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市場開放問題苦情処理推進会議第4回報告書(平成9年3月17日)

3-(2) 繊維製品の輸入に係るセーフガード措置の再検討

○ 問題提起者:香港経済貿易代表部

○ 所管省庁:通商産業省

○ 問題提起内容

日本政府は、国内の業界の要請を受けて、1995年4月、セーフガード措置を発動するか否かを決定するために綿糸、ポプリン・ブロードの輸入に係る調査を開始し、同年11月にセーフガード措置を発動しないと発表した。しかし、他の国内業界団体からの要請により、日本政府はセーフガード措置検討を目的として、1996年8月、中国産等の綿製ポプリン・ブロードの輸入調査を開始した。

数量制限の賦課は、WTOの繊維協定の精神に反するものであり、また、WTOの場や1994年通商白書で表明されている数量制限の撤廃や自由貿易を支持するとの日本政府の考え方とも矛盾するものである。香港政府は繊維製品の輸入を制限する日本政府のいかなる措置にも強く反対する。

○ 所管省庁における対処方針

繊維セーフガード措置の発動は香港も署名しているWTO繊維協定で認められた権利であり、繊維セーフガード措置に係る手続等を整備することや、同手続に基づき、その発動のための調査開始を決定することを含め、同措置を運用することはWTO繊維協定上何ら問題はない。

我が国は、繊維セーフガード措置について、WTO協定に整合した発動の是非を決定するための国内手続等を整備し、公表しており、その中で利害関係者等に証拠の提出や意見の表明の機会を与えている。我が国の繊維セーフガード措置発動の是非の検討は、この手続の中で行われるべきであり、本案件は、問題として提起されるべき性格のものではないと考えている。

なお、綿製ポプリン・ブロード織物についての繊維セーフガード措置に係る調査については、別途同織物の輸入急増問題を話合いにより解決したいとの中国側からの希望を受けて中国側と行ってきた話し合いの結果、中国側の輸出自主管理が強化され、日本側でも、これに対応して輸入通関時確認制を導入することとなったため、平成8年11月6日通商産業大臣談話を発表し、調査の続行を見合わせることとした。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」