OTOデータベース HOME

市場開放問題苦情処理推進会議第3回報告書(平成8年3月18日)

1-(6) シアン化合物を含有する豆類の規制の緩和

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題提起内容

米国でダイエットフードとして使用されている豆に少量のシアンが含まれていたため、商業ベースの輸入ができなかった。米国ではラットによる毒性試験も済ませ、トラブルが発生したことのない成分であるので、身体に無害と確認できる程度のものであれば輸入許可すべきである。

(専門家会議を経て対処方針改定後、事務局に以下の問題背景の説明があった)

シアンが検出された場合には、生あん用の原料として使用されることとなるが、この場合には、製造プロセスに厳しい規定があり、この規定に従うことで輸入許可となる。しかし、ダイエットフード用の場合は、豆の中の一部の成分を抽出したもの(パウダー状)を原料として使用するため、生あん用と同じプロセスには従えないため、輸入できない。

以前、臨床データ等をもとに厚生省にかけ合ったことがあるが、らちがあかないため、輸入をあきらめ、資料等も廃棄してしまった。

○ 所管省庁における対処方針

シアン(青酸)化合物の検出される恐れのある豆類について、含有の限度を定めるとともに、シアン化合物の検出される豆類は生あんの原料以外に使用してはならないことを定め、さらに、その豆類を用いて生あんを製造する方法の基準を定めて、シアン化合物が最終製品に残存しないことを確保している。これにしたがって、豆類のうち、サルタニ豆、サルタピア豆、バター豆、ペギア豆、ホワイト豆、及びライマ豆であって、基準値以下のシアン化合物を含有するものについては、生あんの原料として輸入することが可能である。

(専門家会議で「上記対処方針では不十分」との委員からの指摘を受けた後)

米国でのラットの毒性試験については、問題提起者に情報提供を求めたが、回答困難との応答であったため評価することができなかった。今後、照会に対する回答があれば、米国での毒性試験についての科学的評価を行うこととしたい。

なお、本件については、問題提起内容を正確に把握し、十分な対処方針を作成するため、問題提起中の「米国ラットによる毒性試験も済ませ、トラブルが発生したことのない成分」との記述について、問題提起者に対し、その記述の根拠となる資料に関する情報提供を求めたが、問題提起者からは、「回答することは困難」との応答があったため、対処方針の作成については、OTO事務局と協議の上、規制制度に関する一般的説明をすることとした。