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市場開放問題苦情処理推進会議第2回報告書(平成7年3月14日)

6-(3) 外国法事務弁護士に係る規制緩和

○ 問題提起者:欧州ビジネス協会(EBC)、駐日ドイツ大使館

○ 所管省庁:法務省

○ 問題提起内容

(1) 外国法事務弁護士の職務経験要件の緩和

外国法事務弁護士には、原資格国における5年以上の職務経験年数(内、2年間は、日本国内において原資格国法に関する知識に基づいて労務を提供した期間を算入可能。)が必要とされているが、このような要件は廃止すべき。

(2) 外国法事務弁護士による弁護士の雇用の自由化

外国法事務弁護士による弁護士の雇用は禁止されているが、弁護士による外国法事務弁護士の雇用は可能であり、このような規制は廃止すべき。

(3) 外国法事務弁護士と弁護士との共同経営の自由化

弁護士と外国法事務弁護士との共同経営(パートナーシップ)は、一定の要件に該当する「共同事業」を除き禁止されているが、依頼人に適切な法律サービスを提供する必要性から、このような規制は廃止すべき。

(4) 外国法事務弁護士による第三国法関係業務の自由化

外国法事務弁護士による第三国法に関する法律業務は禁止されているが、弁護士は第三国の弁護士の意見を受けることなく他国の法律に関する法律業務を行うことができる。外国法事務弁護士による第三国法に関する法律業務の規制は廃止すべき。

(5) 外国法事務弁護士事務所による本国事務所名称の使用の自由化

外国法事務弁護士事務所の名称として、本国事務所の名称の使用を自由化すべき。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 原資格国における5年間の外国弁護士としての職務経験を要件とすることは、利用者の保護のためには必要であり、職務経験要件を廃止することは困難。

(2) 外国法事務弁護士が雇用した弁護士による日本法の処理に介入することが予想されるため、外国法事務弁護士による弁護士の雇用の禁止を解除することは困難。今回の法改正に伴い外国法事務弁護士が弁護士と特定共同事業を営み、その弁護士に雇用された弁護士と共同して一定の法律事務を取り扱うことは許容されることとなった。

(3) パートナーシップとは英米法上の制度であり、厳密な意味では我が国には存在しないが、法改正に伴い類似した点のある特定共同事業を許容することとした。

(4) 外国法事務弁護士が直接第三国法に関する法律業務を行うことを許容することは困難であるが、法改正に伴い外国法事務弁護士と弁護士が特定共同事業を営む場合には、第三国法の取扱いを特定共同事業の対象とすることができることとした。

(5) 法改正に伴い、原資格国において所属するローファームの名称を、直接外国法事務弁護士事務所の名称として使用することができることとなった。ただし、外国法事務弁護士事務所と称さなければならない。