個別苦情個票

ＯＴＯ番号	603	各省庁番号	建-22
受付日付	平成11年12月1日	受付省庁	内閣府（経済企画庁）
担当省庁	国土交通省（建設省）	関係法令
苦情申立者	国内業者	輸入先	英国
事例名	日本下水道事業団の標準仕様書の性能基準化
処理内容	1．苦情の概要 (1)日本下水道事業団（以下「事業団」という。）が発注する工事において使用する機械設備については、事業団発行の機械設備標準仕様書（以下「仕様書」という。）で規格が定められている。仕様書の一軸ねじ式汚泥ポンプの構造規定の中に「駆動部よりロータへ回転運動を円滑に伝達できるよう完全密封のユニバーサルジョイント2個を介したコネクチングロッドを設けること。」とある。 (2)一方、欧米では、一軸ねじ式汚泥ポンプは、駆動部とロータを1本のフレキシブルにたわむシャフトで連結し、「駆動部よりロータへ回転運動を円滑に伝達する」構造を採用した製品が多く使用されている。 (3)また、地方自治体が発注する下水道工事においても事業団の仕様書を使用している場合が多いため、実質的に競争が阻害されており、事業団の仕様書が輸入障壁となっている。 (4)規格は、構造基準ではなく性能基準に基づくべきであり、仕様書を「駆動部よりロータへ回転運動を円滑に伝達できる構造とすること。」と変更すべきである。 2．担当省庁から以下のとおり回答。 (1)事業団の機械設備標準仕様書は、機械設備を調達するに当たって、当該設備に求める性能を確保するために必要最小限と考えられる材質、形状、構造等の製作条件を具体的に定めたものである。 (2)一軸ねじ式汚泥ポンプを汚泥供給ポンプとして使用する場合、フレキシブルシャフト方式はユニバーサルジョイントを用いる方式に比べ、一般に偏心軸の径が小さく、軸長が長いため、下水汚泥に含まれるスクリーンかす（し渣）や毛髪等がこの軸に巻き付き閉塞を起こしやすいという懸念があることから、事業団では、一軸ねじ式汚泥ポンプはユニバーサルジョイントを用いる方式を標準とすることとしている。 (3)また、事業団の機械設備標準仕様書は、これらの施設の品質を確保するため、事業団内部基準として、機械設備に係る標準的な仕様を定めているものであり、地方公共団体が発注する工事については、あくまで地方公共団体の判断である。 (4)なお、標準仕様書については常に最新の技術動向に即応したものとなるよう適宜改訂することとしており、今回申立てのあったフレキシブルジョイントを用いる方式についても、上記のような問題が発生しないというデータが提出されれば、事業団においてその採用の可否も含め検討する。 3．以上の回答を受けて、苦情申立者と事業団の間で協議を進めた結果、フレキシブルシャフトに巻付き防止カバーを取り付ける構造を持つ一軸ねじ式汚泥ポンプについては、スクリーンかすや毛髪等の巻付きによる閉塞のおそれが少ないと判断されたため、平成12年7月に仕様書を改定し、この形式の一軸ねじ式汚泥ポンプを仕様書に追記した。
処理分類	A	検討の方向	①－ア ①－イ
備考

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