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市場開放問題苦情処理推進会議第3回報告書(平成8年3月18日)

3-(7) 革製品の関税分類の簡素化等

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:大蔵省、通商産業省

○ 問題提起内容

バッグ等の革製品の関税分類は材質、金メッキの有無等により細かく6分割されており、さらに金メッキを使用している場合は全体の表面積の20%に該当するか否かで評価も異なるため、初回輸入については、実際の商品をあたって申請しなければならず、2回目以降の輸入の際も写真又はカタログ等を用意しインボイスとの照合作業が必要となる。このように分類が複雑なため、商品内容の点検に手間と時間がかかり、倉庫料がかさむ等の問題がある。米国では爬虫類以外の革製の場合$20以上、以下の区分のみ、EUではハンドメイドとそれ以外の区分のみであり、ハンドバッグ等革製品の関税分類については、大幅に簡素化を図るべき。

革靴は一般的には60%または4,800 円のいずれか高い方の関税が課せられるため価格競争力がなく関税割当枠での輸入をせざるを得ないが、枠申込み手続の簡素化をすべき。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 関税分類の簡素化について

関税分類の簡素化は関税率の変更を伴うものであり、その事柄の性格上、市場開放という観点のみで検討されるべきものではなく、多角的な検討、調整を要するものである。

(2)「関税分類が細分化され過ぎているため、輸入業務を煩雑にしている」という点について

我が国は、米国等82カ国(経済同盟を含む)が加盟している「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約(HS条約)」の加盟国であり、我が国の関税分類は、同条約の附属書であるHS品目表(6桁)に基づき行っている。

また、我が国と同様、諸外国においても、HS条約で定められた6桁に、それぞれ必要に応じて国内細分を設定して分類しているが、国際的に見ても我が国のみが細分化され過ぎている状況にない。

例えば、米国においては、HS第4202.21 号及び4202.22 号に分類されるハンドバッグについて20項目(我が国の場合7 項目)に分類されている。

なお、関税分類の事務が煩雑との点については、輸入者の利便に資するため、関税法第7条第3項に基づく事前教示制度の累次の改善(有効期間の延長等)、事前教示回答書の閲覧制度の導入(平成7年7月)、事前教示回答書等のデータべース化(平成8年1月)等により対応してきたところであり、これらを積極的に活用されたい。

〔大蔵省〕

革靴の関税割当については、関税割当申請者に対し公平な割当を維持するため(いわゆる不正な割当取得者を排除するため)、必要最小限の提出書類をお願いしているところでありこれ以上の簡素化は困難である。

〔通商産業省〕

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解」