67.電気事業法

(1) 法律・制度の目的
電気事業の運営を適正化かつ合理的にならしめることによって、電気使用者の利益を保護し、及び電気事業の健全な発達を図るとともに、電気工作物の工事、維持及び運用を規制することによって、公共の安全を確保し、及び環境の保全を図る。

(2) 法律・制度の概要
本法は、電気事業の許可(第3条)、供給義務(第18条)、電気工作物の技術基準への適合(第39条〜第41条)、保安規程(第42条)、事業用電気工作物の環境影響評価の規定(第46条の2から第46の22)、事業用電気工作物の工事計画及び検査(第47条〜第55条)等について定めている。

(3) 政省令
電気事業法施行令
電気事業法施行規則

(4) 規制等の概要
1)事業規制
電気事業(一般電気事業、卸電気事業、特定電気事業)の事業開始・変更・停止等に関しては、許可ないし届出が義務付けられている(第3条、第7条、第8条、第10条等)

2)保安規制
一定規模以上の事業用電気工作物については、工事計画の届出を行うとともに使用の開始前に自主検査を行い、経済産業大臣の登録する者による使用前・溶接・定期安全管理審査等を受審しなければならない(第47条〜第55条)。
なお、経済産業省では、同法に関する申請・届出を、電子申請受付システム(ITEM2000)によってインターネットを利用して受け付けている。(http://www.meti.go.jp/application/ONESTOP/3390170/index.html

(5) 最近の法令等改正の要点
1)事業規制
平成15年6月の改正では、送配電部門の透明性向上、広域流通の円滑化、自由化範囲の拡大などが図られた(平成16年及び17年施行)。
i. 送配電部門の公平性・透明性の向上
送配電部門を利用する事業者の公正な競争を確保する観点から、送配電部門の運用監視等を行う中立機関の設立、電力会社が持つ送配電部門と他部門との会計分離等を規定。

ii. 広域流通の円滑化
全国の発電所の供給力が有効活用される環境を整備するため、パンケーキ問題(発電所から需要家まで電力供給をする際に、各電力会社(一般電気事業者)の供給区域をまたいで送電するごとに課金される仕組み)の解消。

iii. 分散型電源の促進
自由化対象の需要家へ電力供給を行う際に、自前の送電線による供給も可能。

iv. 卸電力取引所の創設
全国規模の私設・任意の卸電力を取引するための市場を創設。

v. 自由化範囲の拡大
平成16年4月に500kW以上、平成17年4月に50kW以上の需要家を対象に小売自由化範囲を拡大。

2)保安規制
平成15年6月の改正では、「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」に基づき、国から公益法人等が指定・認定等を受けて行っている検査・検定等の事務及び事業について、官民の役割分担及び規制改革の観点から見直しが行われた。具体的には、経済産業大臣が安全管理審査及び調査業務に関する事務及び事業を行わせる者を指定し、又は認定する制度から、経済産業大臣の登録を受けた者がこれを行う制度へ移行した。(平成16年3月施行)。

(6) 参考情報
お問い合わせ先
(事業規制)資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力市場整備課
Tel 03-3501-1748   http://www.enecho.meti.go.jp

(保安規制)原子力安全・保安院電力安全課
Tel 03-3501-1742   http://www.nisa.meti.go.jp