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市場開放問題苦情処理推進会議第4回報告書(平成9年3月17日)

5-(1) 北米型枠組壁工法輸入住宅の規制緩和

○ 問題提起者:横浜商工会議所

○ 所管省庁:建設省

○ 問題提起内容

現在、輸入住宅の建築基準は、実態的には、住宅金融公庫の住宅工事共通仕様書の内容に規定されている。この仕様書の基準は構造計算上、安全率が3〜4.5倍となっているものも多く、極めて不経済で不合理であるため、優れた生産性を妨げ、結果として建設コストを上昇させている。

北米型枠組壁工法本来の合理性や経済性を十分活用できるような規制緩和を行うべき。具体的には、

(1) 構造用合板の接合釘の間隔並びに 本数が多すぎており、北米では2倍以上の間隔が基準となっている。

(2) ドライウォールの取付け釘及びビスの間隔も狭すぎる。

(3) トラス方式の小屋組の場合、トラスの間隔が50cmを超えると全ての部分に頭ツナギが必要となっているが、北米で60.6cmの間隔が一般的であるのに加えて、棟部以外の頭ツナギは必要とされていない。

(4) 構造物用金物、釘類も独自の規格があるため、国産以外は使用できない。

(5) 構造用合板についても、まだJISで認められている規格と同等までにはなっていない。

などの点について、あらためて構造上の計算をし、改善措置を講ずるべき。

○ 所管省庁における対処方針

改善希望内容として挙げられた(1)、(2)、(4)の釘類に係る部分及び(5)については、我が国で地震が多いこと等を踏まえ、実験等に基づき構造耐力上の十分な安全性が確保されるよう定めた枠組壁工法の技術的基準(昭和57年建設省告示第56号)に規定されている事項であるが、現在でも、建築基準法第38条の規定に基づき建設大臣が同等以上の効力を有すると認めたものについては、この基準に基づかない特殊な構造方法のものであっても建築が可能になっている。

さらに、上記告示については、我が国において安全性を確保するための必要な性能を有するものであれば、現行の仕様規定によらないものでも建築が可能となるよう、平成8年度中に性能規定化を行う予定である。

なお、住宅金融公庫監修の工事共通仕様書は、消費者の保護と設計者等の利便に供することを目的に、一般的な材料、施工方法を例示として記載しているものであり、建築基準法令及び公庫建設基準以外に本共通仕様書に新たに基準の義務付けを行っているものではない。また、共通仕様書に記載されていない材料や施工方法についても、建築基準法令及び公庫建設基準に抵触しない範囲であれば、個々の設計に応じ適宜添削、加筆及び他の仕様書の使用ができるようになっている。

改善要望内容の(3)及び(4)の構造用金物に係る部分については、上記告示及び共通仕様書のどちらにも規定されていないため、問題はない。