14.主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律

(1) 法律・制度の目的
我が国において主食としての役割を果たし、かつ、重要な農産物としての地位を占める米穀及び麦について、米穀の生産者から消費者までの適正かつ円滑な流通を確保するための措置、及び政府による主要食糧の買入れ、輸入及び売渡しの措置を総合的に講ずることで主要食糧の需給及び価格の安定を図り、もって国民生活と国民経済の安定に資する。

(2) 法律・制度の概要
1)主要食糧の需給及び価格の安定を図るための基本方針
政府は、米穀の需給の適確な見通しを含む基本指針を策定し、これに基づき、生産調整の円滑な推進や中期的観点に立った備蓄の運営等により、全体需給の調整を図る。

2)生産調整の円滑な推進
生産調整の円滑な推進に関する施策を講ずるに当たっては、生産者の自主的な努力を支援し、水田における稲以外の作物の生産の振興に関する施策を含む関連施策との有機的な連携を図りつつ、地域の特性に応じて行うよう努めることを規定している(第2条2項)。

3)適正かつ円滑な流通の確保に関する措置
生産出荷団体等が、米穀の生産数量の目標等を含む生産調整方針を作成し、農林水産大臣が認定する(第5条1)。作成、運用のために国又は地方公共団体はは必要な助言、指導、協力を行う(第6、7条)。また、生産調整に参加する生産者の過剰余剰米処理については、無利子資金の貸し付けを行う(第9条1)。無利子資金の貸し付け等に関する指定法人制度も設けられている(第8〜17条)。

4)米殻の価格形成
米穀価格形成センター(旧、自主流通米価格形成センター)が指定され、米穀の取引の指標とすべき価格の形成に必要な売買取引を行う価格形成施設が開設されると共に、その関連業務を行う(第19条)。

5)麦
政府は、政令で定めるところにより、麦の生産者等の申込み応じて、無制限に買い入れなければならない。政府買入価格は、政令で定めるところにより、農林水産大臣が、生産費、需給動向等を参酌し、生産性向上・品質改善に資するよう配慮して、再生産の確保を旨として定められる(第41条)。
また、政府売渡価格は家計費・米価等を参酌し、消費者の家計の安定を旨として定められる(第43条)。

6)国境措置
政府以外の者は、米麦等の輸入を行う場合には、国際約束に従って農林水産大臣が定めて告示する額に、その輸入数量を乗じて得た額を政府に納付しなければならない(第34条)。

(3) 政省令
主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律施行規則
主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律施行令

(4) 最近の法令等改正の要点
平成16年4月以降、既存の制度を抜本的に改正した改正食糧法が施行されている。主な改正点は以下の通りである。

従来、国は「基本計画」を策定していたが、「基本指針」を策定することとされたほか、生産調整の法定を廃し、生産出荷団体等が生産調整方針を策定し国が認定することとされた。流通制度の改正も行われた。

(5) 参考情報
問い合わせ先:
農林水産省総合食料局
Tel 03-3502-8111(代) http://www.syokuryo.maff.go.jp