(1) 法律・制度の目的
著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与する。
(2) 法律・制度の概要
思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものを著作物(第2条第1項第1号)とし、著作物を創作する者を著作者(第2条第1項第2号)としている。 著作者の権利として、著作者人格権と著作権を認めている(第17条第1項)。また実演家、レコード製作者、放送・有線放送事業者には著作隣接権を認めている(第89条)。
著作権の保護期間は、著作物の創作の時に始まり、著作者の死後50年を経過するまでの間(第51条)を原則とし、無名・変名、団体名義の著作物は公表後50年を経過するまでの間(第52条〜53条)とされている。また、映画の著作物の保護期間は公表後70年(第54条)とされている。
権利侵害に対して、民事上の救済(第112条、第114条〜118条等)、刑事上の罰則(第119条〜第124条)を定めると共に、侵害とみなす行為を定めて、権利の内容を実質的に拡充し、権利保護を図っている(第113条)。
(3) 政省令
著作権法施行令
著作権法施行規則
(4) 規制等の概要
1)対象
著作者人格権、著作権、著作隣接権 等
2)規格・基準、検査等の概要
なし(著作権は、著作物が創作された時点で発生し、権利の取得に一切の手続きを要しない(無方式主義)。
(5) 最近の法令等改正の要点
平成16年改正1)(平成17年1月1日施行)
1)音楽レコードの還流防止措置
以下の要件を全て満たした場合は、音楽レコードの還流防止措置を講ずることが可能。
i. 国内で先または同時に発行されている音楽レコードと同一の音楽レコードであって、国内における頒布を禁止しているものであること
ii. iの事実を知りながら輸入する行為等であること。
iii. 国内において頒布する目的での輸入等であること。
iv. 還流により、権利者の得ることが見込まれる利益(ライセンス料収入)が不当に害されること。
v. 国内で最初に発行されてから4年を経過していないこと。
2)書籍または雑誌に係る貸与権の付与
書籍または雑誌の貸与についての経過措置を廃止し、書籍または雑誌の貸与による公衆への提供について貸与権が及ぶこととした。
3)著作権等を侵害した者に対する罰則の強化
懲役刑と罰金刑の上限を特許権・商標権侵害と同程度に引き上げた。
懲役刑:3年以下→5年以下
罰金刑:(自然人)300万円以下→500万円以下
(法 人)1億円以下→1億5千万円以下 等
平成16年改正2)(平成17年4月1日施行)
裁判所法等との一括改正に伴う著作権法の一部改正により、秘密保持命令違反の罰則規定が創設(平成17年の不正競争防止法等との一括改正で罰則を強化)されるとともに、インカメラ審理手続きが整備された。
(6) 参考情報
問い合わせ先:
文化庁長官官房著作権課
Tel 03-5253-4111 http://www.bunka.go.jp