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OTO諮問会議報告書(平成5年4月12日) [本部決定] [フォローアップ]

2-(3) 特恵関税に係る繊維製品の2工程ルールの改善

○ 問題提起者:経済団体連合会

○ 所管省庁:通商産業省、大蔵省

○ 問題提起の内容

特恵関税の対象となる物品は、制度の目的から、特恵受益国において実質的な製造・加工が行われたものに限定する必要があり、これに合致した物品であるか否かを判断する基準として原産地認定基準が定められている。

繊維製品の場合、製造工程を 1)原料繊維の採取又は製造、 2)糸の製造、 3)織物の製造及び 4)縫製品の製造の4工程に区分し、2工程以上の加工を経ているものを原産地認定の対象としている(2工程ルール)。

申立者からは、衣料品(関税率表第62類)について、現行の2工程ルールの下では、例えば、タイ等ASEAN諸国において、衣料品の製造段階で部分的にNIES諸国の製品に頼らざるを得ないような場合には、特恵関税の適用が受けられないため、現行の原産地認定基準を改め特恵制度を使いやすくすべきとの問題提起がなされた。

○ 検討結果

繊維製品に関する現行の2工程ルールは欧州諸国でも採用しており、国際的にも特異なものではない。

しかしながら、衣料品(関税率表第62類)について、発展途上国内で生産の国際分業が進みつつある中で、現行の2工程ルールもこうした環境変化に対応したものとしていく必要があり、一国のみでなく、国際分業により製造されるものについても特恵関税を適用することが望ましいと考える。

関係省庁においては、衣料品(関税率表第62類)に関する現行の原産地認定基準について、制度全体との横並び、国内産業の状況等を考慮しつつ、その見直しを検討することとしている。


OTO対策本部決定(平成5年5月27日) [報告書] [フォローアップ]

織物製の衣類について、発展途上国内における国際分業の進展等を踏まえ、特恵関税制度、国内産業の状況等を考慮しつつ、特恵原産地認定基準の見直しを検討する。


フォローアップ(平成6年4月25日) [報告書] [本部決定]

2-(3) 特恵関税に係わる繊維製品の2工程ルールの改善

大蔵省は、織物製衣類(関税率表第62類)に関する特恵関税制度の原産地認定基準について、必要な加工の条件をこれまでの「糸からの製造(糸→織物→衣類)」(2工程ルール)から「織物からの製造(織物→衣類)」に緩和した(平成5年11月)。