41.住宅の品質確保の促進等に関する法律

(1) 法律・制度の目的
住宅の性能に関する表示基準及びこれに基づく評価の制度を設け、住宅に関する紛争の処理体制を整備するとともに、新築住宅の請負契約又は売買契約における瑕疵担保責任を定めることにより、住宅の品質確保の促進、住宅購入者等の利益の保護及び住宅に係る紛争の迅速かつ適正な解決を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与する。

(2) 法律・制度の目的
住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称、品確法)では、住宅性能表示基準制度、住宅専門の紛争処理制度、瑕疵担保責任の特例制度という3つの主要な制度が整備されている。

住宅性能表示基準制度の下では、国土交通大臣が住宅の性能に関する表示の適正化を図るため、日本住宅性能表示基準と、これに従って表示すべき住宅の性能評価方法規準を定め(第3条)、それに基づいて同大臣が指定する「指定住宅性能評価機関」が申請のあった場合に、住宅性能評価を行い、国土交通省令で定める事項を記載し「住宅性能評価書」を交付する(第5条)。新築住宅にも中古住宅にも適用可能である。住宅性能表示基準制度は、任意の制度であるが、この制度を利用すると国土交通大臣の指定を受けた「指定住宅紛争処理機関」によるあっせん、調停及び仲裁を利用することが可能である(第62条、63条)。

瑕疵担保責任の特例制度は、民法の定める瑕疵担保責任の特例として、住宅新築請負契約又は新築住宅の売買契約において、住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるものについて不具合等が生じた時に修補や賠償をする責任を定めるものである(第87条、88条)。

(3) 政省令
住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令
住宅の品質確保の促進等に関する法律施行規則

(4) 規制等の概要
1)対象品目
新築住宅及び既存住宅(瑕疵担保責任の特例の対象は新築住宅のみ)

2)規格・基準、検査等の概要
i. 規格・基準
ア.住宅性能表示制度
住宅性能表示制度は任意の制度であり、利用するか否かは、住宅供給者・取得者や既存住宅の取引者等の選択による。

a) 日本住宅性能表示基準
住宅の性能(構造の安定、火災時の安全、劣化の軽減、維持管理への配慮、温熱環境、空気環境、光・視環境、音環境、高齢者等への配慮等)に関して表示すべき事項及び表示の方法が定められている。

b)評価方法基準
日本住宅性能表示基準に定める住宅の性能に関する設計図書の評価方法や検査の方法が定められている。

イ.瑕疵担保責任の特例
対象部分と請求内容、瑕疵担保期間が定められている。

a)対象部分
(構造耐力上主要な部分)
住宅の基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床版、屋根版、横架材のうち、当該住宅の自重若しくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支える部分(建築基準法施行令第1条第1項第3号と同様の内容)
(雨水の浸入を防止する部分)
・住宅の屋根又は外壁
・住宅の屋根又は外壁の開口部に設ける戸、わくその他の建具
・雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根若しくは外壁の内部又は屋内にある部分

b)請求できる内容
・修補請求(民法上売買契約には明文なし)
・損害賠償請求
・解除(解除は売買契約のみで、修補不能な場合に限る。)

c)瑕疵担保期間
完成引渡しから10年間義務化

ii. 認証制度(住宅性能表示制度)
ア.住宅性能評価機関による住宅性能評価
住宅性能評価機関(平成17年11月22日現在108機関)は、申請者の求めに応じ、住宅性能評価(設計された住宅又は建設された住宅について、日本住宅性能表示基準等に従って評価することをいう。)を行い、住宅性能評価書(標章を付した評価書)を交付することができる。

イ.住宅型式性能認定等
住宅性能評価を効率的に実施するため、次のような措置を講じられている。
a)新築住宅を対象とする住宅性能評価について、標準設計書等に関する住宅性能評価の簡略化(住宅型式性能認定)及び工業化住宅等に関する住宅性能評価の簡略化(型式住宅部分等製造者認証)
b)新技術開発等に対応した特別な評価方法の適用(特別評価方法認定)

(5) 最近の法令等改正の要点
平成17年9月の施行規則の改正により、住宅性能評価機関等については、指定制から登録制に改められた(平成18年3月1日施行)。また、「日本住宅性能表示基準」及び「評価方法基準」の改正により、住宅性能表示制度における10番目の性能分野として、「防犯に関すること」(開口部の進入防止対策)が追加された(平成18年4月1日以降適用)。

(6) 参考情報
問い合わせ先:
・国土交通省住宅局住宅生産課
 Tel 03-5253-8111(代)
  http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/hinkaku/hinkaku.htm
・住宅性能評価機関等連絡協議会事務局((財)ベターリビング内)
 Tel 03-5211-0564 Fax03-5211-0593 http://www.hyouka.gr.jp/contact.html
・(財)ベターリビング:〒102-0084 東京都千代田区二番町4番5号
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