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市場開放問題苦情処理推進会議第2回報告書(平成7年3月14日) [本部決定] [フォローアップ]

6-(1) 外国弁護士による国際商事仲裁代理の自由化

○ 問題提起者:欧州ビジネス協会、駐日ドイツ大使館

○ 所管省庁:法務省

○ 問題提起の内容

我が国では、弁護士法第72条により、法律事務一般に関して、弁護士以外の者が報酬を得る目的で業として(反復継続の目的をもって)行うことを禁じている。国際商事仲裁手続に関し当事者の代理となることもこれに含まれるため、外国の弁護士資格を有する者が我が国でこうした業務を行うことは認められていない。ただし、外国の弁護士資格を有する者が、法務大臣の承認を受け、日本弁護士連合会への登録を行えば、外国法事務弁護士として原資格法等に関する一定の法律事務を取り扱うことが可能となり、この場合においては、原資格国法を準拠法とする国際商事仲裁代理を行うことも認められている。

問題提起者からは、日本法と外国法の双方に関連する法律事務が増大する中で、事務処理の効率化、良好なサービス提供等を行うことを可能とするため、このような規制を廃止し、外国弁護士が国際商事仲裁代理を行うことを認めるべきとの問題提起がなされた。

○ 検討結果

本件を含む外国法事務弁護士等に関する規制緩和については、平成5年4月にOTO諮問会議として、「世界経済のグローバル化、貿易投資の相互依存が進展する中で、法律サービスを含め、我が国の制度・規制も国際的に調和のとれたものに見直していくことが必要である。また、企業活動の国際化に伴い、今後日本法と外国法の双方に関連する法律事務が更に増大し、法律サービスの提供形態の多様化、競争を促進することによるサービスの向上を求める利用者のニーズにも十分応える必要がある。従って、国際的に通用する論理を持った結論を早急に出すことが必要である」との政府に対する意見を取りまとめた。

これを受けて、所管省及び日本弁護士連合会の共催による『外国弁護士問題研究会』においても平成5年9月に「我が国における国際商事仲裁制度をより高次の段階に発展させることが時代の要請であると考え、この要請にこたえるために、国際商事仲裁における代理の問題については、一層の自由化に向けて制度を改正する方向で、今後速やかに関係各機関との連携の下に鋭意検討を進めていくこと」との提言がなされた。

これらを受けて、所管省では、日本弁護士連合会との共催で設置した『国際仲裁代理研究会』において自由化の方向で検討中であり、同研究会の研究成果を踏まえて必要な措置を講じることとしている。なお、同研究会は、平成6年6月から毎月1回程度開催しているところである。

こうした経緯を踏まえ、同研究会において早急に国際的に通用する論理を持った結論を得るとともに、その結論を踏まえて速やかに法の整備を含めた必要な措置を講ずべきである。


OTO対策本部決定(平成7年3月28日) [報告書] [フォローアップ]

6-(1) 外国弁護士による国際仲裁代理の自由化

国際仲裁代理研究会において自由化の方向で検討し、平成7年10月を目途に結論を得、次期通常国会を目途に法の整備を行うなど必要な措置を講ずる。


フォローアップ(平成8年5月27日) [報告書] [本部決定]

6-(1) 外国弁護士による国際商事仲裁代理の自由化

『国際仲裁代理研究会』において、平成7年10月に、外国法事務弁護士及び外国で活動している外国弁護士が国際仲裁において代理を行えることを法律上明定すべきであること等の結論を得た。これを踏まえ、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部改正法案を今通常国会に提出済みである。