個別苦情個票

ＯＴＯ番号	624	各省庁番号	厚-259
受付日付	平成12年11月1日	受付省庁	内閣府（経済企画庁）
担当省庁	厚生労働省（厚生省）	関係法令	食品衛生法
苦情申立者	神戸商工会議所（代理申立）	輸入先
事例名	香辛料の殺菌方法の見直し
処理内容	1．苦情の概要「食品、添加物等の規格基準」(厚生労働省告示)における「食品一般の製造、加工及び調理基準」によると、食品を製造、加工する場合は、原則として食品に放射線を照射してはならず、例外的に、発芽防止の目的で、ばれいしょに放射線を照射する場合等は、方法を限定してこれが認められている。しかし、放射線は、殺菌や殺虫、発芽を遅らせる能力を有しており、しかも、放射線による食品照射は温度上昇が極めて小さく、照射目的によっては生鮮食品や香辛料等を栄養成分や味、香り等の劣化がほとんどない状態で殺菌、殺虫処理することができる。このため、世界各国においては、香辛料や乾燥野菜、鶏肉、牛肉等の殺菌、熱帯果実の殺虫、ニンニク等の発芽防止等に広く実用化されている。その安全性についても、FAO(国連食糧農業機関)、IAEA(国際原子力機関)、WHO(世界保健機構)の合同専門家委員会において照射食品の健全性が確認されている。また、FAO・WHO合同食品規格委員会(コーデックス)も照射食品の規格基準を制定して、加盟国に受入れを勧告している。日本で流通している香辛料の99パーセントは輸入されたものであり、生産国で栽培、収穫、天日乾燥される過程で菌や害虫の汚染は避けられず、しかも、収穫前から香辛料と共生状態にある菌の数も著しい。現状では、高圧蒸気処理により殺菌を行っているが、この方法によると香辛料の香味が低減するばかりでなく色調変化が著しく、香辛料の商品価値が低下するため、香辛料に対する放射線殺菌を認めて欲しい。 2．担当省から以下のとおり回答。食品の放射線照射については、食品衛生法に基づく食品の規格基準において、原則として禁止しているところであり、消費者の意向等も踏まえた慎重な検討が必要と考えている。
処理分類	D	検討の方向	③ ①－ア
備考	平成12年11月14日付文書にて回答。平成13年2月16日第15回OTO推進会議苦情処理部会において、委員から「WTOのSPS協定によると、国際基準がある場合には、第一にその国際基準に従うとされ、これを採用しない場合その国は、採用しないことが妥当であることを立証しなければならない。所管省庁の回答は科学的ではない。この回答では、諸外国でも納得されない。現時点でこういう問題点があるということを科学的根拠も含めて明らかにすべき。」との意見が述べられ、意見に対する回答は担当省から提出することとされた。回答は以下のとおり。 (委員意見に対する担当省の回答(抜粋））食品への放射線照射については、食品衛生法に基づく規格基準において、原則として禁止しているところである。今回のOTOでの苦情の他にも、(中略）要望書が提出されており、現在、科学的根拠に基づく照射食品の安全性の文献、検知法に関する文献等を収集しているところである。　このような要望の内容について科学的に問題点等を確認しながら、食品への放射線照射に関する今後の議論の仕方について慎重に検討する予定。

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