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OTO諮問会議報告書(平成5年4月12日) |
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○ 問題提起者:日本商工会議所
○ 所管省庁:建設省、通商産業省
○ 問題提起の内容
建設省官庁営繕部は電気設備工事を発注する際に必要な仕様について、機器、施工方法、工事における安全確保等に関する共通の事項をとりまとめた「電気設備工事共通仕様書」を作成している。本仕様書の中のアルカリ蓄電池に関しては、JIS規格に適合するもの(一部については同等品以上)と規定されているが、同等以上を判断する明確な基準・方法は示されていない。
申立者からは、国際規格であるIEC規格に準拠している海外メーカーのアルカリ蓄電池は、これが同仕様書に則したものであるか否かが不明確なため、実質的に官公庁工事へ参入することが困難になっているとして、(1) JIS規格と同等以上の判断基準を明らかにするとともに、(2) アルカリ蓄電池に関するJIS規格とIEC規格の早期整合化を図るべきであるとの問題提起がなされた。
両規格の違いについては、例えば、JIS規格では容量を指定すれば寸法が一義的に決まるが、IEC規格では容量と寸法が一義的に対応していないという点が挙げられる。
○ 検討結果
(1) 「電気設備工事共通仕様書」は、あくまで仕様の雛形となる共通的事項を定めたものであり、これ自身が海外メーカーのアルカリ蓄電池の使用を排除しているものではないが、工事発注担当者にとって、これが目安となって発注仕様が決定され、結果的に海外製品の輸入の障害になっていることも十分想定される。
このため、上記仕様書について、如何なる仕様が「JIS又はこれと同等以上」のものであるかを明確化することにより海外製品の使用機会の拡充を図るべきである。
なお、共通仕様書については、93年4月に改定され、そのなかで建築基準法及び消防法に基づく蓄電池については、法の規定のとおり、蓄電池設備認定委員会((財)日本蓄電池工業会)の認定を受けた製品であれば、JIS規格又はIEC規格準拠のどちらの蓄電池であっても共通仕様書の内容に適合することとなり、本件の実質的問題は解決した。
(2) JIS規格とIEC規格との整合がとれていないのは、両規格の制定、改正時期が相前後したこと、また、IEC規格自身が各国規格の混合となっており、国際規格として統一化できていないためであるが、今後更に両規格の整合化が図られるよう、所管省庁はJIS規格の見直し、国際規格の統一化等に引き続き積極的に取り組むことが必要と考える。
なお、現在、JIS規格の見直し時期の来る1994年1月を目途に電極板の形状や試験方法について、IEC規格とのより一層の整合性を図る方向で、申立者の参加を得て直ちにJIS規格の改正作業を開始することとなっている。
OTO対策本部決定(平成5年5月27日) |
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「電気設備共通仕様書」におけるアルカリ蓄電池の仕様の明確化を図るとともに、JIS規格とIEC規格の整合化が図られるよう、JIS規格の見直し、国際規格の統一化に取り組む。
フォローアップ(平成6年4月25日) |
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(1) 建設省において「電気設備工事共通仕様書」を改訂し、アルカリ蓄電池の仕様につき、建築基準法及び消防法用に使用するものについては、財日本蓄電池工業会蓄電池設備認定委員会の認定を受けた製品であれば、共通仕様書に適合することとした(平成5年4月)。
(2) 通商産業省においては、JIS規格とIEC規格を実質的に整合させるため、a)極板の構造、b)定格容量と外形寸法の表、c)性能・試験方法について改正を行うととしている(平成6年1月予定)。