分に尊重してさらに対 応を進めて頂きたい。対応が完了していない案件については、実施済みとなるまで推 進会議としてフォローすることが必要である。具体的な再フォロー案件の選択は、議 長に一任いただきたい。

    その他
    議長より、内村委員、加藤委員、松下専門委員及びジョルダン特別委員が来たる6 月末をもって委員を退任する予定であることが紹介され、出席の内村委員、松下専門 委員よりあいさつがあった。

    ──以上──
    (速報のため修正の可能性あり)
    [問い合わせ先]
    経済企画庁調整局市場開放問題苦情処理対策室
    直通 03−3581−5469