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OTO諮問会議報告書(平成5年4月12日) [本部決定] [フォローアップ]

3-(2) SEA-NACCS利用による納税者向けサービスの拡充

○ 問題提起者:経済団体連合会

○ 所管省庁:大蔵省

○ 問題提起の内容

SEA-NACCS(海上貨物通関情報処理システム)は、海上貨物の通関手続をコンピュータで迅速かつ的確に処理するために開発されたシステムで、利用者である税関、通関業者、銀行の事務所に設置されている端末機からデータを入出力することにより通関手続を行うことを可能とするものである。当該システムの運営は、大蔵大臣の認可法人である通関情報処理センター(NACCSセンター)が行っており、システムの運営コスト(電子計算機使用料、端末使用料、センター運営費)は全利用者からの利用料金によって賄われている。

大手の輸入業者等では関税・消費税を一月分まとめて納める包括延納手続きを利用しているが、その際、通常は通関業者からの情報を基に納税額の算定を行っている。しかしながら、通関業者側のミス等によりその情報が確実でない場合があり、輸入業者は、税金の滞納等の事態を避けるため、従来、税関との間で納付明細書のやりとりを行い事前に納税額の確認を行っていた。しかし、NACCSシステムの導入に伴い税関との書類のやりとりがなくなり、また輸入業者はNACCSシステムの利用者でないため、納税額を事前に確認する上で支障を生じている。

申立者からは、こうした問題を解決するため、税関若しくはNACCSセンターにおいて納税者向けの情報提供サービスを行うよう要望が出され、その際、必要な場合には費用負担やシステムの問題も含め専門家による官民合同の研究会等を設置して検討すべきとの問題提起がなされた。

○ 検討結果

本件は、SEA-NACCSシステムを運営しているNACCSセンターのサービス拡充に係る問題提起であり、その対応を検討するに当たっては、まず、問題提起者側で当該サービスの利用希望者の要望を集約・整理し、その具体的内容を明確にすることが必要と考える。

その上で、問題提起者とNACCSセンターとの間でサービス拡充に係る課題を十分協議し、全関係者が納得したかたちでの問題解決を図ることが適当と考える。

なお、問題提起者側もかかる方向で対応することで了解し、現在、関係者の要望集約に向けて準備を進めているところである。


OTO対策本部決定(平成5年5月27日) [報告書] [フォローアップ]

SEA-NACCS利用による納税者向けサービスの拡充について、問題提起者と通関情報処理センターとで十分に協議する。


フォローアップ(平成6年4月25日) [報告書] [本部決定]

3-(2) SEA-NACCS利用による納税者向けサービスの拡充

問題提起者側から通関情報処理センター(NACCSセンター)に対し、SEA-NACCSを利用して輸入した貨物について、輸入者(荷主)の包括延納に係わる関税・消費税の目別納税額の明細等の情報を輸入者(荷主)に提供してもらいたいとの要望書提出された(平成5年6月)。

NACCSセンターでは、要望書に基づき当該情報を提供する方法の案を要望者側に提示したところであり、現在、両者が納得できる解決法方について協議が行われているところである。