OTOデータベース HOME

市場開放問題苦情処理推進会議第4回報告書(平成9年3月17日)

4-(2) キャンピング・トレーラの構造基準の緩和、およびキャンピング・トレーラに係わる保管場所法の扱いについて

○ 問題提起者:日本貿易会

○ 所管省庁:運輸省、警察庁

○ 問題提起内容

(1) 現行のキャンピング・トレーラの車両総重量は750kgを上限としているが、各国の上限はむしろ750kgを超えている。輸入キャンピング・トレーラは海外の基準をベースに車両を開発しているため、日本人が必要とするアイテムを装備すると750kgをオーバーする。そのため装備をグレードダウンして対応しているが、その結果として消費者のニーズに合わなくなってしまい、キャンピング・トレーラの普及に支障をきたしている。よって現行の車両制限の上限750kgを900kgに緩和してほしい。

(2)
1) 現状、自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令により、自動車の保管場所は使用の本拠の位置から2kmを超えない旨規定されている。キャンピング・トレーラはそもそも都会を離れ山間部もしくは海岸部に赴き余暇を楽しむためのものであるから、キャンピング・トレーラの車庫を自宅周辺である町中に確保する必要は必ずしもない。厳格な保管管理が行われているモータープール (専用保管施設) に保管を委託している場合にはキャンピング・トレーラの使用の本拠の位置として認める特例措置が図られたが(平成7年8月)、モータープールがまだそれ程普及していないこと等の事情にかんがみ、現行の使用の本拠より2km以内の制限をさらに緩和し、遠隔地における保管を可能としてほしい。
2) 自動車の保管場所の確保等に関する法律の特例措置(1)参照)において、その対象を長さ5.7m以上、幅1.9m以上のものに制限しており、小型キャンピング・トレーラは対象から外れている。キャンピング・トレーラに対する特例措置であることから、小型のものについても同様に特例措置を適用して欲しい。
3) 普通免許で運行できるキャンピング・トレーラについて、現行重量制限である 750kgの規制を緩和して頂きたい。また普通免許取得時には、 750kgの基準を下回る車両の牽引能力があるかどうかの判定は行っていないと了解しており、この基準が国際的な基準と同レベルにあるとは思われないことから、この基準の根拠について示して頂きたい。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 問題提起内容は全くの事実誤認である。キャンピング・トレーラ等の構造基準は、(社)日本自動車工業会及び(社)日本自動車車体工業会が定めたものであり、その適用範囲は、車両総重量が750kg以下のものとされているが、道路運送車両の保安基準等関係法令においては、車両総重量を750kg以下に制限しておらず、これを超えるものであっても関係法令に適合していれば検査・登録を受け運行することが可能であり、既に実績がある。なお補足であるが、道路運送車両法の保安基準においては、従来、車両総重量が750kg以下のものについて慣性ブレーキ(簡易なブレーキ)でも良いこととされていたが、平成8年9月30日付で緩和を行い、その対象を車両総重量が3.5t以下のフルトレーラ等にまで拡大したところである。

なおキャンピング・トレーラの車両総重量規制の事実関係について、問題提起者及び運輸局に対し文書等で連絡した。

[運輸省]

(2)
1) 自動車の保管場所の位置と使用の本拠の位置の距離要件については、都市部における駐車場確保の困難性等をかんがみ、平成2年、自動車の保管場所の確保等に関する法律及び同法施行令の改正により、従来の500mから2kmに緩和したところであり、これを更に緩和することは適当ではない。
2) 自動車の保管場所の確保等に関する法律に係る特例措置を講じたところであるが、これは、キャンピング自動車は、日常的に市街地で使用するものではなく、また、その大きさから市街地で保管場所を確保することが困難であること等を勘案して、保有者の住所地以外の場所であっても、第三者による厳格な保管管理が行われている施設で、当該施設を使用の本拠とすることが確実に見込まれる場合には、これを使用の本拠の位置と認めることとしたものである。よって、一定の大きさに至らないものについては、特例措置の対象とすることはできない。
3) 一般に、他の車両を牽引して自動車を運転する場合には、牽引する自動車の運転に係る技能及び知識のほか、他の車両を牽引するための技能及び知識が必要とされることから、運転免許の種類に牽引免許を設けて、必要な能力を備えているかどうかを別個の運転免許試験により判定しているところである。

しかし、被牽引車が軽量である場合には、牽引自動車の運転に与える影響が比較的小さいことから、牽引自動車を運転する能力があることで、被牽引車を牽引して運転する能力があると認めているものであり、このような軽量の被牽引車の基準として、車両総重量が750kg以下であることが定められている。

この750kg以下という基準は、道路交通に関する条約における基準にも準拠するものであり、また、欧州諸国の統一に向けて策定された運転免許に関するEEC指令(1991年) においても同様の基準が定められており、国際的な基準となっている。

[警察庁]

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
(1) に関して、「今回の対処方針に満足」