60.出入国管理及び難民認定法

(1) 法律・制度の目的
本邦に入国し、又は本邦から出国するすべての人の出入国の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備する。

(2) 法律・制度の概要
在留資格とは、外国人が我が国に入国・在留して行うことのできる活動等を類型化したものであり、法の別表に掲げられている。在留資格に関する審査のうち主なものは、上陸許可（第6条、7条、9条）、在留資格の変更の許可（第20条）、在留期間の更新の許可（第21条）、在留資格の取得の許可（第22条の２、第22条の3）及び永住許可（第22条）である。

(3) 政省令
出入国管理及び難民認定法第２条第５号ロの地域を定める政令
出入国管理及び難民認定法施行規則
出入国管理及び難民認定法第７条第１項第２号の基準を定める省令（以下、「基準省令」という。）
出入国管理及び難民認定法第２条第５号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律施行令

(4) 規制等の概要
１）対象
本邦に出入国するすべての人及び本邦に在留する外国人

２）規格・基準、検査等の概要
i. 上陸申請
本邦に上陸しようとする外国人は、本邦の空港又は海港（出入国港）に到着すると、まず入国審査官に旅券等を提出して「上陸申請」を行う（第6条）。「上陸申請」があったときは、入国審査官は、申請者の外国人が「上陸のための条件」に適合しているかどうか審査し、適合していると認定したときは、その旅券等に在留資格及び在留期間を決定し、上陸許可の証印をしなければならない（第9条）。

ii. 在留資格の審査
上陸許可を付与するに当たっては、まず第一に在留資格（永住者を除く。）のいずれかに該当するものであること、そして第二に「基準省令」により上陸許可基準が定められている在留資格については、同「基準省令」に適合するものであること。

「在留資格」は我が国が受け入れる外国人の範囲を示したものである一方、「基準省令」は外国人の学歴・実務経験、月額報酬、受入れ機関に着目して具体的に満たすべき基準を定めたものであり、これにより審査の迅速化と透明性を確保することとしている。

（就労資格証明書）
法務大臣は、本邦に在留する外国人から申請があったときは、法務省令で定めるところにより、その者が行うことができる収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を証明する文書（就労資格証明書）を交付することができる（第19条の2）。

iii. 在留資格の変更等
在留資格の変更の許可、在留期間の更新の許可及び在留資格の取得の許可については、すでに我が国に在留する者を対象とするものであって、法上、上陸許可の際の要件である基準省令に適合することまでは要求されていないが、適正かつ公正な手続を確保する観点から基準省令の規定を斟酌し、加えて、当該外国人の本邦における在留状況、周囲の事情の変化等をも総合的に勘案した上で、在留資格の変更、在留期間の更新及び在留資格の取得を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに許可される。なお、これらの許可にあたって、外国人の行う活動が法別表に定める在留資格のいずれかに該当しなければならない。

在留資格の変更、在留期間の更新及び在留資格の取得のための申請は、申請を行う在留外国人が、許可申請書に入管法施行規則に定める立証資料等を添付して、最寄りの地方入国管理局、同支局又は出張所に自ら出向いて行わなければならない。ただし、申請者が16歳未満の場合や、病気などの事由によって申請者自身が出向くことができない場合には、その父母や配偶者等が本人に代わって申請することができる。また、就職先企業等の職員若しくは外国人の円滑な受入を図ることを目的として民法第34条の規定により主務大臣の許可を受けて設立された公益法人の職員で地方入国管理局長が適当と認めるもの又は弁護士若しくは行政書士で所属する弁護士会若しくは行政書士会を経由してその所在地を管轄する地方入国管理局長に届け出たものについては申請を取次ぐことができる。

(5) 最近の法令等改正の要点
法務省入国管理局ホームページ（http://www.immi-moj.go.jp/hourei/index.html）を参照。

(6) 参考情報
１）在留資格「技術」に係る基準省令の一部改正
平成13年12月に在留資格「技術」に係る基準省令（上陸許可基準）を一部改正し､日本のIT関連資格と相互認証された外国の資格・試験のうち、法務大臣が告示で定めた試験に合格し、又は資格を有している外国人については、「技術」の在留資格に関する上陸許可基準である「大卒若しくは大卒相当以上の学歴又は10年以上の実務経験」に関わりなく入国できることとし、以降順次、法務大臣の告示により、シンガポール、韓国、中国、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、台湾の一定の資格を取得した外国人は、「技術」の在留資格のうち、経歴及び学歴の要件が緩和されることとなった。

２）平成12年12月のガイドライン（「投資・経営」）
「投資・経営」の在留資格を取得する場合には、基準省令によって2名以上の常勤職員の従事が必要とされているが、相当規模の投資（500万円以上）が継続的に維持されていれば当該基準に適合しているものとして取り扱うこととしている。

３）平成17年8月のガイドライン（「事業所の確保（所在）」及び「事業の継続性」の認定）
住居として賃借している物件の一部を使用して事業が営まれている場合、貸主の同意、事業目的専有の部屋の確保、公共料金等共用費用支払いの取決めの明確化、看板等社会的標識の表示等を必要としている。また、単年度ではなく直近2期の決算状況により事業の継続性を判断し、決算状況に応じた判断基準が示されている。

問い合わせ先：
法務省入国管理局
Tel 03-3580-4111　http://www.moj.go.jp

外国人在留総合インフォメーションセンター
022-298-9014 　（仙台）
Tel 03-5796-7112 （東京）	03-3209-6177（新宿）
045-651-2851～2 （横浜）	052-223-7336～7 （名古屋）
06-6941-3701～2（大阪）	078-326-5141　（神戸）
082-502-6060　（広島）	092-626-5100 （福岡）

在留資格別外国人受入れ範囲一覧表 (ＰＤＦ形式)