59.外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法

(1) 法律・制度の目的
外国弁護士となる資格を有する者が日本国内において外国法に関する法律事務を取り扱うことができるみちを開き、渉外的法律関係の安定を図ること等を目的とする。

(2) 法律・制度の概要
1)外国の弁護士となる資格を有する者が、その資格に基づき、新たな試験等を課されることなく、外国法事務弁護士という名称で我が国において法律事務を取り扱うことができることとする制度である。

2)外国法事務弁護士となるには、法務大臣による承認を受け、かつ、日本弁護士連合会に備える外国法事務弁護士名簿に登録を受けなければならない(第7条、第24条)。

3)外国法事務弁護士は、原資格国法(外国弁護士となる資格を取得した外国の法)、指定法(法務大臣による指定を受けた特定の外国法)及び有資格者の書面による助言を受けて行う指定法以外の特定外国法に関する一定の法律事務を行うことができる(第3条〜第5条の2)。
なお、国内を仲裁地とする国際仲裁事件の手続については、準拠法のいかんにかかわらず当事者の代理を行うことができる(第5条の3)。

4)外国法事務弁護士は、その事務所を外国法事務弁護士事務所と称さなければならないが、原資格国において所属するローファームの名称を、事務所の名称中にとして使用することができる(第45条第1項、第2項)。

5)外国法事務弁護士は弁護士を雇用することができるほか、弁護士又は弁護士法人等との共同事業(外国法共同事業)が可能である。ただし、弁護士の雇用、又は外国法事務弁護士と弁護士等との共同事業(外国法共同事業)に関する事項については、日本弁護士連合会への届出が義務づけられている。また、共同事業(外国法共同事業)を行うときは、原則として事務所の名称に、共同事業(外国法共同事業)を営む旨及び当該共同事業(外国法共同事業)に係る弁護士等の事務所の名称を付加しなければならない(第49条〜第49条の5)。

(3) 政省令
外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法施行規則
外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法関係手数料令

(4) 規格・基準、検査等の概要
1)規制等の概要
i. 規制等の内容
外国法事務弁護士となるには、優良な法律サービスを提供できる者であることの制度的な保証という観点から、外国の弁護士となる資格を有し、当該資格を取得した後3年以上資格取得国において外国の弁護士として職務を行っていたこと等が必要である(第10条1項)。我が国において弁護士、弁護士法人又は外国法事務弁護士に雇用され、原資格国法に関する知識に基づいて労務を提供した期間については、通算して1年を限度として職務を行っていた期間に算入することができる(第10条2項)。

また、我が国の弁護士となる資格を有する者について本制度と同等な取扱いが行われている国を資格取得国とするものでなければ承認することはできないが(相互主義)、WTO協定加盟国のように我が国が相互主義を適用しないことを条約その他の国際約束において約束した国を資格取得国とする申請については、我が国の弁護士となる資格を有する者に対し、本制度と同等な取扱いがなされていることを要件とはしない(第10条3項)。WTO協定において我が国は最恵国待遇の原則を遵守することを約束しているので、同協定加盟国を資格取得国とする申請については相互主義を適用しない。

なお、諸外国における外国弁護士受入制度は、国(連邦国家の場合は州)によって異なり、現在のところ国際基準といったものはない。

ii. 申請手続
承認・指定を受けようとする者は、法務省(法務省大臣官房司法法制部審査監督課)に申請書を提出し、法務大臣の指名する職員の面前で誠実に職務を遂行することなどを誓約する必要がある(施行規則第6条)。

iii. 認証制度
法務大臣による承認は、外国弁護士の資格を有し、かつ、3年以上の資格取得国での外国弁護士の経験を有する等の基準を満たす必要がある。

iv. 届出等外国法事務弁護士となる資格の承認を受けた者の氏名の変更等の届出
なお、外国法事務弁護士となる資格の承認を受けた者の氏名の変更等の届出といった一部の届出手続については、法務省のオンライン申請システムを利用可能である。詳細は、ホームページ(http://shinsei.moj.go.jp/list/list_top.html)を参照のこと。

(5) 最近の法改正の要点
平成17年4月1日から改正外弁法が施行されている。主な改正点は下記のとおり。
1)外国法事務弁護士による弁護士の雇用禁止規定の削除等(第49条関係)
2)権限外法律事務の取扱いについての雇用関係に基づく業務上の命令の禁止(第49条関係)
3)共同事業禁止規定の削除及び、特定共同事業の廃止(旧法第49条の2関係)
4)外国法共同事業における不当関与の禁止(第49条の2関係)
5)弁護士の雇用及び外国法共同事業に係る届出(第49条の3関係)
6)外国法共同事業の表示(第49条の4関係)
7)一定の要件を満たす外国法共同事業を営む事務所の名称についての特例
(第49条の5関係)

(6) 参考情報
問い合わせ先:
法務省大臣官房司法法制部審査監督課
Tel 03-3580-4111(代) http://www.moj.go.jp