33.気象業務法

(1) 法律・制度の目的
気象業務の健全な発達を図り、もって災害の予防、交通の安全の確保、産業の興隆等公共の福祉の増進に寄与するとともに、気象業務に関する国際的協力を行う。

(2) 法律・制度の概要
気象の観測は原則自由であるが、観測の成果を広く発表したり、災害の防止に利用することを目的として観測を行おうとする者等は、正確な観測の実施及び観測方法の統一性確保のため技術基準に従い(第6条)かつ、検定に合格した気象測器を用いて観測しなければならない(第9条)こととされている。

(3) 政省令
気象業務法施行令
気象業務法施行規則
気象測器検定規則

(4) 規制等の概要
1)対象(気象測器)
温度計、気圧計、湿度計、風速計、日射計、雨量計、雪量計

2)規制等の内容
誤った気象観測データの使用又は発表は、災害時の対応における社会的混乱等を招くおそれがあることから、気象庁以外の政府機関若しくは地方公共団体が行う気象観測(研究又は教育を目的とするものを除く。)又はこれら以外の者が防災若しくは観測の成果の発表を目的として行う気象観測等については、正確な観測の実施のため、用いる気象測器について一定の構造及び性能を有することを義務づけている。

3)規格・基準、検査等の概要
気象測器の検定においては、その気象測器の種類に応じて材料、部品及びこれらの組み合わせ等が適切であるかを調べる「構造の検査」及び個別の気象測器の精度を調べる「器差の検査」を行う。器差の基準については、国際的な整合を図るため、世界気象機関(WMO)の定める観測要求精度を考慮して設定している。
なお、検定については、後述する「型式証明」及び「認定測定者」制度を設け、申請者の手続きの軽減及び民間の技術力の活用を図っているところである。

4)登録検定機関、型式証明及び認定測定者制度
i. 登録検定機関
検定は、気象庁長官の登録を受けた「登録検定機関」により実施されている。

ii. 型式証明制度
気象庁長官は、申請により、検定の対象としている気象測器の型式について、型式証明を行っている。型式証明において、一定の構造を有する旨が確認された気象測器については、検定の際、「構造の検査」が免除される。

iii. 認定測定者制度
気象庁長官は、申請により、気象測器の器差の測定を行う者について、その測定能力の認定を行っている。この認定を受けた者(認定測定者)が、型式証明を受けた気象測器について器差の検査を行った場合、当該検査の結果を報告した書類を登録検定機関に提出することにより、気象測器の提出に代えることができる。

(5) 最近の法令等改正の要点
1)指定検定機関に検定事務を行わせることとするとともに、認定測定者制度を設ける(平成14年4月1日施行)。
2)検定事務について、指定検定機関が実施する制度を、気象庁長官の登録を受けた者(登録検定機関)が実施する制度に改める(平成16年3月1日施行)。

(6) 参考情報
問い合わせ先:
気象庁観測部計画課
Tel 03-3211-6018 http://www.kishou.go.jp/shinsei/kentei/index.html