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市場開放問題苦情処理推進会議第1回報告書(平成6年5月13日) [本部決定] [フォローアップ]

3-(2) 電気自動車用電池に関する国内規制の緩和

○ 問題提起者:経済団体連合会

○ 所管省庁:自治省

○ 問題提起の内容

近年、電気自動車等のための電池としてナトリウム・硫黄電池の開発が進められている。このナトリウム・硫黄電池に使用されるナトリウム及び硫黄は、我が国においては消防法により危険物とされ、その取扱い、貯蔵方法等が規制されている。 申立者からは、この規制は、ナトリウム・硫黄電池及びその電池を用いた電気自動車のサンプル輸入の障害となっており、また現状のままでは将来に商業輸入を行うことも困難であるが、電気自動車は環境保全の観点から今後その普及が期待されることから、我が国においても欧米のように、ナトリウム・硫黄電池の取扱い及びこの電池を用いた電気自動車の公道走行を含む試験走行が実施できるよう、規制の緩和を進めていくべきとの問題提起がなされた。

○ 検討結果

ナトリウム・硫黄電池は、今後、電気自動車のエネルギー源としてその普及が期待されることから、ナトリウム及び硫黄を使用するナトリウム・硫黄電池を自動車の電源として用いる場合における安全性について、早急に検討を進めるべきである。この観点から、所管省庁において本件調査のために平成6年度予算を措置して検討を行うこととしているところであるが、今後、この調査を行うとともに、関係省庁等と調整の上、ナトリウム・硫黄電池が自動車の電源として、一般に使用される場合等の取扱いについて早急に検討を進めるべきである。


OTO対策本部決定(平成6年6月24日) [報告書] [フォローアップ]

3-(2) 電気自動車用のナトリウム・硫黄電池に係る規制緩和

ナトリウム硫黄電池について、電気自動車用電池として使用する場合の安全性等について平成6年度から検討を行い、その結果を踏まえ、平成8年度を目途にナトリウム硫黄電池に係る危険物の規制の緩和を行うこととする。


フォローアップ(平成7年6月5日) [報告書] [本部決定]

3-(2) 電気自動車用電池に関する国内規制の緩和

平成6年度において、消防関係者、学識経験者及び関係業界の代表者で構成する「Na-S電池(ナトリウム-硫黄電池)に係る安全性の調査検討委員会」を設置し、電気自動車用電池として使用するナトリウム-硫黄電池の開発状況、構造、特性、危険要因、安全性について、調査・検討を行った。この過程で、外国においてナトリウム硫黄電池の事故が相次いで発生したこと等から生産が中止されたことが明らかとなった。また、このため、上記委員会においても、ナトリウム-硫黄電池を入手できず実験等が行えなかったことから、安全性についての確認を得ることができなかった。

なお、平成7年2月3日付けで、問題提起者から推進会議事務局に対し、ナトリウム-硫黄電池の生産・販売が中止された結果、本件に関する要望が消滅した旨の報告がなされた。