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OTO諮問会議報告書(平成5年4月12日) [本部決定] [フォローアップ]

1-(4) 給水器具の型式承認における海外主要規格適合品の受け入れ及び検査制度の拡充

○ 問題提起者:駐日米国大使館

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題提起の内容

水道事業体(公営企業等)の集まりである日本水道協会は、その性格上、一般ユーザーからの信頼もあり、給水器具について同協会の型式承認を受けた商品が求められる傾向があるため、給水器具の製造・販売をしようとする場合は同協会の型式承認を受けることが一般的である。型式承認の基準は、使用に際し、有害物質の溶出がないか、主たる材料の材質についてJISまたはJISと同等の品質を有しているかなどであり、承認を受けるためには、国内の認定された検査工場での立会い検査が必要である。

このため、外国の主要規格に基づいて製造された製品であっても、当該国の規格がJIS規格に適合していない場合には承認を得るための特別な部品の開発や組み付けが必要となり、また、国内に検査工場を所有していない外国製造業者は、数千万円の投資を行って自前の施設を保有するか、機密保持等に問題のある国内他社への検査委託を行わざるを得ない。

このような実態を踏まえ、(1) JIS規格に適合していなくても、安全性の観点から問題がなければ、外国規格に基づく製品について型式承認を行うこと、(2) 海外工場を検査工場の範囲に加えるべきとの問題提起があった。

○ 検討結果

型式承認の基準については、給水器具の安全性の確保が型式承認制度を設けている基本的趣旨であることを踏まえれば、型式承認の判断は、製品の安全性に着目すべきであり、海外規格に規定されている材質の細部がJIS規格に適合していないことをもってのみ排除することは不適当である。

このため、日本水道協会においては主要な外国規格に基づく製品については、当該規格の安全性を検討し、安全性が確認された場合にはこれに基づく製品を型式承認しうるよう承認基準の見直しを行うべきである。

検査工場の問題については、既に他法令で海外工場において公的検査を行う制度が導入されている事例もあり、同協会においてもこれに準じた制度を導入することが必要と考える。

なお、日本水道協会では、現在、問題提起された規格に基づく製品の安全性の検討に着手しており、海外工場における検査についても、これを実施する方向で検討作業が進められているところである。


OTO対策本部決定(平成5年5月27日) [報告書] [フォローアップ]

日本水道協会において、主要な外国規格の安全性を検討し、型式承認基準の見直しを行うとともに、海外工場において検査を行う制度を導入する。


フォローアップ(平成6年4月25日) [報告書] [本部決定]

1-(4) 給水器具の型式承認における海外主要規格適合品の受け入れ及び検査制度の拡充

(1) (社)日本水道協会は、問題提起者側に問題提起の背景となった具体的事例(プラスチック製ネジ)について、強度面で問題がないことを証明する資料の提出を求めており、現在その資料の提出を待っているところである。同協会においては、今後、安全性が確認された外国規格については、承認規準の見直しを検討することとしている。

(2) (社)日本水道協会においては、海外工場における検査を実施する方向で検討しているが、結論には至っていない。