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市場開放問題苦情処理推進会議第2回報告書(平成7年3月14日)

4-(1) 自動車の基準認証制度の改善

○ 問題提起者:駐日ドイツ大使館

○ 所管省庁:運輸省

○ 問題提起内容

(1) 型式指定を受けた自動車の完成検査の廃止

完成検査を実施するためには、自動車製造者や輸入業者は専用の検査ラインを備える必要がある。また、抜取り検査を実施するためにも、専用の設備と人員が必要である。型式認証制度を持つ他の国では求められていない完成検査や抜取り検査は廃止すべき。

(2) 自動車の型式の技術的変更の際の手続の簡素化

型式指定を受けた自動車については、モデルイヤー内での細部の技術的変更の際にも運輸省に実車を提示する必要があるが、この手続は複雑でコストがかかる。ドイツ国内でのTUVレポート等を受け入れることによって、実車提示を省略すべきである。

(3) 自動車に係るEEC/ECE証明書の受入れ

現在、型式の基準適合性審査におけるEEC/ECE証明書の受入れは部分的には認められているが、追加文書も必要とされている(TRIASレポート)。しかしEEC/ECE証明書の内容はこのレポートの内容と同様なので、同証明書のみによって審査を実施すべき。

(4) 自動車の熱害警報装置の義務付けの撤廃

熱害警報装置を義務付けるのは時代後れの安全規制で、日本固有のものなので、廃止すべき。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 従来から国の定める検査方法に替えて製造業者の品質管理体制に組み込まれている適切な検査方法により完成検査を行うことを認めてきている。さらに、平成6年5月のOTO推進会議第1回報告書を踏まえ、この方針の一層の明確化及びその周知を図るため、7月26日に通達を発した。

(2) 自動車の審査においては、公的試験機関による試験成績書又は社内試験成績書の活用が既に図られており、また、軽微な構造変更については、現車審査を省略し書面のみで審査を行っている。

(3) EEC/ECE証明書には審査に必要な試験結果等が網羅されていないので、保安基準への適合性の審査において運輸省の定めた様式による試験成績書(TRIASレポート)の提出は不可欠だが、EEC/ECE証明書の提出は必要ない。なお、我が国の試験方法と同等な外国試験に基づき作成したTRIASレポートによって審査を行っているが、本取扱は我が国が一方的に実施している優遇措置である。

(4) 排ガス浄化性能の劣化、車両火災等の未然防止のため、熱害警報装置の装着義務の廃止は困難であるが、平成6年5月のOTO推進会議報告書に沿って、エンジンの失火状態を検知して警報する又は燃料供給を止める等の新機構を熱害警報装置と同等のものとして受け入れる方針を平成6年中に固めた。現在、所要の法令改正を準備中である。