1.外国為替及び外国貿易法

(1) 法律・制度の目的
外国為替、外国貿易その他の対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引に必要最小限の管理又は調整を行うことにより、対外取引の正常な発展を期し、国際収支の均衡及び通貨の安定を図るとともに我が国経済の健全な発展に寄与する。

(2) 法律・制度の概要
本法は、外国への支払い(第3章)、外国との資本取引(第4章)、対内直接投資(第5章)、外国貿易(第6章)等について規定している。

(3) 政省令等
輸入貿易管理令
輸入貿易管理規則
輸入公表
外国為替管理令

(4) 規制等の概要(輸入管理について)
輸入管理については、外国貿易及び国民経済の健全な発展を図るため、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又は閣議決定(第10条1項に基づく)を実施するため、貨物を輸入しようとする者は、輸入の承認を受ける義務を課せられることがあるとしている(第52条)。

1)対象
輸入割当品目は、非自由化品目及びワシントン条約動植物及びその派生物、モントリオール議定書、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約に定める規制物質並びに石綿を用いた製品(輸入貿易管理令第3条1項、輸入公表)

2)規格・基準、検査等の概要
我が国の輸入制度は、概ね以下のように分類される(輸入貿易管理令)。
i . 輸入の承認制度
次のいずれかに該当する貨物を輸入しようとする者は、原則として経済産業大臣の輸入の承認を受けることとされている(令第4条)。
ア. 輸入令第9条第1項の規定による輸入割当てを受けるべき貨物
イ. 輸入公表により貨物の原産地又は船積地域が公表されている当該地域を原産地又は船積地域とする貨物
ウ. 輸入公表により、輸入について必要な事項が公表されている貨物(ただし、輸入公表で一定の貨物の輸入について必要な事項として一定の手続を行うべき旨と併せて、当該手続を行つた場合には当該貨物の輸入については前項の規定による輸入の承認を要しない旨が定められた場合、当該手続を行えば輸入の承認は要しない)。

ii . 輸入割当制度
輸入公表によって輸入割当を受けるべきものとして公表された品目の貨物を輸入しようとする者は、経済産業大臣に申請して、当該貨物の輸入に係る輸入割当てを受けた後でなければ、輸入の承認を受けることができない(第9条1項)。輸入割当は、貨物の数量により行われるが、それが困難である場合又は適当でない場合いんは、貨物の価額により行われる(第9条2項)。

(申請手続)
輸入割当ての方式には、商社割当て方式、需要者割当方式等がある。輸入割当ての方法は、原則として年1回、割当数量が決定され、これに基づいて、その品目又はその品目のグループについて、申請期間、申請場所、申請条件、添付書類等を経済産業省広報、通商弘報に輸入発表という形で公表する。

iii . 輸入手続を要しない輸入自由品
貨物の輸入について輸入令上の承認、報告を要しない貨物。
(輸入令第14条の規定に基づく別表第1及び別表第2に掲げられているもの及び仮に陸揚げされる貨物---個人使用物、無償の援助物資、外国公館の使用物、旅行者・船員・永住者等の携帯品等)

(5)最近の法令等改正の要点
2001年9月の米国同時多発テロ事件の発生を受けて、(1)資産凍結等の対象となるテロリスト等を迅速かつ適切に指定、及び(2)金融機関等による顧客本人確認を義務化するための規定が整備された(平成14年改正)。また、最近の国際情勢に鑑み、日本又は国際社会の平和及び安全の維持のため、閣議決定があった場合には、輸入の承認を受ける義務が課せられること等がある旨新たに規定された(平成16年改正)。

(6)参考情報
問い合わせ先:
経済産業省貿易経済協力局貿易審査課 Tel 03-3501-1659
経済産業省貿易経済協力局農水産室(ワシントン条約の生きている動植物関係)
Tel 03-3501-0532 http://www.meti.go.jp

(参考)輸入貿易管理フロー(PDF形式)