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市場開放問題苦情処理推進会議第4回報告書(平成9年3月17日)

2-(4) 医薬品承認審査に係る海外データの受入れ

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題提起内容

海外の医薬品の日本における承認・許可にあたっては、当該医薬品の安全性データは、その試験内容方法等が「日本の基準に合致していること」を条件に受け入れることとされているが、日本においてのみ追加データを要求している例が多々あるのが現状で、有効医薬品の早急な受入れを阻害している。米国・EU等先進国に認められたデータは、人種間に差があるとされている吸収・分布・代謝・排泄及び臨床データを除き無条件で受入れ医薬品承認審査のレベルを合わせるべき。

○ 所管省庁における対処方針

医薬品の動物等を用いた安全性試験データの試験方法等は、国際的ハーモナイゼーションの観点から、医薬品規制ハーモナイゼーション会議(ICH)の中で統一化が進められている。このため、海外で実施された試験データは、ICHガイドラインに準拠して実施されたものであれば受け入れることとしており、単に試験の方法が海外と異なることをもって再度試験を実施するよう要求することは無くなっている。

一方、医薬品の承認審査は、品質試験、安全性試験、薬理試験、吸収・分布・代謝及び排泄に関する試験、臨床試験等を総合し、その時点で最新の医学・薬学等の科学水準に照らして安全性、有効性、品質を評価するものであり、既に米国・EU加盟国等先進国の当局により承認された医薬品であっても、我が国の承認審査において、提出されたデータからみて、安全性に疑問があれば、追加の動物試験等が必要となる場合がある。具体的には、試験実施時期が古い動物試験成績等の場合であって、現時点での科学水準に照らして不十分な内容である場合、動物試験では予見できなかった副作用等が臨床試験において現れ、その原因究明のため新たな動物試験を実施する場合等が考えられる。

なお、追加データを要求している例が多々あるとのことであるが、具体的事例を連絡いただければ、科学的観点から対応することとする。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」