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市場開放問題苦情処理推進会議第3回報告書(平成8年3月18日)

1-(4) 生鮮冷凍豚肉の輸入検疫

○ 問題提起者:駐日タイ大使館

○ 所管省庁:農林水産省

○ 問題提起内容

現在、タイから日本への生鮮冷凍豚肉の輸入は認められておらず、日本政府により認可されている4工場で加工された茹でた豚肉を冷凍したもの、ハム及びベーコンしか日本へ輸出することができない。そこで、対象となる豚肉が口蹄疫清浄地域のものであるとタイ側が証明できた場合には、生鮮冷凍豚肉の輸入が可能となるように考慮すべきである。

なお、タイにおける口蹄疫清浄地域に関しては、タイ側家畜衛生当局は、ゾーン2(タイの東部地域)を口蹄疫清浄地域と認める。この地域はこれまで口蹄疫が発生したことがなく、かつ当該地域の偶蹄類は全てワクチン注射を受けている。このことは、国際基準以上の条件を満たしている。(国際基準ではワクチン注射を要求していない。)

○ 所管省庁における対処方針

口蹄疫の発生国・地域からの豚肉の輸入については、家畜伝染病予防法に基づき、海外からの悪性伝染病侵入防止の観点から禁止している。

タイについては、国際機関(OIE)からの情報によれば、口蹄疫が多発しており、タイにはゾーン2を含め国際基準に基づく口蹄疫の清浄地域は存在しない。また、ワクチン接種地域では、発生報告がない場合でも、ウィルスが潜在している可能性があることから、国際基準では清浄地域としての認定に当たり、ウィルス活性の不在の証明等のより厳しい条件を課すこととされており、ワクチン接種の実施をもって国際基準以上の条件を満たすとのタイ側主張は国際的な家畜衛生上の基本的認識とは異なっている。したがって、冷凍豚肉の輸入解禁はできない。

いずれにせよ、本件は技術的問題であるので、両国家畜衛生当局間で技術的協議を行う必要があり、タイの口蹄疫の清浄化が進展した後、タイ側から口蹄疫の発生状況も含めた家畜衛生状況に関する詳細な情報が十分に提供された時点でこれを開始することとなる。