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市場開放問題苦情処理推進会議第1回報告書(平成6年5月13日) [本部決定] [フォローアップ]

1-(6) 逆浸透膜型浄水器の日本水道協会による型式承認

○ 問題提起者:駐日米国大使館

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題提起の内容

水道事業者(市町村等)は、水道法等の規定により、給水装置(水道事業者の配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具)の構造及び材質が基準に適合しないときには、その供給規定により給水契約の申し込みを拒み、又は給水を停止できる。

また、各水道事業者は、それぞれの給水条例において、水道利用者(消費者)が給水装置を構成する製品を、(社)日本水道協会の型式承認を受けて製造された製品でありかつ同協会の検査を受けた製品、あるいは各水道事業者が適当であると認めた製品などに限定する旨の規定を置いている。

申立者からは、この制度に関し、以下の問題提起があった。

(1) 現行の(社)日本水道協会の型式審査基準には、逆浸透膜を利用した浄水器についての 明確な基準がないため、型式承認が受けられなくなっているので、早急に基準を策定すべきである。

(2) (社)日本水道協会によれば、浄水器から配水管への逆流防止装置として、エアギャップ構造の逆流防止装置が必要であるとしているが、本件の浄水器については、配水管との間にエアギャップ構造の逆流防止装置はないものの、浄水器と配水管の間に逆流防止弁を使用し、また本体においても逆流防止装置、余剰水排水装置等を十分に組み込んでいるものである。このため逆流のおそれはなく、使用を承認されるべきである。

○ 検討結果

(1) 浄水器に係る型式承認については、逆浸透膜型の浄水器に特化した型式審査基準はないが、現状の(社)日本水道協会の型式審査基準も構造面のみならず性能面にも配慮していることから、同浄水器への対応は可能である。また、逆流防止装置については、同協会では、逆浸透膜を利用した浄水器と配水管との間の逆流防止装置として、エアギャップ構造と同等の逆流防止機能を有する装置が設けられれば充分であるとの判断に至ったとのことである。従って、申立者からエアギャップ構造に代わる逆流防止弁を一体のものとして装着した当該浄水器の型式承認申請があれば、同協会は直ちに審査を開始し、早急に型式承認の可否を決定すべきである。

(2) 同協会の型式承認が、浄水器の市場参入の特に有利な要件となっている状況に鑑み、同協会は、型式承認の申請に対しては、適切かつ迅速に対応する必要がある。また、同協会は、技術革新の進展や新製品の市場参入に迅速に対応する観点から、型式承認制度の改善の検討を進めるべきである。


OTO対策本部決定(平成6年6月24日) [報告書] [フォローアップ]

1-(6) 逆浸透膜型浄水器の社日本水道協会による型式承認の円滑化

(1) 今般問題提起のあった逆浸透膜型浄水器については、速やかに型式承認の可否を決定する。

(2) 給水装置の型式承認の申請に対しては適切かつ迅速に対応するとともに、技術革新の進展や新製品の市場参入への迅速な対応の観点から、型式承認制度の改善について速やかに検討を進め、検討結果を踏まえて、平成6年度中に(社)日本水道協会を指導する。


フォローアップ(平成7年6月5日) [報告書] [本部決定]

1-(6) 逆浸透膜型浄水器の日本水道協会による型式承認

(1) 問題提起のあった逆浸透膜型浄水器については、(社)日本水道協会が型式承認を行った。(平成6年10月)

(2) 型式承認制度の改善については、給水装置に関する検討会を設けて検討を行い、(社)日本水道協会に対し、適切な措置を講じるよう指導を行った。この指導を受けて、同協会においては、型式承認申請手続及び審査方法について、型式承認申請の随時受付を行う、審査についての事務局の裁量範囲を拡大する等の簡素・合理化を行い、申請に対してより迅速に対応できるよう措置した。(平成6年9月)

なお、厚生省は(社)日本水道協会の講じた措置のフォローアップを行っていくこととしている。