個別苦情個票

ＯＴＯ番号	627	各省庁番号	建-23
受付日付	平成12年11月8日	受付省庁	内閣府（経済企画庁）
担当省庁	国土交通省（建設省）	関係法令	建設業法
苦情申立者	駐日大韓民国大使館（代理申立）	輸入先
事例名	監理技術者に関する常駐義務、資格要件の緩和
処理内容	1．苦情の概要建設業法により、建設工事を施工するときには、当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる者として監理技術者を置かなければならず、監理技術者となるためには、一定の国家資格や実務経験、あるいは建設大臣の認定が必要とされている。また、監理技術者は、工事現場ごとに専任の者でなければならない(常駐義務)。我が国で建設業を営む韓国企業に対しては、韓国の「技術士」資格を持つ者についてのみ、建設大臣の認定を受け、かつ、監理技術者講習を受講した上で監理技術者資格者証の交付が受けられる。しかし、日本国内において建設業を営む韓国企業において「技術士」資格を有する者は、次長、部長級以上の会社役員であるのが殆どであり、工事現場での常駐が困難なケースが多く、これにより、新たに有資格者を雇用する等の負担を強いられ、対日投資の障害となっている。したがって、建設省が次の緩和措置を講ずることを要望する。 (1)建設工事を行う会社は一切の責任を持ち工事の施工管理に努めているので、監理技術者の常駐義務を緩和すること。 (2)(1)が困難であれば、韓国における「技術士」資格の1ランク下の「技士」資格を有する者についても、資格取得後3年以上の実務経験を有することを条件に、建設大臣の認定を受け、かつ、監理技術者講習を受講した上で監理技術者資格者証の交付が受けられるようにすること。 2．担当省庁から以下のとおり回答。 (1)監理技術者は、現場における技術面の最高責任者であり、その職務は、設計図書の検証に始まり、施工図のチェック、関連工事の調整、現場における品質・安全等の管理等多岐にわたっている。さらに、監理技術者証の必要な者の設置が必要な工事は、完成後も公共性が高く、その品質にも非常に高いものが求められるが、このような高い品質は、厳格な施工管理によってはじめて確保できるものである。したがって、工事現場の施工管理を実施していくための監理技術者には、一定基準以上の資格を有した者でなければならない。また、技術者を置かず一括下請けを行うペーパーカンパニー等の不良不適格業者排除の観点からも、技術者の配置は必要であり、監理技術者の現場での専任の義務付けを緩和することはできない。 (2)海外の技術資格を有している者が、その技術資格をもって監理技術者になろうとする場合は、1級施工管理技士等と同等以上の能力を有するものとの建設大臣認定が必要となる。韓国の技術資格「技士」の受験資格は、日本の1級施工管理技士の受験資格と同等以上とは言えない。また、韓国の「技士」が資格取得後、3年以上の実務を経験したとしても、その実務経験が適切かつ十分なものかに関しての検定等の客観的評価がないのは明らかであり、当該要望には応じられない。
処理分類	D	検討の方向	④
備考

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