45.農薬取締法

(1) 法律・制度の目的
農薬について登録の制度を設け、販売及び使用の規制等を行なうことにより、農薬の品質の適正化とその安全かつ適正な使用の確保を図り、もって農業生産の安定と国民の健康の保護に資するとともに、国民の生活環境の保全に寄与する。

(2) 法律・制度の概要
製造者又は輸入者は、農林水産大臣の登録を受けなければ、これを製造し若しくは加工し、又は輸入してはならない(第2条第1項)。

また、外国において本邦に輸出される農薬を製造し、又は加工してこれを販売する事業を営む者は、当該農薬について、農林水産大臣の登録を受けることができる(第15条の2第1項)。外国の申請者は、申請に際して、国内管理人(本邦内に住所を有する者(外国人で本邦内に事務所を有する者の当該事務所の代表者を含む))を選任しなければならない(第15条の2第2項)。

(3) 政省令
農薬取締法施行令
農薬取締法施行規則

(4) 規制等の概要
1)対象品目
農薬(農作物を害する菌、線虫、だに、昆虫、ねずみその他の動植物又はウィルスの防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤その他の薬剤及び農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤及びこられの防除に利用される天敵。)

2)登録手続
i. 製造業者又は輸入業者は、その製造し若しくは加工し、又は輸入した農薬について、農林水産大臣の登録を受けなければ、これを販売してはならない。

ii. 農薬の登録は銘柄ごとに行うこととされており、その登録申請に当っては、申請者は農薬取締法の規定に基づき、登録申請書のほか、農薬の薬効、薬害、毒性及び残留性に関する試験成績並びに農薬の見本(200g以上)を提出しなければならない。

iii. 農薬の登録申請の受付は、独立行政法人農薬検査所又は農林水産省で行われており、農薬検査所では提出された農薬の見本の品質及び安全性について検査を行い、検査の結果、登録保留要件(申請書の記載事項に虚偽の事実がある場合、当該農薬が人畜に被害を及ぼすおそれがある場合等。)に該当しない場合には、農林水産大臣は、定められた使用方法等とともに当該農薬を登録し、登録票を交付することとされている。

iv. 農薬の登録、安全使用等に関する国際的な規格・基準としてFAOで制定している「農薬の流通及び使用に関する国際行動基準」があり、我が国の農薬取締法もこれに調和したかたちとなっている。

v. なお、我が国では、農薬の登録申請時に申請者から提出される試験成績の信頼性を確保するため、昭和59年からOECD−GLP基準に準拠した農薬GLP(Good Laboratory Practice:優良試験所規範)制度を導入し、農薬の登録申請の際に提出される毒性に関する試験成績については、GLP基準に準拠した試験所において作成されたものに限って受け入れることとしている。また、物理化学的性状に関する試験、生体内等運命に関する試験及び水産動植物への影響に関する試験もGLP制度の対象としている。

【登録手続のフローチャート】

登録手続のフローチャート

vi. 検査機関
独立行政法人農薬検査所:東京都小平市鈴木町2-772 Tel 042-383-2151
http://www.acis.go.jp/(日本語・英語)

(5) 参考情報
問い合わせ先:
農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室
Tel 03-3501-3965 http://www.maff.go.jp