70.労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律

(1) 法律・制度の目的
この法律は、職業安定法と相まって労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の就業に関する条件の整備等を図り、もって派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資することを目的とする。

(2) 法律・制度の概要
本法は、一般労働者派遣事業の許可(第5条)、労働者派遣契約(第26条から第29条)、派遣元事業主の講ずべき措置等(第30条から第38条まで)、派遣先の講ずべき措置等(第39条から第43条)、労働基準法、労働安全衛生法等の適用に関する特例(第44条から第47条の2)等について定めている。

(3) 政省令
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行規則

(4) 規制等の概要
1) 対象
労働者派遣事業

2)規格・基準、検査等の概要
i. 規制等の内容
港湾運送業務、建設業務、警備業務及び政令で適当でないと定める業務については、労働者派遣事業を行ってはならない(第4条)。
一般労働者派遣事業を行おうとするものは厚生労働大臣の許可を受けなければならない(第5条)。
特定労働者派遣事業を行おうとするものは、所定の届出書を厚生労働大臣に提出しなければならない(第16条)。

ii. 許可基準
ア. 当該事業が専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われるもの(雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合として、厚生労働省令で定める場合において行われるものを除く)でないこと。
イ. 申請者が当該事業の派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有すること。
ウ. 個人情報を適正に管理し、及び派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること。
エ. 上記イ、ウのほか、申請者が当該事業を的確に遂行するに足りる能力を有すること(第7条)。
厚生労働大臣は、労働者派遣事業の許可をしたときは、命令で定めるところにより、「許可証」を交付しなければならない(第8条)。許可の有効期限は新規3年、更新5年とする(第10条)。

(5) 最近の法令等改正の要点
平成11年12月に施行された改正では、労働者派遣事業の適用対象業務について、適用除外業務を除き、原則自由(ネガティブリスト化)としたほか、派遣労働者の保護措置を拡充している。平成16年3月に施行された改正労働者派遣法では、1)従来、派遣受入期間が1年に制限されてきた業務について、労働者の過半数代表の意見聴取等をした上で最長3年まで派遣を受けることが可能になる等、派遣受入期間が延長され、2)新規に製造業への派遣や医療関連業務への紹介予定派遣が可能となり、3)一般労働者派遣事業の許可・特定労働者派遣事業の届出について、事業所単位(支店単位)から事業主単位(会社単位)に改められた。

(6) 参考情報
問い合わせ先:
厚生労働省職業安定局需給調整事業課
Tel 03-5253-1111(内線5745) http://www.mhlw.go.jp